たまごっち 潰れたネジ外しと基板腐食

たまごっち 3個の修理依頼がありました。

数字柄の初代たまごっちとてんしっちのたまごっちおよび新種発見!!たまごっちの青文字絵柄の3個です。

96年、97年に購入されたたまごっちでお子様が遊べるようにネジを外そうと頑張られたとのことですが、やはりできないということで依頼がありました。

1.数字柄の初代たまごっち

向かって右側のネジ外しはできたようですが、左側のネジが完全に埋没し潰れ、蓋の穴周辺もこじった形跡でボロボロになってしまったようですね。

ネジの溝が潰れるくらいなので、ネジ穴の周辺を掘ってもネジを回すことはできないでしょうね。

ネジの溝底の十字の溝が微かに残っていますね。

ほぼ絶望的な状態ですが、当医院では外せます。

ほら!

出てきました。

この調子で外してしまいます。

しかし、毎回よく自分でも思うですが、このような状態のネジをよく外せますよね。

我ながらよくできました。

さて、やはりですが、ボタン電池から液漏れしてしまっています。

軽傷が液漏れは、接点復活剤で拭き上げておきますが、電解液が固着して固まった箇所は固まりを物理的に削り取り、腐食の進行した箇所は研磨します。

こう、カチコチです。

分解し電極を露出させ作業します。

各所のボタンの接点もメンテナンスしておきます。

幸いに電池ボックスの電極以外には、液漏れの影響はなかったので、電極のみの作業で修理できそうです。

腐食部を研磨すると、メッキも剥がれてしまい母材が露出するので、半田をうっすら盛っておきます。

盛りすぎるとボタン電池が入らなくなるので、うっすらです。

実は、最近メッキ処理ができる治具を設備投資できたので、次回からは研磨して露出した母材にはニッケルメッキで防食処理をしたいと思います。

動作確認

問題ありませんね。

ボタンの感度も良好です。

当医院のオリジナルワッシャー付きネジをご希望でしたので装着しておきます。

では、次行きましょう!

2.てんしっちのたまごっち

状態もきれいですね。

こちらもネジを潰してしまったそうです。

向かって左側は、ネジは無事外せたようでしが、右側が潰れています。

こちらもネジの溝がなくなってしますね。

では、こちらもがんばって外します。

おおお!

出てきました。

無事外せそうです。

やはり、てんしっちのたまごっちもボタン電池からの液漏れがありました。

軽微な箇所は、接点復活剤で拭き上げておきます。

負極側の突起に液漏れも粉が固着しています。

物理的に削り取ります。

まずは、起動できるできる程度まで研磨しましたが、起動できませんでした。

何か、本体内部で起きていそうです。

分解し確認します。

研磨した電極のすぐ下の基板に腐食が広がっています。

ちょうど、電池ボックスの保護シールの界面に粉が広がっています。

液漏れした電解液が垂れて基板の配線を腐食したようです。

粉を除去すると、電源配線と液晶の信号配線が断線してしまっています。

数本レベルなら、手配線でなんとかできたかるかもしれませんが、多数の断線となるともうお手上げ状態です。

因みに、電源配線のみ迂回配線を一時的させても起動時のビープ音はしなかったので、恐らくはまだ何か潜在的に断線がありそうです。

残念ですが、てんしっちのたまごっちは修理不可能となります。

3.新種発見!!青絵柄初代たまごっち

こちらは、潰れたネジ外しではなく起動しないということでの依頼でした。

まず電池ボックスの状態を確認します。

これでは、導通できませんね。

というか、液漏れがかなりあったようなので、本体内部も気になります。

どちらにしても電極の研磨が必要なので分解します。

電極もそうですが、配線の腐食もあります。

基板の配線腐食はあちこちにありました。

リセットボタンのパターンが全滅です。

ボタンのパターンも全滅でした。

チーン

_| ̄|o

これは、もうどうしようもできない状態ですね。

残念ですが、新種発見!!たまごっちも修理不可能となります。


3個中、1個のみの修理をなってしまいましたが、かろうじてお子様が遊べるたまごっちは用意できました。


たまごっちを受け取り動作確認もさせて頂きました。

きれいに直して下さり、子どもも喜んでいます!

この度は本当にありがとうございました。

また機会がありましたらよろしくお願いいたします。

~依頼者のご感想より~

てんしっちのたまごっち リセット不具合修理不可

遊んでいる途中でリセットされてしまうそうです。

何回か育てなおしてもリセットが発生してしまということで依頼がありました。

ただ、問い合わせの時点でリセットの頻度や状況の詳細を確認しておらず、まぁ、ボタン電池の電極に錆か汚れかで本体を握ったタイミングなどで電極が離れ再起動してしまったのかと推測していました。

早速、電極を確認します。

まぁ、目視上これといった不具合はなさそうです。

ボタン電池を挿入しても問題なく起動し、すこぶる快適です。

では、負極端子を確認します。

うーん、新品のようなピカピカではありませんが、導通を阻害するような要因はなさそうです。

正極側も問題ありません。

ボタン電池を入れてしばらく30分程動作を診ます。

途中、電池蓋を押し込んでみたり、本体振ってみても何も変化なく、すこぶる快適に動作をし続けています。

おや、まぁ、問題ないんじゃね!?

と、依頼者にヒアリングします。

とすると、育て初めて数日経った時点で数回リセットが起きることがあったとのことです。

( ̄▽ ̄;

おおおー、、、。

数日は動作確認できませーん。

残念ですが長期間の動作確認はできません。

現状では、原因解析困難で修理不可能という判断になります。

と、このまま返却するのは忍びないので、電池の電極を磨いておきます。

導通はしているのですが、ダメ元で突起部分を接点復活剤で拭き上げておきます。

また、ちょうど修理済みの同色のてんしっちのたまごっちの在庫があったので、最悪の自体でもなんとか、てんしっちのたまごっちで遊べるように在庫機種もお譲りすることで合意できました。


たまごっちユニ モンスターカーニバル シリコンボタン修理

たまごっちユニでもモンスターカーニバルというバージョンのようですね。

ベゼルが少しドラゴンっぽいぐらい!?

ただ、通常版との違いはよくわかりません。

さて、Aボタンの凹みということで修理の依頼がありました。

Bボタンのチップダイオードも無事です。

サーミスタ線の断線もなさそうですね。

バッテリーパックの底面の損傷もないので、基板の両面テープが剥がれてUSbコネクタにぶつかったような事態はなさそうです。

では、ササっと開封してボタンの状態を確認します。

Aボタンは、完全に破損していますね。

Bボタンも怪しい。。。

Aボタンは完全に破損しており、Bボタンも傘の付け根が裂けています。

Cボタンも白い筋が出ていますが、軽微なので無事なリセットボタンと交換します。

破損のシリコンボタンは、新品のボタンにサクッと交換してしまいます。

いい感じに納まりました。

両面テープは、まだしっかりくっついているのでクッション材のみ挿入しておきます。

充電も無事開始されました。

動作確認

以上で修理完了です。


待ちに待ったたまごっちが到着し、とても喜んでいます!!

ありがとうございました!!

~依頼者のご感想より~

たまごっちユニ シリコンボタン修理

余談ですが、シリコンボタンの破損ですが、インターネットで接着剤でくっつけたというおもちゃ病院の修理記事をみました。

どのようにして接着したのかまでは記載がなかったのですが、接着しても一時しのぎで、すぐにまだ破損するでしょうね。

だって、ボタン押下の反復ですよ!

すぐまだ裂けますよね。

脱線しました。

では診断開始です。

Bボタンが破損しているので、電源OFFが解除されないようにボタンをマスキングテープで固定して発送していただきました。

バッテリーパックの両面テープが剥がれで移動した形跡はありませんね。

サーミスタ線も無事ですね。

Bボタンのチップダイオードも問題なさそうです。

では、分解しボタンを確認します。

A/Bボタンが破損していそうです。

あっら~。

Aボタンは傘の付け根で裂けており、Bボタンにおいては完全に破損しています。

Cボタンも付け根に白い筋が出ていますね。

無事であったのは、リセットボタンのみなので、Bボタンに無事なボタンを移設しA/Cボタンとリセットボタンに新品のボタンに交換します。

因みに、交換するシリコンボタンは純正品ではないので、純正のボタンの押下感覚が異なるので、よく使うBボタンに無事なボタンを移設します。

今後の万一の際にバッテリーパックの底面が損傷しないようにクッション材を挿入しておきます。

充電開始し無事充電マークに切り替わりました。

動作確認

ところで、お世話中のたまごっちですが、黄色いヘルメットを被っていますね。

電気系の工事の職人さんでしょうか。


たまごっちユニ 凹んだままのシリコンボタン修理

もう当医院の修理としては、お馴染みになりますたまごっちユニのボタン修理です。

今回は、Aボタンが凹んだままとのことです。

Aボタンが使えないとメニュー選択できなくなりますね。

また、たまごっちユニの持病でもあるバッテリーパックの両面テープが剥がれも確認します。

Bボタン用のチップダイオードは無事そうです。

サーミスタ線も断線していないですね。

では、開封して内部を確認しましょう。

あっら~、両面テープが剥がれてますよ。

ただ、バッテリーパックの底面の外装には損傷はないのでクッション材のみ挿入しておきます。

強力両面テープで貼り直しておきます。

Aボタンは避けて破損してますね。

Bボタンも傘の付け根に白い筋が出ていますのでBボタンも新品のシリコンボタンに交換します。

たまごっちユニのシリコンボタンの故障は、圧倒的にAボタンとBボタンで起きていますことが多いです。

メニューや決定ボタンの性質上、仕方ないのでしょうね。

液晶とレンズの間のほこりも吹き飛ばし組み立ててボタン操作の動作を確認します。

動作確認

問題ありませんね。

これにて修理完了です。


サンタクロッチのたまごっち 折れたネジと腐食電極修理

毎年クリスマス時期になると依頼のある、大人気『サンタクロッチのたまごっち』です。

今回は、緑色の筐体です。

どうも赤の筐体もあるようです。

箱から開封したのだが、起動しないということです。

電池蓋のネジも2本とも折ってしまったそうです。

ボタン電池から液漏れしてらしく電極に腐食が出ているそうです。

依頼者様からのご希望で、超特急での診断と修理となりました。

受け取りの当日中に修理まで終えることができ、翌日には返送できました。

では、診断しましょう。

きれいにネジが折れていますね。

埋没したネジの残骸は、除去しネジ穴は再建します。

絶縁シートにも漏れた電解液が付着しています。

電極に腐食が広がっていますね。

こびりついた粉が層になっています。

では、本体を開封したいのですが、ここで難関があります。

電池蓋のネジが固い場合、本体側の赤丸枠のネジも固いことが多いです。

そう、デビルっちのたまごっちも同様です。

まず、この赤丸枠のネジが無事外せるか恐る恐るネジを回します。

で、キタ――(゚∀゚)――!!

無事に本体側のネジは綺麗に外せました。

まずは、第一の難関を突破です。

で!ネジの支柱に注目します。

白くなっている箇所に注目です。

逆側も支柱の中央が白くなっています。

そうなのです。

ネジが固い場合は、ネジの穴の対して長いネジをねじ込んでいるんですよね。

そんでネジの先で強く押し上げられ白く浮き上がったようです。

そのため溝に強固に固着したという次第だと思います。

ネジ穴の支柱を掘ります。

ネジの残骸と除去します。

もう片方も無事除去に成功しました。

形や表面を整え補修に取り掛かります。

依頼者様は、当医院オリジナルのワッシャー付きネジをご希望とのことなので、装着し補修します。

周囲をマスキングし盛ります。

バッチリですね。

綺麗に折れたネジの残骸を除去できネジ穴も補修できました。

さて、腐食している電極は、ルーターのブラシで研磨して抵抗値を計測します。

導通は問題なくできるようになりました。

完全に母材をむき出しにすると、まだ錆を加速させます。

動作確認

問題ありませんね。

クリスマス前に返却できそうです。


この度は丁寧な対応ありがとうございました!

またご縁がありましたらよろしくお願いします🙇‍♂️

~依頼者のご感想より~

たまごっちユニ 破損シリコン交換と電極研磨

たまごっちユニ ボタンが破損してしまったということでした。

既に依頼者様で開封しシリコンボタンが破損していることを確認され、ご自身で補修にも挑戦されたそうです。

ただ、複数箇所のボタンが破損してしまい、当医院に依頼がありました。

ボタンが破損しているそうですが、凹んでいるようではなさそう…かな。。。

届いた状態で起動確認をしようと思ったですが、ボタンが破損しており、電源OFFにできたとしても再起動してしまい、そのまま輸送中にお亡くなりなってしまったようです。

たまごっちユニに限らず、恐らく他のたまごっちでも育成中のデータは破棄され、データを消去し新たに育成しかありません。

また、今回はボタンの操作の動作を確認しないといけませんので、依頼者に了承をいただき、新規データで動作確認をします。

では、診断を開始しましょう。

あっら~!?

なんか、バッテリーパックがズレてない?〇-〇

もしかしたら、両面テープが剥がれてバッテリーパックが動いていたかもしれません。

大丈夫でした。

単に製造時に斜めに張り付けただけのようです。

Bボタンのダイオード部品も剥がれたりしていませんし、バッテリーパックの底面にもUSBコネクタとの衝突の形跡もありません。

たぶん、その上剥がれると思われるので、衝突時の衝撃緩和のためクッション材を間に挿入して貼り付けておきます。

で!肝心のシリコンボタンはというと、、、

まず、リセットボタンは、完全に破損しています。

Bボタンが、凹んだままですね。

Aボタンに怪しそうです。

リセットボタンとBボタンは、依頼者でシアノアクリレート系のいわゆる瞬間接着剤で補修をされたようです。

残念ながら素材がシリコンなので、接着しません。

ただ、この接着剤の成分が、後述の他の故障を誘発しておりました。

Cボタンも傘の付け根に白筋が出始めています。

あやしそうだったAボタンは綺麗で無事でした。

恐らく、元々リセットボタンについてた無事なボタンをAボタンに移設したのでしょう。

さて、前面のシリコンボタンは、全て新品のボタンに交換し、無事なボタンは、リセットボタンに戻しておきます。

ではでは、装着しボタン押下の動作確認をします。

ん!

ん!

Cボタンがまったく効かない。

なんで!?(´・_・`)

交換したシリコンボタンの不良かもと思い他のボタンで試してみましたが、Cボタンが効きません。

画像は、既に研磨後ではあるのですが、Cボタンの電極を拡大鏡で観察すると、なんかうっすら何か付着しています。

もしかして、

もしかして、

あ”-!

接着剤が犯人かもー!

と思い、電極の表面をアルコールで拭き取ります。

改善しません。ー_-;

あきらめません。

接点復活剤で拭き上げます。

やや、改善。

まだまだ反応に失敗しますが、反応しだしました。

やはり、電極に付着していたのですね。

依頼者様にお聞きするお、Bボタンの補修で使用した瞬間接着剤が完全に乾く前に本体装着してしまったかもということでした。

なるほど、接着剤はかなりの揮発性なので、その成分が付着したのですね。

研磨した電極のCボタンの感触を確認します。

操作感1
操作感2

概ね大丈夫そうですね。

Cボタンも操作できます。

既にしこたま研磨してしまったので、現状で遊んでいただく他ないため操作には慣れていただければと思います。

以上でたまごっちユニの修理完了です。


まず全体を通してですが、修理対応のスピード感と、修理費用的には大満足しています。

次回以降も何かあればご依頼させていただきたいと考えています。

~依頼者のご感想より~

海のたまごっち 森のたまごっち ネジ外し 腐食電極修理

たまごっちのネジ外しと動作診断の依頼がありました。

海のたまごっちと森のたまごっちです。

山のたまごっちではないのですね。。。

だったら、林のたまごっちもあるのかもしれません。

えー、だったら川のたまごっちもっていうのはなしかもしれません。

では、診断を開始しましょう!

どちらもフリマで新品で購入したのですが、ネジが固く開かないということでした。

ネジも自身では開封に挑戦せず、潰す前に当医院に依頼をすることにされたそうです。

大正解!

というのも、市販のネジ外しなどでグリグリやっちゃってから依頼される場合が多いのですが、その場合ネジ外し失敗の可能性も高いです。

今回のように溝がしっかり残っている場合は、比較的容易に外せた場合は費用も低く抑えることができます。


海のたまごっち

きれいな状態ですね。

たぶん、『海たま』って呼ばれているんでしょうね。

もともと入っていたボタン電池はそのままで絶縁シートを引き抜き起動はできたのだが、数日後に電源が落ちてしまったそうです。

ネジが固いことは分かっていたので、そのままでの依頼でした。

筐体がスケルトンなので、内部が見えますね。

ボタン電池が膨らんでいるので、ボタン電池の電池切れのようです。

また、液漏れも心配ですね。

ネジもきれいです。

純正のネジは、鉄製でとても柔らかいです。

適切なサイズのドライバーとでかつ、ネジ外しのコツを抑えながら外さないと簡単にネジの溝が潰れてしまいます。

やはり、固くはありましたが、潰れないように開封しました。

液漏れはしていませんが、膨れて容量も空でした。

液漏れをしなかったので、電極もきれいですね。

念のため、接点復活剤で拭き上げておきます。

また、当医院オリジナルのワッシャー付きネジをご希望でしたので、装着して動作確認をします。

動作確認

ボタン押下の反応も問題ありません。

以上で、海のたまごっちの修理完了です。


森のたまごっち

こちらもきれいな状態です。

ボタン電池の絶縁シートを抜いても起動しないそうです。

たぶん、液漏れとボタン電池切れでしょうかね。

ネジの状態もきれいです。

ただ、かなり強固にねじ込んでありました。

最近、判明した事実があるのですが、ネジが強固に固着している場合、そのほとんどが、あるネジを使用している場合と判明しました。

というのも、ネジが固く折れた場合を解析すると、必ずというほど、ネジ穴の裏の軸部分が白くなっています。

ということは、筐体のネジ穴の長さに対して長いネジがねじ込んだため溝が強固に固着したということです。

まぁ、事前に固いかどうかなんて分からないしですね。

本、森のたまごっちも、かなりたいへんでしたが、右側のネジは無事外せました。

ですが、左側のネジは、かなり強固に固着しており、ネジの頭が折れてしました。

まぁ、想定内なので、折れたネジは除去しネジ穴を再建します。

さて、起動できない原因は、液漏れによる電極の腐食のため導通できていなかったためでした。

絶縁シート側の電極はある程度綺麗です。

もう片方の電極は、液漏れの粉の固着とニッケルメッキの表面も腐食が出始めています。

では、修理の作戦としては、本体の分解し腐食電極は液漏れの粉の除去と腐食部分の研磨をします。

折れたネジは、裏側から支柱を削り除去しネジ穴を再建します。

ただですね。悪名高き、デビルっちのたまごっち同様に本体のネジも強固にねじ込んで固着している場合、本体側のネジも折れるんですよね。

慎重に本体側のネジ開封します。

ドキドキしながらネジを回し無事開封できました。

ここでやっと裏面から折れたネジの除去に挑めます。

折れたネジの軸が埋まっているのは、リセットボタンのある側のネジ穴の支柱です。

ここで削り取り埋没したネジを除去します。

かなりたいへんです。

出ているネジの軸が小さくやっと摘まめる程度です。

また、無理に回してこの軸がさらに折れそうです。

格闘すること、20分。

無事に埋没したネジの残骸を除去できました。

プラリペアで補修をするので、削った跡を綺麗に研磨しマスキングテープで周囲を養生します。

今回は、当医院オリジナルのワッシャー付きネジをご希望とのことなので絞め込んでおき補修します。

きれいに補修できましたね。

これで再度ネジ締めができます。

バッチリですね。

補修材の固着と待ち動作確認をします。

動作確認

ボタンの押下感度も問題ありませんね。

これにて森のたまごっちの修理も完了です。

今回の2台のたまごっちのネジ外しと診断の依頼でしたが、ネジ折れが発生しましたが、無事補修も完了できました。


試しに一回ネジを回してみて経年でビクともしなかったネジが新品のネジのように同封されて戻ってきたのを見た時は、感動でした。

オリジナルのネジにしていただき、安心してたくさん遊べそうです。

ドクターに診てもらってよかったです。

ありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

ケーたま ぶるーデコレ 液晶故障 修理不可

ケーたまのぶるーデコレというたまごっちプラスの修理依頼がありました。

液晶故障で修理不可能となりましたが、液晶が故障した原因が筐体の歪みにあったという症例の紹介になります。

こんな感じに一列や一行が抜けるのではなく、とある箇所が部分的に並んでドット抜けが生じています。

過去の経験では、一列や一行が抜ける場合は、液晶のゴム電極と基板の電極の接触不良であることがいいのですが、ゴム電極の経年劣化で押し圧が弱くなっているので、押し圧を増してあげると復活したりします。

ですが、今回はどうも状況が違うようです。

指で電極周辺を押してあげても変化ありません。

一応、念のため液晶のゴム電極の表面と基板の端子部分をアルコールで拭き取りましたが、変化ありません。

そこで、在庫にあった、たまごっちプラスの赤いシリーズの液晶があったので、試しに交換してみました。

ドット抜けする本数増えて位置が変化します。

うーん、液晶と基板の接続に問題ありますね。

液晶を交換しても生じるということは、基板側に問題がありそうという見解でした。

この時点では。

そこで基板の端子を確認すると電極から伸びる配線に液漏れのような粉が付着しております。

少し期待しましたが、

綺麗に除去洗浄をしましたが、変化ありません。

ざんねーん。

チーン

_| ̄|o

基板については、ほぼ新品の状態でその他では何も導通の障害になりうる不具合はありませんでした。

そうなると、可能性として疑ったのは、液晶側のゴム電極側の導通不良でした。

しかも修復できない、液晶のガラス側の電極剥がれです。

もうそうなると液晶の交換しか手がありません。

そこで、中古の液晶が無事な同じぶるーデコレから液晶と基板を丸ごと移植してみようかと思います。

ちょうど、ボタンの接触不良という格安ジャンク品を見つけ移植してみました。

ドナーのケーたまが、これです。

液晶の描画は問題なくドット抜けもありません。

今回の依頼者様のケーたまは、ほぼ新品の状態だったので、移植するにしても外装はピカピカの方がよいと思うので、液晶と基板以外は、依頼者様の部品を残し移植することにしました。

まぁ、当たり前のことですが、移植して描画も問題なくしております。

なんか、修理というには申し訳ないのですが、これにて返送をしました。

が!

そんなうまくいくことはありませんでした。

ざんねーん。

チーン

_| ̄|o

返送してから、連絡がありドット抜けがあるとのことです。

なんだとー!

ドット抜けの位置が変化しまた、ドット抜けの箇所も少し増えています。

時間差で液晶のドット抜けが生じるような事態です。

そこで、気づいたのは、筐体とレンズに歪みがあり、この筐体とレンズに液晶を組み込むと液晶側のゴム電極に不具合が生じるという事態です。

なるほど、液晶の導通不良ではあるのですが、その原因が筐体側の歪みという流れです。

裏を取るため、手元に残っていた中古ジャンクのぶるーデコレの筐体に、もともと液晶のドット抜けを起こしていた液晶を、基板は、当医院在庫のケーたま モジモジオレンジに組み込んでみます。

まったく同じ箇所でドット抜けを起こしています。

これも持って完全に液晶部の導通不良と結論づけることができました。

残念ながら、依頼者様のぶるーデコレの筐体に液晶を組み込むと、液晶の導通不良が生じるということがわかりました。

しかも、その導通不良は、単に接触が一時的に離れるような軽微なものではなく、液晶のガラス面の電極とゴム電極が剥がれてしまうような致命的な導通不良でした。

今回の症例は、今まで経験したことのない筐体の歪みによる導通不良でした。

残念ながら、修理不可能という結論になりました。


初代たまごっち 赤時計柄とてんしっちのたまごっち修理


治していただきありがとうございました。

ネジをつぶしてしまいこのままコレクションとして飾ろうと思いましたが、また遊ぶことができとても嬉しいです。

作業途中に動画や画像で説明がありとても丁寧で迅速で安心して預ける事ができました。

~依頼者のご感想より~

未開封で購入したたまごっちとのことで、どちらもほぼ新品の状態です。

どちらも元々挿入されていたボタン電池を交換しようと試みたのですが、赤時計柄のたまごっちは、ネジ固く外せないそうでした。

また、てんしっちのたまごっちは、電池蓋の片方のネジを潰してしまったそうです。

では、診断しましょう。

初代たまごっち 赤時計柄

ネジを完全に潰す前に依頼をしていただけました。

大正解!

少し頑張られた形跡はありますが、ツルツルになってしまっては、ネジ外しの成功率がぐっと低くなります。

固着したネジ外しにはコツが必要なので、ちから任せにドライバーで回してしまうとどんどんネジの溝が削れます。

まぁ、固いっちゃ固かったですが、適切なドライバーサイズでネジ外しのコツがあれば、潰さずに開封できます。

サクッとネジを外し中身を確認しましたが、案の定ボタン電池から液漏れしています。

液漏れの粉があちこちに付着しています。

ルーターでゴリゴリ削るレベルではないので、ブラシで磨きあげます。

渡りの逆側の羽にも液漏れの粉が付着しているので、丸ごとブラシで磨き上げます。

しかし、この赤い時計柄のたまごっちの電極端子が狭くボタン電池が入りづらいです。

ボタン電池を羽側の端子に挿入するように斜めに設置しから蓋を閉めるようにします。

また、シリコンボタンの感度が悪かったので、シリコンボタン側の導電塗料の表面メンテナンスと基板側の電極もメンテナンスします。

どちらもきれいな状態ですが、反応感度がイマイチでした。

物理的な不具合は目視上なかったので、導電塗料の抵抗値の経年変化でAD変換の閾値に影響しているような感じです。

設計仕様上、これが正しい認識なのか不明ではあるのですが、できる限りのメンテナンスをしておきます。

動作確認

無事起動できるようになりましたが、ボタンの押下感度は、指が太すぎるせいか快適ではありません。

依頼者様には、現状にてご使用をお願いしました。


てんしっちのたまごっち

右側のネジは問題ないのですが、左側のネジが潰れています。

完全に陥没しており、工具類では開封できません。

もうつるっつるです。

無理に開封すると液晶を破損してしまうので、別の手段で開封します。