たまごっちプラス AKAINしるばー偏光フィルム交換、オスっちとメスっちの折れたネジ修理

いろいろたまごっちの修理依頼がありました。

合計4つです。

その1.たまごっちプラス エンたま AKAINしるばー

以前同じ依頼者の方から押しボタンの接触が悪いということで依頼があったたまごっちプラスなのですが、診断をしていると液晶焼けで液晶が赤くなって見づらくなっておりました。

原因は、液晶の偏光フィルムが紫外線で焼けてしまったのが原因なのですが、その時点では液晶部品の在庫がなく現状のまま返却しておりました。

こちらの修理記事です。

実は、返却後に液晶に貼られた偏光フィルムを剥がし偏光フィルムを交換したスタッフブログも記事として掲載もしておりました。

この度、別のたまごっちの修理依頼があったので、ついでに前回のたまごっちの偏光フィルムを交換しましょうか?とお聞きしたところ是非ともというこでした。

まずは、偏光フィルム焼けの状態です。

全体的に赤くなっております。見づらいですよね。

前述のスタッフブログの記事のように液晶ガラスの前面に貼られた偏光フィルムを綺麗に剥がし、ガラス面に残った糊も綺麗に除去します。

これが原因ですね。

偏光フィルムが真っ赤です。

手持ちの偏光フィルムで最適な偏光の角度探りサイズカットします。

手持ちの偏光フィルムは、粘着性ではないので、液晶前面のレンズとガラス面に間に挟み込む形になります。

さーってどうでしょうか!?

どうですか!

くっきりハッキリしましたね!

液晶描写確認

偏向フィルムは替えて正解でした。


訂正です。ごめんなさいです。

エンたまAKAINしるばーで液晶の偏光フィルムが焼けて交換をしたという記事を掲載しました。

後日、別の方の『ケーたま赤いオールれっど』というたまごっちを修理したのですが、依頼者より、このAKAINしるばーの液晶は赤くて正解という情報をいただきました。

たまごっちプラス赤いシリーズ(通称赤たま)というシリーズでございまして、赤くなったたまごっちが加わり、画面が赤くなったよ!っていうのを売りにして発売されたシリーズのため、画面が赤いのが正解なのです。

~情報提供者より~

別途、エンたまAKAINしるばーの依頼者様には、交換した液晶を元にもどすかどうかのご希望をお聞きしておりますが、本記事をご覧の皆さまにおかれましては、くれぐれも液晶焼けと誤認しないようお願いします。


その2.たまごっちプラス ねいびー

遊んでいる途中にいきなり画面が消えてしまい、こつんッとショックを与えると復活するが、リセットされ初期状態からスタートしてしまうそうです。

動作確認

届いてすぐ動作確認をしたのですが、全く問題なく稼働しました。

振ったり、コンコンしてみたのですが、全く問題ありません。

使っていたボタン電池の容量が少なかったのかもしれません。

一応、念のためボタン電池の電極を接点復活剤で拭き上げておきました。


その3.オスっちとメスっちの折れたネジ

オスっちです。

デビルっちのたまごっちと一位、二位を争い程、蓋のネジが折れやすい悪名高いたまごっちです。

というか、ほぼ100%ネジ折れます。

ほら。

蓋のネジ2本の内、1本を折ってしまったそうで、このネジを除去し再度ネジ締めできるようにして欲しいとのことでした。

ネジの残骸除去する場合、本体を開封しなければなりません。

そうなのです。

オスっち、メスっちの本体側のネジも折れやすいのです。

蓋のネジが強固に絞められていて折れたのと同じように製造時に本体側のネジも同じように強固に絞められてしまい外そうとすると折れます。

ここが折れてしまうと、今度は本体を留めることが最悪できなくなるので、依頼者に分解のリスクをお伝えし了承の上、作業を実施します。

やはり、かなり強固に絞められておりました。

もし何も気に掛けずに普通にドライバーで外していたら、恐らくネジを潰していたか、折っていたかもしれません。

慎重に作業し4本共、無事折ることも潰すこともなく外せました。

この本体側のネジは鉄製でとても柔らかいです。

この開封で少し溝を潰してしまいました。

そこで、ステンレス製のネジに交換しておきます。

さて、やっとスタートラインに立てました。

ネジの残骸の埋まったネジ穴を裏側からルーターで削ります。

ネジを削ってしまわないように慎重に削ります。

プラモデルのランドカット用の極細ニッパーで裏側に出てくるようにクルクル回して除去します。

ネジ穴が相当厚残っているので、間違っても引き抜くようなことはしないように理解してくださいね。

蓋をして純正ネジを締めネジの頭を出しておきます。

圧電素子はプラリペアが掛からないようにマスキングテープで養生しておきます。

適量を盛って固化を待ちます。

これで当医院オリジナルのネジも装着できるようになりました。

動作確認

新品未使用品を購入されたということもあり、無事蓋を閉めることができるようになりました。


同じく、次はメスっちです。

メスっちは、2本とも折れています。

きれいにネジ切っていますね。

メスっちの本体のネジは既に依頼者で緩めて頂いていたのでサクッと開封できました。

オスっちと同じくネジ穴を裏から削り慎重にネジの残骸を除去します。

蓋をして純正のネジを蓋越しに締めておきます。

圧電素子を養生してプラリペアでネジ穴を再建します。

メスっちも綺麗に盛れましたね。

オリジナルワッシャーネジを絞めて動作確認です。

動作確認

快調ですね。

以上で、4つのたまごっちとも全て稼働できる状態まで修理できました。

特にネジ穴の再建は、折れやすいネジの開封をいうリスクもありましたが、無事完遂でき感無量です。


思い出のオスっち、メスっちで遊べるようになってほんとに嬉しいです😭‼️˙˚ʚ(꒪ˊ꒳ˋ꒪)ɞ˚˙

この度も直して頂きありがとうございました!(´▽`)

また宜しくお願い致します‪(っ ॑꒳ ॑c)

~依頼者のご感想より~

たまごっちみーつ 圧電素子半田取れ修理

音がならなくなったということで修理の依頼がありました。

音が鳴らない要因には、単なる導線の半田付け取れや圧電素子の故障を過去の修理では経験しております。

また、そもそも音を鳴らすIC側の故障ということもあり得ます。

電池ボックスの電極もきれいですね。

さて、この筐体のたまごっちシリーズである、たまごっちみーつ、ID、IDL、たまごっちピースなどなどありますが、分解し本体を開く際に、とてもとても注意が必要です。

無理に開くと内部の導線が基板から取れます。

導線の半田付けであれば修復可能ですが、過去に基板からフラッシュメモリーが剥がれてしまったという、大事故もあります。

各導線は、接着で内部で固定されております。

製造時に接着剤が乾く前に組み立てて筐体カバーと基板上のフラッシュメモリーのモールドが強固にくっついていたようです。

ネジをあけ分解しようとしたが、開かずに力ずくで開いたところ、基板上のフラッシュメモリが剥がれてしまい、半田付けされたICの足もろとも基板の配線も一式剥がしてしまったという次第です。※当医院で開封した際には、既にこの状況で修理不可能でした。

さて、脱線してしまいましたが、今回も注意して開きます。

恐る恐る開き、故障原因はすぐ判明しました。

圧電素子の正極が取れていますね。

音が鳴らなくなった原因はこの導線取れです。

圧電素子の正極は、セラミックに銀メッキされており、その銀メッキに導線を半田付けをするので、銀食いを防止するため専用の半田を250°くらいで半田付けします。

きれいに半田付けできました。

では組み立てて動作確認をします。

音声も無事復活しました。


音が出ないたまごっちの修理をしていただき、ありがとうございました。
メーカー様では『在庫切れで交換不可です』とのことでしたが瀧下さんのおかげで音が出るようになって嬉しい限りです!
これでまたストレスなく遊べます!瀧下さんありがとうございました♪

~依頼者のご確認より~

たまごっちプラス ビーズホワイト ボタン接点と半田取れ修理

白いかわいいたまごっちプラスの修理依頼がありました。

名前は、ビーズホワイトといういうらしいです。

ボタンの反応が悪かったということで、依頼者で分解し接点を掃除しようと試みたところ誤って圧電スピーカーの導線の半田取れてしまったそうです。

圧電素子の片側の導線が取れていますね。

おやおや、クリスタルの半田部分に液漏れのような跡もあります。

では、まずは当初の不具合のボタンの接点を確認しましょう。

Aボタンの基板側のランドパターンに何やら付着しています。

アルコールで拭きとっても取れないような代物です。

飴色の異物が結構が厚さで乗っかっています。

恐らく、ボタンの反応が悪かったというのは、この異物のせいですね。

そのた基板用のフラックスクリーナーでも除去できませんでしたので、仕方なく物理的に除去します。

極細のピンセットでパターンの配線に沿って抉ってみます。

パターンを剥がすことなく剥がせはしましたが、かなり強固でした。

感じとしては、エポキシ樹脂のような塊でした。

Bボタン、Cボタンにもシリコンボタン側の導電塗料の残骸が粘着していましたので、綺麗に除去しておきます。

シリコンボタン側の導電塗料面も綺麗にしておきます。

これでボタン側の不具合は解消できました。

圧電素子の導線は、2本とも付け直しておきます。

もちろんですが、銀メッキ側の半田付けは、銀食われ防止のため銀入り半田を使います。

最後に基板に付着していた液漏れのようなクリスタル足を綺麗にします。

電池ボックス蓋のネジ表面に錆が出ています。

ルーターで表面を研摩しましたが、溝の潰れも出ているのでなべネジに交換します。

ネットでは、たまごっちプラスの蓋用の平ネジが販売されておりますが、個人的には、このなべネジが好みです。

ボタン反応確認1
ボタン反応確認2

ボタンの反応もバッチリですね!

これでまた遊べるようになりました。


たまごっちユニ シリコンボタン破損修理


本記事が検索でかなり上位にヒットするようでアクセス数がうなぎのぼりしております。

たまごっちユニのボタンが壊れてしまい凹んでしまったままの場合は、内部のシリコンボタンの破損と思われます。

詳しい修理内容の詳細は、他のたまごっちユニのボタン修理記事も含め、当おもちゃ病院の全記事で有料としております。

申し訳ございませんが、記事を確認しても修理方法の核心は有料記事にしております。詳しく知りたい場合は、記事を購入いただくか当医院に修理を依頼ください。

因みに、シリコンボタンの破損が1つのみの場合と2つ以上の複数の場合で修理内容が異なり、記事を購入されても、ご自身での修理は難しい修理内容になっております。あらかじめご了承をください。


たまごっちは、現在においても新製品が発売されているらしく、今回はたまごっちユニ(uni)というたまごっちの修理依頼がありました。

まずは、修理完了した動作を紹介します。

ボタン押下動作

今回の修理で無事ここまで復旧できました。


バンダイさんに問い合わせると有料で新品と交換とのことでしたが、データが消えてしまうのが惜しくて、以前もたまごっちの修理でお世話になったこちらにお願いすることにしました。

事前に修理の際に起こりうる懸念点なども伝えてくださる他、修理工程の画像や完了後の動作確認の動画も見せてくださり、安心してお任せできました。

データ消えることなく遊べるのが本当に嬉しいです。

また、最短で受け取ったからかもしれませんが預けた時飼っていた子も生きている状態で受け取ることが出来ました。

本当にありがとうございました。

また何かありましたらどうぞよろしくお願いします。

~依頼者のご感想より~

では、診断します。

真ん中のボタンが下がったまま、半押しで押されたようになっているそうです。

メーカー修理の場合、交換ということで育てたデータを残したくどうにかできないかということです。

たまごっちスマートと同じくリポバッテリーでUSB Type-Cでの充電式です。

たまごっちnanoと同じくネジ隠しの蓋があります。

この蓋ってきつい場合取れなんですよね。。。

(´・_・`)

インターネットには、ホットボンドなどであけている方も居られますが、そのような場合はかなり緩い場合です。

今回のたまごっちユニも強力両面テープでもホットボンドでもダメでした。

毎回、ダメなことがほとんどなのでこじってしまった方がはやいかもしれません。

事前にこじって傷が付いてしまう点については了承と取り付けていますので、こじってあけます。

できるだけ傷も最小になるようにしました。

因みに、いい加減なドクターにおいては、傷なぞという点については、何も気にせず、ドリルや大きな傷を多数付けてしまうので、重々注意が必要です。

リポバッテリーとUSBのコネクタがみえます。

裏面にWi-Fi用のESP32の無線モジュールが見えます。

因みにですが、技適マークは、このESP32のモジュールに適用されているので、間違ってもこの無線モジュールを分解しないように。

真ん中のボタンがオカシイです。

外してみると、、、

完全に破損し電極部が抜けています。

今回は、このシリコンボタンの破損においても、また遊べるように挑みます。

たまごっちユニ 充電コネクタ Bボタン故障修理

みんな大好きたまごっちユニの修理依頼です。

多分、たまごっちユニは、現状の最新型のたまごっちです。よね!?

不具合は、充電ができなくなったとのことです。

が、診断途中でBボタンの回路故障も判明しまとめて修理をしました。

まずは、修理完了状況です。

動作状況

無事、Bボタンの効きも復活しましたね。


たまごっちユニのコネクタは、USB Type-Cです。

拡大鏡でよくみると、電極がモールドの奥にずれ込んでいます。

コネクタの抜き差しで電極がズレて充電できなくなったようです。

事前に依頼者様には、充電機能以外の不具合はないということでした。

この時は。。。

では分解します。

ネジ隠しの蓋を大きく傷が付かないようにこじってあけます。

シリコンのボタンのへたりは無さそうですね。

以前、Bボタンのシリコン部分が破損した状況を診たことがありますが、恐らくたまごっちユニでは、Bボタンの押下が頻繫にあるような物なのでしょう。

あら?

リポのサーミスタ線の片方が取れていますね。


後で気づいたのですが、充電できなくなった主因はサーミスタの片側が取れたためと思われます。


該当のUSBコネクタは、6ピンタイプでロックなしです。

おっと!

コネクタ横のチップ部品が外れかけていますね。


このチップ部品であるショットキーバリアダイオードが取れた理由ですが、恐らくリポバッテリーパックの両面テープが剥がれており本体内部で動いたためと思われます。

さらに、サーミスタの片側の導線が取れてしまったのも、内部でリポバッテリーパックが動いていたので、その金属疲労で断線したのでしょう。

後述しますが、そのためリポバッテリーパックの底面にあたって破損していためと思われます。


実は、USBコネクタの充電機能不良という依頼のみで受け付けをしていたため、先にUSBコネクタの交換を実施しておりました。

コネクタの交換後に動作確認をしておりましたら、何故かBボタンが効きません???

なんでだ!?

と調べていたのですが、目視では問題はなさそうです。

撮影済みの画像を見返していたら、おっやー!

画像のチップ部品が取れかけているじゃないですか!

と、ツッコミますよね?

そうなのです。

画像を撮影してすぐにコネクタ外し作業に取り掛かってため、このチップ部品の取れかけてに気づかず作業を進めてしまったいたのです。

本件の不具合の原因解析のため、依頼者に再確認をしておりましたら、充電ができなくなった、その後にBボタンの反応もしなくなったいた事実を追加でお聞きしました。

そうでした。ガッテン承知しました。ᕙ( ‘ω’)ᕗ

拡大鏡で撮影をしているので、大きそうに見えるチップ部品ですが、実寸は1.5mm * 0.6mmサイズです。

チップ部品がきれいに剥がれ吹っ飛び紛失してしまい、跡形もなくなっていたので、そもそもそこに部品が実装されていたことも分からず、Bボタンが効かない原因が分からず、原因解析で大汗をかいていました。

だって、基板が白塗装されておりリバースエンジニアリングもできずで、原因不明で困っていたのです。

後から撮影していた画像を見返し気づいたという次第でした。

はい、ここです。

では、まずはUSBコネクタの交換を行い、取れて紛失したチップ部品の修理をします。

たまごっちID 腐食電極研磨

昔遊んでいたたまごっちIDを久しぶりに起動しようとしたところ乾電池から液漏れしており起動しなくなってしまったということで修理の依頼がありました。

正極側は無事でしたが、負極側に腐食が広がっています。

ここで起動確認しると、おっやー起動しました。

まぁ、おもちゃ病院あるあるなのですが、では肝心の負極を確認します。

やはり錆が酷いですね。

恐らく、依頼者が確認した際は、この錆で起動せず、届いた際の電池の入れ方で表面的な錆が削れとれ一時的導通したのだろうと推測できます。

依頼者へ、電極自体の交換かさび取りのみ(内部配線の腐食による動作不良のリスクあり)の修理方法を相談したとこと、今回はさび取りのみでということになりました。

研磨で使ったルーターの刃先が、届くか届かないかでしたが無事研磨はできました。


エンたま おれんじじゅーす アカインしるばー 修理

エンたま 2個の修理依頼がありました。

おれんじじゅーす

おれんじじゅーすというエンたまです。

因みに、業界ではエンたまとは、『超じんせーエンジョイ!たまごっちプラス』の略のようです。

卵の状態のままゆらゆらするが、一向に孵らず、ボタンの効かなかったとのことで、いろいろ電池の入れ替えをしていたら液晶の一部も映らなくなってしまったそうです。

卵のまま孵らない原因は、恐らく、クリスタルの発振がしていないためと思われます。

起動直後は、IC内のRC発振で起動し起動成功後に外付けの発振回路に切り替わるというメカニズムです。

クリスタルに発振不良があると、時計が進まないことで確認ができます。

また、液晶の一部が切れているのは、液晶と基板間の導通に不良が出ているためと思われます。

おや!?

隙間がありますね。

既に分解開封されたような跡がありますね。

本体を固定するネジも緩んでいたので、液晶が切れている原因は、液晶の電極と基板の接触が離れているのが原因ですね。

開封すると、他の原因も判明しました。

事前申告はなかったのですが、圧電素子の片側の導線が取れています。

何やら芯線のケバケバが、クリスタルの足に触れそうで触れていません。

なるほど!〇-〇

依頼者のところでボタンが効かないとかフリーズのような挙動を示していたのでは、このケバケバがクリスタルの足に触れていたのかもしれません。

実は、届いてすぐの動作確認では、液晶は切れてはいますが、時計も進んでいましたし、ボタンへの反応もしておりましたが、ビープ音が鳴っていませんでした。状況と動作が一致しました。

恐らくですが、宅配便の配送通の振動で触れていたケバケバがクリスタルから離れたと思われます。

ではでは、基板と液晶電極をアルコールで拭き取りきれいにします。

押しボタンの電極をシリコンボタン側の電極もアルコールで拭き取りかつシリコンボタン側の塗装面も表面を研磨しておきます。

で、最後に圧電素子の導線は、金属疲労もあるだろうから、2本とも芯線を剥きなおして再半田しておきます。

因みに、圧電素子なので、銀食いを防止するため200°で銀入り半田を使用します。

普通の半田を使ってしまうと、セラミック上に銀でメッキされた中央部が、半田コテに吸収されてしまい半田付けできなくなってしまいます。

ここでネジを締めようとすると、本体側の下2本のネジ溝が削れてしまっていて締めることができなくなっています。

ネジ径の同じ長めのタッピングネジで絞めなおしておきます。

さてさて、これでどうでしょか?

無事、液晶も描画しビープ音も正常になりました。

動作確認

押しボタンの感度も良好ですね。

ここで気づいたのですが、おれんじじゅーすのデザインが筐体の上にありますね。


アカインしるばー

アカインしるばーは、押しボタンの効きが悪すぎて遊べないとのことです。

ボタンの接触具合を確認します。

なるほ!

これですね。

シリコンボタン側の導電塗料が、ボタンの押下の繰り返しで剥がれ基板のパターン側に粘着していますね。

アルコールで拭き取り、シリコンボタン側の電極表面もきれいにします。

ではでは、動作確認です。

動作確認

これで、押しボタンの押下の感度が復活はしましたが、液晶に問題がありました。

過去の症例と同じように液晶焼けが出ています。

具体的には、日光のあたったまま長期間保管されたため、液晶ガラス面上に貼られている偏向フィルターが焼けてしまったためです。

液晶の黒さがなくなり赤くなり見えづらいです。

エンたま用の部品取り液晶の在庫があれば交換できますが、もう在庫がないので、この液晶焼けについては現状のままお使いいただくことになりました。

これで、エンたま 2個、無事に修理できました。


今たまごっちに電池入れてみました‼️

しっかりとたまごから産まれて、ちゃんと育ちます‼️

感動しました˙˚ʚ(꒪ˊ꒳ˋ꒪)ɞ˚˙ありがとうございました‼️

瀧下様に修理を頼んで、ほんとにほんとに良かったです☺️٩(ˊᗜˋ*)و♪

家に直してもらいたいたまごっちまだあると思うので、また宜しくお願い致します‪(っ ॑꒳ ॑c)

ありがとうございました😊🙏(#´ᗜ`#)

~依頼者のご感想より~

恋するたまごっちゅ ラブチェック不可 修理不可能

恋するたまごっちゅという、まぁなんともあれな商品の修理依頼がありました。

オス側とメス側を通信させることでキャラクターがキスをして愛情度が上昇し育成していくというようです。

ラブチェックというようです。

故障というのは、いくらやってもラブチェック(キス)ができないそうです。

中古で購入し初回の一度だけラブチェックできた後、まったくできなくなったそうです。

オス側とメス側を向かい合わせてDボタンを押しあうとちょうど向かい合った赤外線の送受信素子が通信しあうというメカニズムです。

ラブチェック以外の動作上は、時計設定もでき問題なく時を刻みます。このラブチェックのみ通信できないという状況です。

では、届いた状態で赤外線のチェッカーで送出のみざっくり確認します。

赤外線送出確認

検出器は、38khzのパルスが出ているかどうかのみを赤いLEDの点灯で確認できるのですが、送出は両方のたまごっちで確認できました。

LED点灯確認
LED点灯確認

別途、赤外線のパターン解析治具で、この9回のH/Lパターンの送出と一致していました。

パターンのH期間の長さでどうもオスとメスの区別をしていそうで、通信のハンドシェイクパターンと思われます。

では、分解して内部の確認をします。

一応、念のためですがクリスタルの発振は確認しておきます。

時間設定もできているし、時間も問題なく進んでいるのですが問題ありませんね。

では、赤外線の通信回りを確認します。

赤外線の送受信に関わるチップ部品の半田付けを溶かしなおしてみます。

しかし、とても高密実装されており、もう通常の小手先ではあてることすらできません。

拡大鏡越しに極細の小手先で溶かしなおしをします。

残念ながら変化なしです。

ここで一旦まとめます。

先の送信は正常としても、オス、メス側両方で通信できないとう自体が解せません。

どちらかの送信が正常と仮定すると、その信号を受信した側のどちらかのラブチェックは成立しそうです。

また、両方の送受信がいづれも故障しているという事態も考えづらいです。

現状、他の恋するたまごっちゅが無いので、確認のしようがないです。

もう何かできる策が既になく、残すは赤外線の受信信号を確認します。

受信のために給電用PNPの2Aチップトランジスタのコレクタと受信信号のパターンを確認できるように基板から導線を引き出します。

これをオス側、メス側で引き出し、いづれも相方の送信信号が受信できているか確認します。

オス側引き出し

オス側オシロ波形

メス側引き出し

メス側オシロ波形※2ch側の給電波形は落ちたままなのは、キャプチャー時に配線の半田が取れたしまったためでした。

オス側、メス側との事前に解析してあった、ハンドシェイクパターンと一致していました。

LEDの送信信号が、受信モジュールでも無事受信できているようです。

さてさて、困りました。

もうここまでとなると、そもそも送信しているパターンがオカシイとか、COBモールド内の断線かIC故障などしか推測できません。

残念ながら、当医院の解析能力の限界で修理不可能という判断になりました。


たまごっちゅのほうは輸送中に奇跡が起きて直ってないかな〜と電池を入れてみ ましたがやはりそんなわけはありませんでした。

でも丁寧に確認していただいて、修理不可能とわかったことで諦めがつきました。
毎回相談のメールにも丁寧に、すぐに返してくださるし、進捗状況も細かくご連 絡くださるので安心しておまかせすることができます。

壊れないことがいちばんなのですが、また壊れたときにはご相談させてくださ い。頼りにしております。

~依頼者のご感想より~

たまごっちプラスカラー液晶バックライト修理


プラスカラーのほうは問題なくバックライト点灯しています。いったん諦めたも のでしたので回復してくれて大変嬉しく思っています。

でも丁寧に確認していただいて、修理不可能とわかったことで諦めがつきました。
毎回相談のメールにも丁寧に、すぐに返してくださるし、進捗状況も細かくご連 絡くださるので安心しておまかせすることができます。

壊れないことがいちばんなのですが、また壊れたときにはご相談させてくださ い。頼りにしております。

~依頼者のご感想より~

たまごっちプラスカラーの修理依頼がありました。

液晶が暗くなり、うっすら何か映ってはいそうだが、画面が真っ暗のままということです。

液晶のメカニズムをご存じであれば、バックライトが切れているか点灯していないかという推測はすぐつくかと思います。

ざっくりですが、バックライトを背面から照らしRGBのフィルターで光の透過を制御し画像を描画しているというメカニズムです。

では、早速状況確認します。

分解し起動すると、やはりうっすら画面が映っていますね。

では、故障診断をします。

たまごっちnano クリスタル交換

たまごっちnanoの修理依頼がありました。

未開封品ということで購入されたそうですが、液漏れを起こしており起動しないそうです。

当医院の記事でも度々啓蒙活動をしておりますが、オークションやフリマで出品されている、未使用品というのは、ほぼ100%液漏れしており本体内部も腐食で使い物になりません。

過去に多数の依頼を対応しておりますが、皆さまやはり未使用という言葉で購入を決意をされたようです。

たまごっちという商品は、ボタン電池が一応は絶縁シートで絶縁はされておりますが、なんと!本体内部に収まったままなので、数年経過すると自然放電して100%液漏れします。

この液漏れは、電池の安全装置なので、逆に液漏れしないボタン電池ということがあり得ないということになります。

さてさて、うんちくはここまでとして診断をしましょう。

購入された当初、ボタン電池からの液漏れが酷く、ご自身でできる範囲できれいにされたそうです。液漏れした液体(=強アルカリ性の水酸化カリウム)が、取り扱い説明書にも染み出していたそうです。

ぱっと見、電極の腐食も酷くなくですね。致命的ではなさそうです。

綿棒にアルコールを湿らせ電極の突起部を拭き上げてもらいましたが効果なしでした。

漏れた液か揮発した気体で本体内部の素子や基板を腐食しているかもしれません。

では開封し内部を確認します。

ですが、たまごっちnanoは、隠しネジの蓋がきついのです。

やみくもにこじってしまうと傷が付いてしまうので、超強力の両面テープで引き抜きます。

片方は成功しました。

ですが、もう片方がとてもきつく抜けません。

超強力両面テープ→グルーガンとも失敗です。

かなり、キツキツにハマっています。

ここまでやっても抜けないので、最終手段です。

極細のドライバーで抉ります。

ちょい傷が付きましたが、まぁまぁ大丈夫の範囲です。

早速ですが、基板を確認しましたが、腐食が広がっています。

ボタン電池の負極に錆が広く上がっています。

横にあったネジも錆びてました。

接点復活剤で拭き上げきれいにはなりました。

それ以外を確認すると、、、あ”ー!

クリスタルですが、足が錆さびです。

シリンダー本体をコキコキしてみると、もうグラグラして抜けそうなので、足が内部で切れているか断線しています。

ほぼ100%このクリスタルの発振不良で起動できなくなっていますね。

早速交換します。

さてさてどうでしょうか?

無事起動しました。

クリスタルを交換しているので、卵が孵るかしばらく放置してみます。

無事、卵からリンゴ!?に孵りました。

動作確認

押しボタンの反応も問題ありませんので、これにて修理完了です。


ご感想

~依頼者のご感想より~