てんしっちのたまごっち 電池挿入方向

てんしっちのたまごっち

てんしっちのたまごっち 電池挿入方向

今回の記事は、修理内容の共有ではなく、たまごっちのボタン電池の入れ方についてです。

たまごっちの修理依頼として、電池を入れたのあだが、3秒程で液晶が消えてしまい、新しい電池を入れても電池の容量不足の表示も出てしまうというご相談がありました。

当初は、電池ボックスの片方の電池にショートが発生して、片側の電圧しかかかっていないのかなとか、過去に液漏れがあり、腐食の抵抗分で電圧降下を起こしていたのかなと推測しておりました。原因は、直ぐ判明しました。

電池の挿入方向が逆

たまごっちの電池を入れた経験のある方は、直ぐ分かるかと思いますが、片方の電池の挿入方向が逆です。

一般的なおもちゃの多くは、単三乾電池などを入れる際、正極と負極が直列につながるように入れたりしますが、たまごっちの電池ボックスは、どちらも同じ方向でいれなくてなりません。

正しい電池の挿入方向

裏蓋にも絵はありますが、できればどちらも同じ方向で入れるように描いて欲しいところですね。また、裏蓋には電池用の導通電極がないので、正負逆に入れるのではなさそうということもわかります。

さて、今回の不具合の症状ですが、電池の容量不足になる理由は、片方のボタン電池を逆に入れていたため、片方の電池分の電圧が正極を導通しかかっておりませんでしたので、正常な3Vから1.5Vに低下しているためでした。

今回は、修理の記事ではありませんが、情報共有までとなります。


たまごっち 電極、液晶、基板交換修理

たまごっち

たまごっち 電極、液晶、基板交換修理

たまごっち3台の修理依頼でした。

1台目:白たまごっち

まず、裏蓋電池ボックスのネジの片方がつぶれてしまったそうで、その開封のご依頼でした。

つぶれたネジ

この手のネジの開封は、たいへん難しくご経験のない方には、ご自身での開封はおすすめしません。

本記事のご依頼の方ではありませんが、当医院にご依頼になられるたまごっちのネジの開封依頼の半分は、ご自身で開封に挑戦したが、結局失敗してご相談になられる方です。

取り外し

当医院の記事を参照した方も居られ、意図も簡単に開封しているのならば、自分でもできるのはと挑戦をされて居られるのかもしれませんが、言っておきますが、『簡単ではありません。』たいへん危険でもあり、大けがの危険性もあるので、ご自身での開封はなさらないでください。また、たまごっち本体の破損リスクもありますので、そのリスクを許容いただく前提となります。

電極折れ

さて、無事にネジの開封は済んだのですが、蓋を開けてみると、電極が折れて取れておりました。この電極は、折れてしまうと交換以外に修理の方法がないのですが、運よく当医院に『新種発見』の部品取り用たまごっちがあるので、このたまごっちから移植を考えていたのですが、最終的にご依頼の2台目の修理に部品取り用の液晶と基板を移植することになったので、ご依頼の2台目に元々ついていた電極を移植することになりました。

液晶は無事
電極移殖

つぶれたネジ開けと電極端子の移殖も無事完了し白たまごっちの修理は完了です。

さて、次に2台目の白・青たまごっちです。このたまごっちは、『新種発見』という名前らしいです。

白・青たまごっちは、まずボタン電池の液漏れによる電極端子の腐食と液晶が焼けてしまい、液晶が薄いところでした。

電極腐食
養生して研摩

電極端子の腐食は、養生を行いお手製の中和溶剤で洗浄します。その後、取り切れない腐食は、ルーターで研磨します。できれば、研摩後剥がれたニッケルメッキも再メッキしたいところですが、再メッキは少々お金がかかるので、ここは再度動作すればという点で研磨のみとします。次に液晶の焼けについてです。

液晶焼け

画像のとおり、正常な液晶と比べても薄く黒くなっているのが分かります。液晶電極側の端をみても焼け具合が分かります。この状態でも修理となると、偏光板の交換で復活するかもしれませんが、あいにく偏光板の在庫もなく偏光板の交換は今後の宿題としたいと思います。

さて、修理の方針は、液晶自体を単体で入手はできませんが、運よくちょうど当医院に部品取り用の『新種発見』の白・青たまごっちがあります。なので、液晶と基板を丸ごと移殖交換をします。基板を交換する理由は、液晶のゴム端子に基板側の金パットの電極の凹凸癖が付いているので、金パットとの接触不良を考え丸ごと交換します。COBの中身も同じですし。

ここで、白・青たまごっちは、部品取り用の液晶と基板を移植するので、前述の白たまごっちの折れた電極は、交換元の基板から移植することにしました。

これで無事に白・青たまごっちの修理も完了です。

最期は、3台目の透明たまごっちです。

3台目も2台目同様に電極の腐食と液晶の焼けがあります。ですが、部品取り在庫を白・青たまごっちに使用してしまったため、3台目の部品がありません。フリマサイトでジャンク品を見つけそこからの交換をと考えましたが、ご依頼者様とご相談の結果、1台目と2台目の修理で十分とのことで3台目の修理は行わないことになり、腐食電極端子の研磨のみとすることにしました。

今回の修理では、部品取り機の在庫がもうないので、ここまでの作業としましたが、今後のことも考え偏光板交換の準備をしておこうかと思います。


この度はたまごっちの治療をして頂き本当にありがとうございました。

私が問い合わせた時期は受付を休止なさっていたのですが、 予定の時期よりもかなり早く連絡を頂けました。

迅速に対応下さりありがとうございます。

依頼時にかなりの錆があり、治る望みが薄そうだと思っていたのですが ドクターのお陰で見事に復活し、現在手元で大切に育てております。

20年以上も前のものですので、実際に動かしたら当時の感情も蘇ってきて感動で震えました。

診察ややりとりもかなり丁寧で、迅速にご対応いただきました。

手を差し伸べてくださり本当にありがとうございました。

~ご依頼様のご感想より~

たまごっち 押しボタン交換

たまごっち 押しボタン交換

過去の修理事案でも時々ある押しボタンの反応が悪い件です。押しボタンの反応が悪い原因は、基板との接触端点が汚れていたり、シリコンゴム製のボタン側に塗布されている導電塗料が剥がれたり、導通不良などです。同じような不具合は、赤外線リモコンの押しボタンの反応悪化と似ています。

金メッキパターン
押しボタン塗料

目視レベルでは明らかな問題はなさそうですが、アルコール洗浄と接点復活剤を吹いて動作確認をしましたが、多少の反応の改善はありましたが、完全な回復はしませんでした。

さて、基板側の金メッキされたパターンは問題なかろうかっら、このような場合は、以前の記事のようにボタン側の導電塗料にアルミ箔をはり回復をはかります。

ですが、実は今回のたまごっちですが、2017年発売の復刻版というたまごっちで、裏蓋のネジの頭がつぶれないように改良されており、シリコンボタンも材質が変わったようで、両面テープが貼れない素材になっております。

困りました、アルミ箔を貼れないです。そこで、そういえば、前に仕入れていた、たまごっちが、あったけなということで、そのたまごっちのボタンに交換を試みました。色味がかなり違いますが、接触が改善できました。やはり、ボタン側の塗装に問題があったようです。

実は、修理作業後に、問題のあった押しボタンですが、両面テープでアルミ箔を貼りつけることができなかったため、アルミ箔を接着し元のたまごっちで動作を確認してみました。

アルミ箔を貼りつけても接触が改善しません。どうも押しボタンのストロークが足りなく、強く爪で押し込まなければ反応しません。詳しい原因は、不明ですが、どうも導電塗料の劣化以外にもボタンに何らかの問題があったようです。接点の洗浄などで接触が回復できなかった場合、アルミ箔での回復手順に変更はありませんが、ボタン自体に何らかも問題があった場合は、やはり交換以外に修理はできそうありません。何か他の良い策を検討しないけいけないので、今後の宿題にしたいと思います。因みに、導電塗装を再度行うことは、コスト面からかなり厳しい方法となります。


凄い!凄いです!

こんなに完治した状態で返ってくるなんて感激しました!

おもちゃ修理について色々調べた所おもちゃ病院というのを知りました。他の病院は毎月決まった曜日に出向かないといけないそうで宅配で対応してくれるこちらに連絡したところお忙しい中にも関わらずすぐに修理依頼を受けてもらう事が出来ました。

実績を一覧で載せているのもとても分かりやすくて安心して預けることが出来ました。 ボタン反応が悪くて今回修理してもダメであれば諦めようと思っていたのですが お任せして良かったです。

ボタンを交換したので色が変わりましたが、他に無いオリジナルモデルになったので今後一層大切に出来ます。 ストレス無くスムーズに操作出来てます。

本当に本当にありがとうございました。お世話になりました。

~ご依頼者様のご感想より~

デビルっちのたまごっち デビルっち ネジ外し

デビルっちのたまごっち

デビルっちのたまごっち デビルっち ネジ外し

筐体の色が、赤のようなピンク色のまたごっちです。裏蓋のネジがつぶれてしまい開封のご依頼がありました。

つぶれたネジ穴

話しは、少しそれますが、このたまごっち、市場ではかなり高騰しているらしく、目が飛び出るような高額で取引されているようです。今まで、同じデビルっちのたまごっちの白と黒の開封の経験がありましたが、お大事にされている理由が少しわかった気がします。

さて、開封を無事完了できました。

開封

ネジ周囲の円を描いた傷は、ご依頼者様が頑張った形跡で、当医院ではそれ以上の傷を増やさずに無事開封しております。

開封
新しいネジ

本当に有難うございました。

修理して頂く時間も修理完了、返送のご連絡等、とてもスムーズで、本当に感謝しております! ねじの締め方もお教え頂き、可愛いシールまで頂き、この度は本当に有難うございました!

また、是非、困ったときは、宜しくお願い致します。^^

~ご依頼様のご感想より~

たまごっち ネジ外し

たまごっち

たまごっち ネジ外し

ネジ外しの第2段です。第2段は、4台のたまごっちのネジ外しです。

黄色たまごっち
紫のたまごっち
星のアンテナのたまごっち
てんしっち

今回のご依頼もほぼほぼネジ山のなくなったネジの開封となります。

黄色のたまごっち
紫のたまごっち
星のアンテナのたまごっち
てんしっち

無事4台とも開封に成功しましたが、本体の動作確認で修理の必要なたまっごっちについて紹介します。

黄色のたまごっち

黄色のたまごっちですが、動作確認時に絵柄以外の箇所の液晶の反応が見られました。

絵柄のあるドットの縦の線で周囲に液晶が反応している箇所がうっすらあります。過去の修理実績では、特定の縦ラインの液晶が消えてしまった症状のご依頼を受けたことがあるのですが、その際、ゴムラバー内接点の不具合かと剥がして接点を洗浄して再度貼りつけるなど行いましたが、改善が見受けられませんでした。プリント基板へゴム内の接点を押し付ける応力で導通を確保しているので、接点を研摩してみようかと検討しましたが、最悪映らなくなるリスクをお伝えし、それ以上の作業を断念した経験があります。

今回も接点などを剥がし調整する場合、映らなくなるリスクもあるので、ご依頼様にご相談した結果、現状のままでとなりました。接点の回復で解消できる可能性もありますが、液晶ドライバや液晶の不具合の場合は、液晶自体の交換が必要になります。今後不具合が悪化具合で再度、接点の洗浄や研摩を行い改善できなければ、液晶の交換をと思います。

3つのボタンのうち、左のボタンに異物が挟まり反応が悪くなっておりましたので、異物を取り除き修理完了です。

次に紫のたまごっちですが、3つのボタンが全て効いておりませんでした。

アルミ箔

ボタンを取り外し接点をアルコールで洗浄したのですが改善しませんでした。拡大鏡で接点をみると、プリント基板の接点のパターン跡があるので、恐らくボタンが強く押されたまま保管されていたようです。それが影響したのだろうと思います。こうなっては、簡単には修復できないのですが、家電リモコンの接点回復でよく用いる方法にアルミ箔で覆うことがあります。

ですが、たまごっちのボタンは小さいため、アルミ箔をはるのもたいへん苦労しました。

また、ボタン電池の液漏れの形跡もありましたので、洗浄しておきます。

液漏れ跡

星のアンテナのたまごっちですが、裏蓋のネジは、1本です。今回取り外したネジを交換をさせていただきましたが、星のアンテナのたまごっちのネジは、M2.6, 5mmのなべネジがぴったりでした。

液晶のコントラストが極端に低くたいへん見づらいのですが、元々の仕様のようです。さて最後にてんしっちですが、こちらは新品なので、ネジ外し以外不具合もなく良好です。

ネジ外しについては、たいへん危険を伴いますので、今後は方法について掲載を控えよと思います。お困りの皆様は、お問い合わせよりご相談ください。


全て頂いた動画通り完全に復活していました。

なんとお礼を伝えたら良いか… ⠀ おもちゃドクターさんのお陰で再び命を宿すことが出来ました。

本当に心から感激しています。 黄色のたまごっちはボタンが本当に強く押さないと操作できなかった記憶が強かったのですが、驚くほどボタンが押しやすくなっていて驚いております。

紫の方はボタンの押しづらさなどの記憶が無かったので瀧下様が開封・点検して下さらなければ仮に蓋を開けても再び育てることはできなかったんですもんね(涙)

こちらもしっかりボタンが押せてお世話しやすいです。

てんしっちも星のたまごっちももう蓋を開けることが出来ないのかと悲しかったですがまた遊べることになり、大満足でございます。 本当にありがとうございました。

~ご依頼様のご感想より~

たまごっち ネジ外し

たまごっち

たまごっち ネジ外し

たまごっちのネジ外し第1弾となります。今回は、たまごっちのネジ外しを集中して取り掛かります。まずは、第1弾で3個のネジ外しのご依頼です。便宜上、色で区別します。

黒いたまごっち
赤いたまごっち
青いたまごっち(左)
青いたまごっち(右)

黒いたまごっちは、取り外せなかった左側のネジを、赤いたまごっちも同じく左のネジを青いたまごっちは、両方のネジが取り外しの対象となります。

黒、赤ともネジの溝が全くなくなっており、青いたまごっちも溝がなくなっています。目視では、青のたまごっちのネジ頭の程度が幾分良好なので、青いたまごっちは、たぶん容易に開封できそうと高を括っていたら、痛いしっぺ返しをくらいました。

いつもの手順にて開封を行い、黒と赤のたまごっちは、無事開封に成功しました。毎回ですが、手を大けがする危険性をはらみながらの作業は、毎回ドキドキ、冷や冷やします。

強くドライバーを押し付けるので、誤って左掌にドライバーを突き刺してしまう危険性があるので、ご覧の皆さんは決してマネをしてはいけません。万一お怪我をされても、当院では一切の責任を負いません。

無事開封
動作確認
無事開封
動作確認

最後に青いたまごっちですが、ネジ頭の溝周辺の肉厚がかなり残っていたので、簡単に開封できるだろうと油断しておりました。

青いたまごっちは、かなりきつく締められており、強く押しつけてネジの溝と筐体の摩擦を弱めることができませんでした。強く押してゆっくり回すを鉄則に開封に挑戦しましたが、ネジはびくともしません。

ネジの頭は、削れるばかりで、周辺の肉厚がなくなったところで、現状のままでの開封は断念しました。

青いたまごっち(左)
青いたまごっち(右)

ネジを回転することで開封することは、もう不可能なので、ご依頼者様へ以下とご提案をしました。

  1. ネジの頭を削り取り蓋を開封する。裏蓋のネジ周囲に削った際の傷が付くことを了承いただく。
  2. 残りの下半分のネジ除去に挑戦するが、ペンチで回す際に諸共もげてしまった場合は、本体にネジ穴に拡張した穴を開けて残ったネジを除去。
  3. 除去が成功した場合は、拡張した穴をリペア剤で補修してネジは再度締められるようにする。こちらが過去の施工例です。

ですが、この手法を用いると、蓋はもちろん、本体側にも傷が付いてしまうので、ご依頼者様へ判断をお伺いし、今回は、青いたまごっちの開封は断念されるとのことでした。残されているボタン電池の液漏れなどの注意点をお伝えして作業終了となります。


デビルっちのたまごっち 液晶修理

デビルっちのたまごっち

デビルっちのたまごっち 液晶修理

今回のご依頼は、つぶれたネジではなく、液晶ドットの縦抜けの修理依頼です。

因みに、この黒筐体のデビルっちのたまごっちは、激レア物らしく、中古市場では、数万円で取引されているようです。もう、おもちゃじゃありませんね。※たまごっちは、なんでも鑑定団でも鑑定にだされているものもあるようです。

液晶の表示不良は、液晶自体の故障もありますが、液晶モジュールの端子と基板間の接触不良でも表示不具合がでます。

抜け具合

完全に表示ができないというよりは、反応するラインとその周辺のちらつきもでているような、アナログチックな症状です。

接触ズレであれば、位置の調整で元も戻りますが、どうでしょうか?開封して状況を拝見します。

液晶モジュール端子面

他のたまごっちを修理したことがあると分かりますが、この端子面は、ゴム製でゴムの中に電極の粒子が埋め込まれております。以前のお仕事で、この手の電極が埋め込まれているゴムを使ったことがあるので、同じ形態のようですね。画像でも認識できますが、表面に凹凸ができています。

これは、接触する基板側の電極パットの形がそのまま押し当てられているので、その形状が残ったものです。まずは、表面をアルコールで洗浄し位置ずれがないか確かめしましたが、どうも位置連れではなさそうです。

画像にもあるようにアライメントを調整するため、液晶を固定する抑えがあります。なので、容易に位置ズレは起きなさそうですが、念のため微調整しながら表示の改善がされるか試したところ、まったく改善されません。また、抑えの力が弱くなった可能性も考え、端子上部にテープフィルム一枚程度を貼り付け抑えを増しても 改善されません。

小手先の対応では、どうも無理そうです。ゴム電極表面を軽く研磨してみようかと思ったのですが、研磨作業でゴム電極諸共剥がしてしまうリスクもあったので、ご依頼様にその旨ご相談したところ、現調査まで諦められる旨とのことでしたので、修理不可とし返送をさせていただきました。

液晶モジュールを中古のジャック品から流用できるかも検討しましたが、先の通り、中古市場では流通はもとより、そもそも高額取引されているためジャックパーツも無理です。

※それとですが、液晶モジュールを他のたまごっちからの流用も考えましたが、液晶の背景が変わってしまうため、これも断念しました。

たまごっち ネジ外し

たまごっち

たまごっち ネジ外し

お大事になされていた、6つのたまごっちの裏蓋ネジ外しのご依頼です。

因みに、現在もたまごっちは新製品が発売されておりますね。

たまごっちのネジって凄く弱いです。強く締めると、締めた際に溝がつぶれて、開けるときも無理に開けるとさらに溝がつぶれます。

以前、収集保管されていたたまごっちを久しぶり遊ぼうとした際にネジをつぶしてしまったというご依頼が多いです。さて今回のご依頼の状況を確認しましょう。

程度の良いものから、溝が全くなくなっているものまであります。

ネジを開ける際の鉄則は、ネジを筐体の摩擦を下げることと、ドライバーとネジの摩擦を上げることを、同時に行わなければなりません。そうです。強く押してゆっくり回すです。

以前の修理記事にも掲載しておりますが、押し込みの強さが半端ないため、慣れていないと大けがをします。自分も押し込みを強くしているので、毎回掌が内出血します。

内出血

内出血は、もういやなので、最近は、たまごっち開封のための特殊治具を準備できたので、以前より容易に開封できるようになりました。といっても、強く押してゆっくり回すには変わりありませんが。

無事全て開封に成功しました。ネジの開封に失敗すると、ネジの頭を削り取り蓋のネジ穴修理を削り拡張する必要があるのですが、今回が不要でした。本当に自分でも不思議なくらい良く開けるなぁーと自画自賛しております。

さて、ネジ開封に併せて、プッシュボタンの接触ができなくなっている2つのたまごっちおいては、分解と接点回復を行っておきました。

接点回復

つぶれたネジは全て新品に交換もしました。

ネジを締め過ぎると、再度溝がつぶれるので、締める際に注意が必要です。

たまごっちの裏蓋は、ボタン電池の抑えの役目を担っており、電流の導通には一切関与していません。ですが、蓋がカパカパにくらい軽く締めたままにすると、電池の接触が悪くなり持ち歩きの際に電池が一瞬切れてしまいリセットされる可能性があります。

電池の接触を保てる程度とネジの締めすぎにも注意してよい具合でネジ締めをするようお願いします。

当医院にご依頼のあった方にネジの締めすぎ注意のシールを無料配布しております。

配布シール

補足として、ご依頼のたまごっちにある、たまごっちプラスですが、明らかに電池抑えの突起が出過ぎており、電池の入れ替えで用意に折れてしまいます。まぁ、折れても蓋で抑えることになるのでいいのですが、この設計どうにかなりませんかね、、、。

突起折れ

以上、これにて全てのたまごっちの修理完了です。


只今無事たまごっちを受け取り全快祝い致しました。

ご丁寧な治療して治して頂き本当に有り難うございます。

心肺停止状態の2つを分解治療までして治して下さりまた育てていけるようになり感謝しております。

~ご依頼者様のご感想より~

たまごっち ネジ外し

おおお!

たまごっちの裏蓋のネジ外しのご依頼です。

リベット打ちか見紛うかというくらい、ネジであった状態でなくなっています。開封の条件は、傷を可能な限り付けないというご要望です。

今回も綺麗に溝がなくなっております。画像だけでは、ほんと、どう開けるか困りますよね。※当医院には、いろいろ開封のご依頼がありますが、自分でもよく開けるなと感心しております。

まずは、適切なサイズの精密ドライバーでダメ元でも抵抗感が残っているか確認します。

残念、まったくありません。T_T

若干サイズ大きめのドライバーで強く押しあててネジの摩擦を減少させて回せるか確認します。

残念、空回りするというか、一層ネジの開口が進みました。※おまけに手のひらが内出血で真っ赤っかです。 T_T

名誉の負傷

先日のネジ外しから、日も間もないので完治前にまた負傷してしまいました。

困りました。傷を付けないという条件では、もう策がありません。ネジ頭の周囲に溝を掘り精密ニッパーなりで開封したり、ネジ頭自体を削り取る場合は、傷がどうしてもついてしまいます。方針の角度を変え、いっそのこと蓋自体を同色のものと交換できればと考えましたが、そんなに都合よく中古品が格安で見つかるわけでもなかったです。

そうこう思案していると、一案が浮かびました。

本来は、別の用途で使用する特殊治具なのですが、回転するときにあるコツを使うと残っているネジ頭を回転できるかもと思いチャレンジしてみました。

うまくいきました。無事綺麗に開封できました。 v( ̄ー ̄)v

頭がでてきました。
無事開封

我ながら綺麗に開封できましたね。※ほんと、自分でもよく毎回綺麗に取れるなと感心しています。

別件ですが、最近の2件のご依頼とも市販の液状のネジ外しを使用して失敗しておられます。特にたまごっちのネジは、ネジの締め付けの強さをネジ頭の強度が、締め付け力 >> 頭の強度 なので、締め付け力を落としてやる必要があります。自分でもそうですが、手のひらが酷く内出血するぐらいなので、下手するとドライバーの押し付けが滑り手のひらに刺さるような大けがをするかもしれません。

くれぐれも無理をなさらず、早めにご相談、ご依頼をください。

【ご注意】

当医院で掲示している手法をご自身の判断で行い怪我をされても、当医院ならびに関係者含め一切の責任は持ちません。実施の判断は、自己責任にて行ってください。


今回は、急なお願いにもかかわらずご対応いただき、とても感謝しております。 全くの無傷で戻ってきたのでとても感動しました。また、綺麗にネジを外していただき、さすがだなぁと思いました。 本当にありがとうございました。 今後も何かお願いすることがあるかもしれません。 ボランティアでされてるので大変なこともあるかと思いますが、がんばってください。 この度は、本当にありがとうございました。

~ご依頼者様のご感想より~

UMINO TAMGOTCH 海のたまごっち ネジ外し

海のたまごっち

たまごっちの裏蓋のネジつぶれの修理のご依頼となります。

全体像
左ネジ
右ネジ

溝は、まったくなくなっておりますね。

さて、以前のたまごっちも他のネジつぶれの案件も同様ですが、まずは精密ドライバーで回せるだけの抵抗感が残っているかを確認します。

幸いに目視では、まったく分かりませんが右ネジに、ほんの少しだけ抵抗が残っていたので、定石の強く押してゆっくり回すを実行します。

格闘すること10分右ネジは、無事頭部分がニッパーで摘まめるまで取り出すことができたので、きれいに取り除けました。

ネジ穴

さて、左ネジは、まったくの抵抗感がないので、蓋のネジ穴周辺の拡張かネジ頭の削り取りかなーと思案しておりました。ダメ元なので、一度大きめの精密ドライバーでこじってみましたら、なんとキュ、キュと音がしてきました。目視では、動いているのかどうかもわからないです。

ネジ頭

こちらも格闘すること10分でネジの頭が出てきました。あとはニッパーで摘まみ開封します。

因みに、この強く押すという具合ですが、使用しているドライバーの跡がくっきり手のひらに残るぐらいです。※内出血もしておりますが、、、。

ドライバーの押し付け痕(良い運気ありますかね)

なので、経験や工具の関係もあろうかと思いますので、開封しようと頑張らずに、少しでもネジの溝が削れたら、ご依頼を検討くださればと思います。

無事開封

ネジ穴周辺もこじった傷もありましたので、ルーターできれいに研磨して修理終了です。動作確認も問題なし。

動作確認

私が使用している精密ドライバーは、こちらで購入できます。


これまで壊れたオモチャはどうしようも出来ないと思い諦めていましたが、オモチャの病院がある事を始めて知り、実際に修理して頂けて、感動しました。 これからも大切にオモチャを使いたいと思います。 本当にありがとうございました。

~ご依頼者様のご感想より~