たまごっち ケーたま 修理

可愛らしいシールですね。

ボタンの反応が悪いということで修理に依頼がありました。

ネジは錆びて溝が潰れていますので、新品に交換します。

さて、このケーたまは、ベースはたまごっちプラスのようですが、『赤外線通信ができるたまごっちの「ケーたま」、20周年を記念して全世界でリバイバル』とのことです。

「祝ケータイかいツー!たまごっちプラス」20周年を記念して、リバイバル版となる「Tamagotchi Connection」が全世界で発売される。

だそうです。

恐るべし、20周年の全世界で大人気のたまごっちです。

さて、不具合の症状は、電池を入れてもなかなか起動せず、押しボタンも先の遅いもので押し込まないと反応しないそうです。

起動不良は、電極の汚れかもしれませんが、電源が突然切れたり突然入ったりでなければ、他の不具合の線が強そうです。

押しボタンの反応は電極の汚れでしょうか。

では、診断します。

早速、電極の汚れを懸念して接点復活剤で電極を拭きあげておきます。

次にボタンを入れてみると、起動しジャガイモのような卵がゆらゆらします。

しかし、待てど暮らせど一向に孵るそうすがありません。

通常、3分ほどで孵るのですが、うんともすんともです。

押しボタンも反応せずリセットのみができる状態です。

他の修理でも経験していますが、この起動直後のジャガイモのゆらゆらは、IC内のCR発振で起動しております。

ですが、時間制御は、外付けのクリスタルに切り替わるので、進まないときは32.768kHzのクリスタルの故障を疑います。

マイコン回路の設計やマイコンの設計経験があれば、このあたりの回路はご存じかとは思いますが、起動自体は内蔵の発振を使い無事起動できたところで外部発振に切り替えます。

まぁ、信頼性の問題なのでしょうが、よくある回路仕様ですね。

クリスタルの発振が、はり付いたままですね。

半田クラックの懸念もあるので、ひとまず半田付け部分を溶かしなおしてみます。

改善しません。

で、クリスタルを交換してみます。

無事、発振しました。

さて、次に押しボタンを確認します。

電極に汚れが付着していますね。

恐らく、この汚れはシリコンボタン側の導電ゴム塗料の残骸のようです。

アルコールできれいに掃除をしておきます。

で、起動確認をします。

無事、初期設定できるようになりました。

ではでは、組み立てて、次に時計設定をして秒が進むことも確認し、卵の孵化をまちます。

無事、孵化しました。

ボタンの反応も回復しました。

まだまだ安心できません。

半田付けをしているので、12時間以上放置してから起動の再確認します。

問題ありませんね。

動作確認

これにて修理完了です。


いぇー!ふぁみりーイロイロ!たまごっちプラス ふぁみたまユニクロ限定ver 水没修理

以前にも同じたまごっちの依頼のあった同じたまごっちで液晶のドットが切れ切れに描画されるということで修理の依頼がありました。

壁紙にユニクロの印刷があり、当時は商品名を知らなかったのですが、『いぇー!ふぁみりーイロイロ!たまごっちプラス ふぁみたまユニクロ限定ver』とのことです。

正式名称が長いので白いユニクロたまごっちと呼ぶことにします。

蓋のネジや飾りのフックに錆が上がっていますね。蓋のネジは新品に交換しましょう。

さて、液晶の具合を診ましょう。

液晶の縦横ラインがガッツリ消えていますね。

液晶のゴム電極を基板端子に導通に問題がありそうです。

では、分解して診断を続けます。

裏蓋をあけると気になる点があります。

国宝級にネジ錆びてません?

尋常でないレベルにネジ錆びちゃってます。

理由はすぐ分かりました。

ですが、この錆びたネジを回しても折れないか心配です。

コキコキ感触を確かめながらネジを外します。

無事外せましたが、うあ”-錆さびですね。

分解時の水没反応シールですが、がっつり水没していたようです。

因みに水没シールは、筐体の穴から覗いて確認できます。

矢印の奥にシールが見えます。

少しでも滲んでいる場合は水没反応ありです。

日常の生活湿気のようなものでは反応しませんので、こちらで確認できます。

所々の半田付け部分にも腐食しています。

依頼者は、このたまごっちを中古で10000円程で入手したそうですが、残念ながらこれは水没のジャンク品ですね。数百円レベルです。

先のネジが錆びていた原因は、水没が原因のようです。

しかもしばらく浸っていたのかもしれません。

基板のネジの錆がないので、表面的な水没かもと思ったのですが、がっつり水没ししばらく放置されていたのが、次の解析で判明しました。

押しボタンの基板側のパターンもすごい汚れです。

もう酷いの一言です。

このレベルでは、修理不可能という判断してもよいのですが、依頼者様からたってのお願いでしたので、診断を継続します。

接点類は、溶剤のクリーナーで洗浄します。

で、液晶の描画の原因であろうゴム電極と基板との密着点です。

すごい汚れです。

この電極部をきれいに剥がさないといけません。

インターネットで修理されている方で強引に剥がし液晶が消えちゃったという方がおられました。

液晶のガラス面を基板間の導通を担っているのが、ゴム電極はゴム素材の中に導電性の金属が仕込まれており両側からの圧で金属同士がゴム電極の内部で接続し導通するというメカニズムです。

LSIのテスト治具であるソケットに業務でも使用した経験があります。

で、もちろんですが、両側の端子と接続できるようにアライメントされており、基板側のアライメントは、筐体のケースに枠があります。

一方、ガラス側とのアライメントはそのような位置決めはしていませんので、ガラス側は決して剥がしてはいけません。

というか、そもそもこの液晶部品は、ガラス面に導電ゴム端子が付いた状態でアセンブリされるはずです。

失敗すると、終わりの世界になるので、依頼者様に剥がすというリスクの承諾を得て剥がしました。

無事成功!

かなり強固に粘着しています。

何か変です。

うっあ”-、、、なんじゃこりゃ。

汚れや何やらびっしり付着しています。

もう、完全に水に浸りまくって、湯舟じゃないけど首まで浸かっていたのですね。

しかも長風呂。

で、液晶側は、、、

だ・よ・ねー。

これだけ汚れていたのに、少なくても液晶がある箇所は描画されていたのが逆にビックリです。

手持ちのクリーナーを基板に吹き全体をブラシでゴシゴシしてきれいにします。

まぁ、ある程度は綺麗にはなります。

数回ゴシゴシします。

で、取り切れない腐食は細かいサンドペーパーでもゴシゴシしたり、ゴム側も表面をサンドペーパーでゴシゴシします。

基板側は仕上げにピカールで磨きもします。

このようなゴシゴシやコキコキを繰り返しながら、起動描画確認します。

あ”-!

起動しない! _| ̄|o チーン

うんともすんともになっています。

心臓が止まりそうになりました。ー_-;

ゴシゴシ前までは起動していたのに、ゴシゴシしたのが原因で起動しなくなってしまいました。

ですが、おおよそ原因は推測できます。

腐食が基板全体に広がっていたので、各素子の半田付けが脆くなっていたはずです。

そこにクリーナーをシコタマ吹いたので急冷されクラックが入ってしまったようです。

よくある、基板の半田付けを全て溶かしなおします。

いろいろ起きますね。

依頼者からのたってのお願いなのであきらめずに頑張ります。ᕙ( ‘ω’)ᕗ

半田の溶かしなおしを終え再起動すると、ピーっとなりました。⸜(´・∀・)_∠※

でも、まだ液晶が切れています。

ですが、ここまでよく復活できましたよね。

自分を褒めてあげたいと思います。

ご覧の皆さんもサポートのご寄付を受け付けますので、ご遠慮なく冒頭のご支援をください。

さて、どうしましょうかね。

ですが、依頼者様のお気持ちを考えるとあきらめられません。

液晶との導通状況を再確認します。

既にかなりの研磨もしているので、これ以上の研磨をすると電極のパターンが剥がれます。

とどめを刺すことになるので、拡大鏡で確認します。

す・る・と?

原因が分かります。

やみくもに研磨したりこすったりしましたが、原因は、凹凸でした。

端子の谷間にまだ汚れがびっしり詰まっています。

本来は、端子間に凹へこみがあり、そこに押し付けることで密着度が上がるのですが、凹みがフラットになっています。

極細のピンセットと拡大鏡で地道に端子間の凹みを復活させます。

あ”-こんなに汚れが詰まっています。画像は一部ですが、全端子の凹みを復活させるべく地道に休憩を入れながら作業します。

液晶側のゴム電極の表面も今度は少し粗目のサンドペーパーでゴシゴシします。

作業をすること、数時間後。。。

キタ━(゚∀゚)━! キタ━━━━

バッチリ復活しました。

なんの切れ間もなく正常に描画されています。

ただ、コントラストが強めが気がしますが、もともとだったのかどうかまでは分かりませんが、描画が復活しました。

ただし、当医院は騙されません。

時間をおくと再発することも多いので、今回もお世話を数日します。

その前に錆びたフックを研磨し錆びたネジも交換します。

できる限りの処置はしました。

あとは、経過観察で再発しないことを祈るばかりです。

ごはんに、トイレ、遊んであげること2日間。。。

快調です。

問題ありません。

これで無事修理完了としてもよいでしょう。

長かった、いゃー長かった。

フリマなどで購入する際は、動いているだけで値段を決められてしまいますが、水没有無で値段交渉できると思います。


海で発見 たまごっち ネジ外しと穴再建

海で発見たまごっち 2個のネジ外しの依頼がありました。

恐らく中身は同じ商品ですが、筐体が違うバージョンのようです。

スケルトンの海で発見たまごっち

では、まず筐体がスケルトンのたまごっちから着手します。

ネジの状態を確認します。

依頼者様は、ネジが固くて外せないとのことでした。

固くて回せない場合、ネジが折れることが多いんですよね。。。

ちょっと心配。(˘•ω•˘)

左側のネジは、ネジ回しに頑張られた痕がありますね。

溝が少し歪んでいます。

溝が歪むくらい固いようです。

左側は無傷のようです。

では、開封に挑戦します。

歪んだ側のネジは少し手こずりましたが、無事無傷でネジを外せました。

ボタン電池は、膨れてきていますね。

幸い液漏れしておらず、電極もきれいです。

動作確認

ボタンの反応も問題ありません。

スケルトンの海で発見たまごっちのネジ外し作業は完了です。


では、次に水色の海で発見たまごっちを診断します。

先にお伝えしますが、この水色の海で発見たまごっちのネジ外しが、今までネジ外しで作業した中で一番のたいへんさでした。

両手の内出血もひどく収まるまで時間がかかりました。

問い合わせの際に画像を拝見していたのですが、市販のネジ外しの溶剤のような痕がありました。

ボタン電池用の絶縁シートが挿入されたままなので、ほぼ新品なのでしょうかね。

左側は、もはや地獄絵図ですね。

ネジ穴周辺の溶け具合をみると、瞬間接着剤を垂らしてしまったようです。

右側のネジも同様ですね。

後で確認したのですが、やはり接着剤を垂らして開封に挑戦したそうです。

インターネットでそのような記事を見つけたそうです。

以前ネジ外ししたたまごっちでも同じようにインターネットで見つけた情報で接着剤を垂らした方がおられました。

ドライバーとネジの溝が強固にくっつくことはありません。

検索してみると、過去のYahoo知恵袋で無責任に回答している方がいますね。

しかも、ベストアンサーになっている恐ろしさです。

再度啓蒙します。

たまごっちのネジ外しに接着剤はダメ絶対!

話をネジ外しに戻します。

垂らしてしまった接着剤越しにネジが回転するか確認します。

運よく蓋との間で回転してくれればネジは外せます。

では、左側から。

うあ”~、無理ですね。

みるみるうちにネジの頭が削れます。

筐体が割るかもしれないほどのおよそ数十キロの圧をかけながらですが、ネジの頭がびくともしません。

逆にこれほど強固に接着できたのが、すごいと拍手したいくらいです。

同じく、右側も削れに削れました。

後で判明するのですが、筐体側にネジまれている軸は回転できたので、ネジの頭と蓋が接着剤で強固に粘着していたことになります。

既にここまでで数時間かかっており、両手の手のひらが内出血でひどいため、ここで一旦ネジ外し失敗と判断しました。

依頼者様にその旨の相談とここまで作業をしたのだから、いっそのことネジ頭を削り除去に挑戦されるか相談しました。

やっちゃってくださいとのことです。

(^O^)ワーイ

ルーターで既に削れたネジ頭を完全に削り取り蓋を開閉できるようにします。

とりあえず、ここまでできれば再度遊ぶまでのことはできます。

次にネジの残骸も除去できれば再度ネジ止めもできるようになります。

ネジが折れてしまった場合は、追加料金でネジ穴の再建をされるかどうか相談しようと思います。

翌日、両手の内出血が収まるまで休みます。

ではでは、ネジ頭を削ります。

精密作業用の研磨用ルータでできる限り蓋の穴周辺が拡大しようないように削ります。

このぐらいでやっと半分ぐらいまで削れました。

研磨用ルーターなのですが、不用意に蓋側を痛める心配が少ないので、地道に作業します。

いやでも、画像からも分かるぐらい接着剤を蓋がくっついていますね。

削り始めてから、半日でやっと薄皮ぐらいまでネジの頭を削れました。

ネジの頭が薄皮一枚なので、極細のマイナス精密ドライバーで薄皮をめくり蓋をこじると抜けます。

長かったー!

ここまでほんと大変でした。

蓋の穴周辺もできる限り損傷なく作業しました。

ボタン電池も液漏れなく電極もきれいですね。

次の難関である、ネジの軸の残骸を除去します。

本体側にも強固に密着しているので、回るかどうか確認します。

右側のネジの軸は前述のように固かったですが、地道にラジオペンチでつまみ回転させ外せました。

ですが、左側のネジの軸は、もうびくともせずで根本で折れました。

ここで次の判断ポイントです。

右側だけでも稼働はできます。

動作確認

ただここまで作業したのだから、ネジ穴も再建した方がよいか相談しました。

デビルっちのたまごっちと違い筐体側のネジは緩いので、この選択肢を提案でききました。

さっそく快諾とのことでネジ穴の再建をします。

裏カバーを外し裏面からルーターで削りネジの残骸を除去します。

穴周辺を養生し補修材で盛ります。

代替えのネジは、当医院オリジナルのワッシャー付きネジでということです。

補修材を垂らします。

十分時間をおき固まったところで再度ルーターで形を整えます。

浮いているように見えるのは、養生テープをはがした際の隙間があるためです。

組み立てて密着も確認します。

問題ありませんね。

再度動作確認も行い無事描画やボタン操作の反応確認し修理完了となりました。

ルーターで削った際の影響でワッシャー付きネジの端で穴が見えるようになってしまいましたが、蓋止めには影響ありません。

とてもたいへんな作業でしたが、ネジ外し困難が状況から再度ネジ止めし遊べるまで復活できました。


今回は海で発見たまごっちの蓋開けをふたつお願いしました。

ひとつは接着剤で酷いことになっていたにも関わらず、細かく提案を頂きながら修理頂きとても感謝です。

スピードもとても早く、あっという間に返送頂き、驚きでした。

もうダメかも、と思ったおもちゃで遊べてとても嬉しいです。

また機会があれば、よろしくお願いします。

~依頼者のご感想より~

てんしっちのたまごっち 折れた電極作成

おなじみのてんしっちのたまごっちです。

今回は、潰れたネジ外しではなく電極が折れてしまったそうです。

何十年も放置していたということと、電極に液漏れの粉も付いているので、液漏れで電極が腐食されL字などで既に曲がっている弱っている箇所に影響しもろとも折れてしまったのかもしれません。

過去にも液漏れのたまごっちの同じ電極を交換したことが多々あったのですが、あいにく既に在庫の部品取りの機の電極は全て移植済みでした。

2か所であれば頑張って半田付けして補修できるか診断してみましょう。

では、分解して確認します。

あ”ー!

もう片っ方も折れている!

木端微塵でした。

うーん、どーしよう、、、。

この電極は0.3mmの電極で程よい弾力でボタン電池に接地します。

0.5mmの銅板があるので、電極を作成しましょう。

マスキングテープで別の電極の型取りします。

このマスキングテープを銅板に貼り金物はさみでカットします。

ここまでざっくり加工し電池ボックスにあてながらルーターで微調整し成形します。

厚さ0.5mmで丁度の溝でした。

テキトーにするとカバーが収まりません。基板の絶縁シートに直に接しますので接する面は研磨しておきます。

ここまで加工できました。

厚さが0.5mmもあるので、ボタン電池のサイズギリギリになります。

依頼者様には、ボタン電池の出し入れは、コツをつかんでもらいましょう。

最後に液漏れで突起部が腐食した電極もルーターのブラシで研磨しておきます。

動作確認

バッチリ問題ありませんね。

押しボタンの感度も問題なしです。

久しぶりに復活したたまごっちで楽しんでもらえたらいいですね。


数十年ぶりにたまごっちを起動することができて感激しております。

子供の頃に叔父が買ってくれた思い出のたまごっちなので本当に嬉しいです。

ホームページも拝見しましたが、思ったより状態が悪かったようでしたがとても細かく丁寧な作業をしていただき感謝です。

迅速な対応とスムーズなやり取りも安心感があり、今度また何かあればお願いしたいと思いました。

この度は本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

赤いたまごっち 潰れたネジ外し

電池ボックスの蓋の潰れたネジ外しの依頼がありました。

赤がきれいなたまごっちですね。

電池ボックスの絶縁シートがあるので、恐らくほぼ新品な状態のようです。

どちらのネジも錆が上がっておりますね。

向かって左のネジは、依頼者様で既に開封できており、今回の依頼は右側のネジとなります。

左側のネジは問題ないですね。

問題の右側のネジは、、、

かなり錆が上がっており溝も潰れドライバーで頑張った形跡があります。

うっすらとまだ溝らしきものが残っているので頑張ってみましょう。

無事出てきましたね。

ここまで出せればもう安心です。

無事ネジ外し成功しまいした。

今回は、動作確認も含めての依頼ですので、起動確認をします。

ボタン電池からは液漏れしていたのですが、幸い電極などへの影響はありませんでした。

動作確認

動作確認も問題ありません。

無事開封でき動作も問題ありませんので、これからも楽しく遊んでもらえると思います。


早速電池を入れましたが問題なく作動しております。

育てたい子がいたので本当に嬉しいです。

無事開くかどうか少し心配もあったのですが、想像もしていない速さでねじ外しだけでなく中の修理まで終えて連絡をくださった時は、本当に感激しました。

こまめに連絡もくださり安心して預けることが出来、また困った時はお願いしたいと思います。

本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

たまごっち いろいろな修理

いろいろなたまごっちの修理依頼がありました。それぞれについてご紹介しましょう。

#1. たまごっちプラス ふぁみたまワールド

青がきれいなたまごっちですね。

表面のシリコンボタンの反応が悪いそうです。

反応しないということではなく、押し込むと複数回反応してしまい操作しづらいとのことでした。

電子回路のチャタリングですね。

到着直後に動作確認をしましたが、特に左端のメニュー切替ボタンが複数回反応するので、操作しづらいです。

チャタリング現象は、メカニカルな電気接点の宿命なので、ソフト側などで対応します。

たまごっちも対応は既になされてはいるのですが、それでもチャタリング現象が起きるということは、ソフト側でも対応できないような複数回接点に接触するような機械的な現象が起きていそうです。

と難しいように書いていますが、要は汚れか異物でが接点とボタンの間に挟まってかで指押し込んだ際に機械的に複数回接触しているのでしょう。

恐らくたまごっちのプログラムは、チャタリング防止でFFを仕込んでいるか時間おきで電位の安定性を観測しボタンの押し込み判定をしていると思います。

で、依頼者様は、同じことを推測しご自身で分解し接点を清掃しようと頑張られたのですが、隠しネジのカバーが開けられずということでの依頼でした。

●要件

  1. 隠しネジのカバーは外す。
  2. 分解しボタンのチャタリング現象を改善する。

の2点です。

では、隠しネジのカバーを診ましょう。

黄色枠の隠しネジのカバーです。

通常は、鋭利な工具で抉るのですが、やはり大事なたまごっちなので、傷を付けたくないなどありますからね。

傷を付けずに外す場合は、強力な粘着テープで引っ張ることを想定していましたが、依頼者様よりホットボンドを塗って固まった後に引っ張るという手段も教えてもらえました。

では、挑戦します。

巷で売っている厚みのある超強力な両面テープです。

3M製などいろいろあります。

では、貼って十分粘着するようにカバーの上を押しこんで、、、、

剥がします。

ざんね~ん。 ̄▽ ̄/~

粘着の面積が小さく粘着力が足りません。

ではでは、次はホットボンドでリベンジです。

では、剥がしましょう!

ざんね~ん。パート2。 ̄▽ ̄/~

きれいに型取りできました。

おやおや、どうしましょうかね。

やはり物理的に抉るほかないでしょうかね。

依頼者様に状況を報告し傷などご了承の上抉ることになりました。

でもしかし、できる限りきれいに外せるように頑張ります。

少し端な白くなりましたが、致命的な破損もなく外せました。

ふぅー、やっと終わりました。\(^o^)/

…あれ!?

いやいや違った。

本業はボタンの接触改善でした。

では、分解しボタンの接点を確認します。

櫛パターンの間に何か黒いのが粘着していますね。

異物の粘着でパターン表面に凹凸ができてしまい、押し込み後にボタン側の接点が離れて際に再接触を繰り返していたのでしょう。

アルコールできれいにします。

次にボタン側の導電塗料も表面を薄く研磨しておきます。

これで大丈夫でしょう。

動作確認

解消しましたね。

電池ボックスのネジも錆が上がっていますので、新品のネジに交換します。

ネジは新品はやはりいいですね。

以上で、#1. たまごっちプラス ふぁみたまワールドの修理は完了です。


#2. たまごっちプラス ふぁみたまラブ

動作は問題ないのですが、電池ボックスのネジを新品に交換したいそうです。

ネジが少しさびでおり、溝も少し潰れかけております。

依頼者様では、このネジも外せないとのことでの依頼でした。

ネジは蓋から取れおりないように樹脂のワッシャー付きです。

純正のネジは、ワッシャー付き部分のネジ山がないタイプですが、ワッシャーは樹脂製なので通常のネジでも問題なく装着できます。

M2.6 * 4mmもしくは5mmの長さがぐらいがちょうどいいくらいです。

また、蓋のネジ穴の頭のサイズもあるので、なべネジの頭の径と穴の径も調べておきます。

※フラットヘッドタイプのネジを試したことがあったのですが、フラットヘッドタイプは強度を保つために頭の径が大きくハマりませんでした。

長いネジで絞め込むと基板にネジ先が達し基板を損傷します。

純正のフラットヘッドもいいのですが、個人的にはこのなべネジがお気に入りです。

すっきりですね。


#3. たまごっちメスっち

メスッチの潰れたネジの開封の依頼です。

オスっちもメスっちもデビルっちのたまごっち同様にネジがとても折れやすいです。

デビルっちは、ほぼ100%折れるのですが、オスっちやメスっちは、80%折れます。

残念ながら、今回のメスっちも折れて失敗してしまいました。( ノД)シクシク…

※この失敗、結構引きずります。

向かって左側のネジが潰れたネジで右側は問題のないネジです。※右側のネジは、なぜかサイズの細いネジでした。

ネジの溝はもう完全に無くなっておりますが、当医院においては、このぐらいのネジであれば回すことはできます。

そうなのです。

ネジの頭は回せるんだけど、ネジの軸が強固に筐体にねじ込んであり密着しているとネジの頭を回せても軸で折れてしまいます。

ほら、きれいに軸がねじ切れていますよね。

これは、同じことがデビルっちのたまごっちでも起きます。

幸いに右側のネジが残っているので蓋を抑えることはできます。

若干ボタンから液漏れしておりましたが、電極や基板に影響はなかったので、動作も問題ありませんでした。

動作確認

依頼者様に折れたネジ穴の再建のご希望をお聞きしたのですが、分解作業のため黄色枠のネジを外す際にさらに折れてしまう懸念があります。

そうなのです。

デビルっちのたまごっちでもそうですが、電池ボックスの蓋ネジが強固だと、本体側のネジも強固にねじ込んであるので、本体側のネジ折れることが多いです。

本体側のネジを折ってしまうと、もう取り返しのつかない事態になりますので、依頼者と相談しましてリスクを負いたくないということでこの状態までとなりました。

最後に無事な右側のネジも純正よりも細いネジでしたので新品に交換して修理完了です。


#4.おうちのでかたまごっち ゲーム王けってーせん

こちらのデカたまは、育成機ではなく完全なゲーム機でした。

症状としてうんともすんともで起動しないそうです。

同封の電池が単四のニッケル水素型の充電池でしたが、過電流事故防止の観点からも乾電池が適切なので、修理動作確認はアルカリ乾電池で実施します。

当初のお聞きしていた状態では起動しないということですが、乾電池挿入では起動しません。裏面のリセットボタンを押下すると起動はしますが途中でハングアップします。

起動同さ確認

( ,,・ω・´)ンンン?

途中でハングアップしてしまうのは、厄介かもしれません。

マイコンのプログラムの途中で読み込みできなくなっているのかもです。

Flashメモリの読み込みエラーであれば半導体故障で修理不可能となってしまいます。

では診断のため、こちらも分解しますが裏面の隠しネジのカバーがあるので、こちらも両所鵜の上こじって開きました。

まずは、基本的なところで、以下を確認します。

  1. 電池ボックスの電極端で正常に電圧が上がっているか?
  2. 基板の給電箇所で正常に電圧は上がっているか?
  3. 基板上の素子で目視問題ないか?
  4. クリスタルの発振は正常か?
  5. 電源の電解コンデンサーは問題ないか?

サクサクと確認します。

クリスタルの発振も問題ありません。発信回路のコンデンサーんぼ半田付けも溶かしなおしてみました。電解コンデンサーも取り外し容量の低下など問題ありません。

まったく改善の兆しすらありません。

基板の表面はCOBで封入されの制御ICのみとなります。

さてさて、困りましたね。

このような事態では、もう万策尽きた感があるので、基板上の素子の半田付けを全て溶かしなおしてみます。

既に目視確認はしておりますが、目に見えない汚れや腐食などで他のたまごっちで過去に改善した経験があります。

結果論になってしまいますが、そもそも仕様書もない状態での故障解析なので、ダメ元です。

あ”-!

ハングアップした箇所以降まで進みました!

やはり改善しました!

不具合の原因は分かりませんが、、、。( ̄▽ ̄;

動作確認1
動作確認2
動作確認3

うんうん、動いているっぽいです。

またこれも過去にあった経験ですが、基板上の半田を溶かすと一時的な小手先の熱で動作し、熱が冷めると元のように動かなくなることも多いです。

そこで、12時間以上時間をおき再起動してみます。

ドキドキですね。

問題ありません!

※動画は撮影していませんでした。

途中リセットなどしてみましたが問題ありません。

確たる故障原因は不明のまま、場当たりの修理作業となりましたが、この状態で返送することになりました。


潰れたネジ外しや押しボタンの接点清掃、起動不良の修理など、いろいろめじろ押しでした。

メスっちの失敗はありましたが、概ねいづれもたまごっちも遊べるようにはなりましたので、合格点はいただきます。


私の大切なおもちゃを修理していただき、本当に感謝しています。

私の乏しい日本語でこの作業をこなせるかとても心配でした。

あなたはとても親切で辛抱強く私に接してくれました。

おもちゃたちに新しい命を与えてくれてありがとうございました。

おもちゃは長く楽しむものだと思います。

ずっと大切にします。

あなたが直してくれたからこそ、これらのおもちゃは私にとってより大切なものになりました。

たまごっちで遊ぶたびに、あなたの優しさを思い出します。

本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

たまごっち ピース 修理不可

たまごっちピースの修理依頼がありました。

2012年に購入され、お子様が遊んでおられていたとのことです。

久しぶりに稼働させてところ、無事起動し出したとのことですが3日目に突如電源が落ちてからそのまま起動しなくなったとのことです。

過去にも数台のたまごっちピースを診断しておりますが、たまごっちピースは完治率が悪いです。

開封すると、電池ボックスのコンデンサーのボンドが変色しています。

過去にはこの粘着でフラッシュメモリーが剥がれてしまったという事態もありました。

何やら嫌な予感がします。

ちょうどその反対側のフラッシュメモリーのチップコンデンサーが腐食してしまったいますし、GNDのパターンかレジストにも何やら起きていそうです。

電池を挿入してもうんともすんともなので、まずは電源と発振回路回りを確認します。

電源は基板端まで正常に給電されており、基板上の昇圧IC端で3.6Vまで無事昇圧あれております。

クリスタルも32.768kHzと1.84MHzの2つが実装されており、どちらも発振もオシロで確認できました。

ついでに電源の電解コンデンサーも外し容量とESRを確認します。念のため交換もしてみました。

途中、液晶が点灯し起動音が鳴りはじめる場面が稀にあります。

以前、たまごっちiDLで同じ症状を経験しましたが、その際は修理不可能でした。

電源回りや発振回路回りの半田も溶かしなおしなどやってはみましたが、一向に改善しません。

基板上にはところどころ腐食した素子部品が目につきます。

もう解析できる作業は、万事尽くした感があり、この時点で依頼者様へ修理不可能であった旨報告しました。

当おもちゃ病院での解析能力では確たる原因は分からずで、もし分かったとしても基板の損傷からして修理不可能であったように感じます。

以上、残念ですが修理不可能あった案件の紹介でした。


残念ではありますが、瀧下さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

瀧下さんに診断依頼をして本当によかったです。細やかな連絡に安心して経過を知ることができました。

~依頼者のご感想より~

初代たまごっち つぶれたネジ外し

初代たまごっちの潰れたネジ外しの依頼がありました。

今頃になってなのですが、初代たまごっちで卵の殻をモチーフにしているからだろうけど、白いんですよね。

さてさて、電池ボックスの蓋にある2本のネジの内、片側の1本が潰れたしまったとのことです。

お住まいのおもちゃ病院に持ち込んだそうですが、開封できないということで引き揚げてきたそうです。

そこで、インターネットで調べたらしく当医院に依頼がありました。

向かって左側のネジが完全につぶれてしまっていますね。

頑張られたらしい痕ですね。

きれいに溝がなくなっています。

これをあけるというのですから、本当にできるの!?

という疑問も分かります。

必殺技でネジを外しましょう!

出てきました!

もうちょっとです!

ここまで出てくればOK牧場です。

ただ、ちょー固かったです。

ネジが折れそうでビクビクしながら作業していました。

無事きれいに外せました。

この、潰れたネジを外すんですよ!

ボタン電池から液漏れしていますね。

幸いに液漏れは電極の腐食までには至っていなかったので、動作も問題ありませんでした。

動作確認

まぁ、固かった潰れたネジも無事に外せて、これで30年ぶりに遊べますね!

ただ、この初代の白いたまごっちですが、3連チャンでネジ外しに挑戦しましたが、とても、とて~も固かったので、今後は、ネジ折れや失敗のリスク大としておきたいと思います。


この度はありがとうございました!

顔も見えないですが、メールのやり取りも的確で信頼できる方でした。

何よりあんなにネジ穴潰れだったのに作業も早く完璧でした。

これぞおもちゃドクターです。

また何かあった際は宜しくお願いします。

~依頼者様のご感想より~

たまごっち ネジ外し 2台

初代たまごっち 2台の潰れたネジ外しのご依頼がありました。

電池交換をしようとしてネジを潰してしまったそうです。

まったく同じたまごっちですので、番号付けして作業開始しましょう。

1番機

到着時には、既にお化け状態でしたので、液晶の描画や通電動作はできていそうですね。

では、ネジの状態を確認します。

左側のネジは、状態もよく溝も潰れていませんね。

右側のネジは、潰れていますね。ただ、若干ですが溝だった箇所が残っていますので、完全につるつるの火口状態ではないので見込みありです。

作業を開始どちらのネジも折れることなく出てきました。

ここまでネジの頭を出せるともう大丈夫です。

どちらも無事綺麗にネジを外せました。

本体の診察もご希望でしたので診察します。

ボタン電池が液漏れしていますね。起動動作はしておりましたが、電源の導通はしていたのでしょう。

勘違いされる方が多いですが、動いているからと言って問題ないわけでは全くないです。

オークションやフリマで購入される際に、動作確認済みからといっても今回のようにボタン電池から液漏れしているこも多いです。

液漏れによる粉がすごいですね。

恐らく腐食も進んでいると思われます。

この液漏れの痕を除去していたら、ニッケルメッキがペラペラ剥がれてしまい、電極の一部が腐食で脆くなっており折れてしまいました。

カツカツでくっついていたようです。

液漏れ痕の除去も広範囲になっておりました。

やはり、液漏れの影響が甚大でした。

依頼者と相談をし折れた電極の半田で接合することになりました。

※あいにく交換用の電極の在庫がないので接合で補強します。

分解し電極を取り出すと、逆側の電極も脆くなっておりすぐ折れてしまいました。

液漏れで電極の曲がり角の疲労のある部分も弱くなっていたようです。

両側との半田付けで接合します。

L字部分を研磨しておき半田を盛っておきます。

そこに折れた先をくっつけておきます。

盛った半田が筐体の溝にハマりづらくなりますので調整します。

ボタン電池の正極側との接触も問題なさそうですね。

接合部の強度は出来高になりますが、これでまた起動できるようになります。

動作確認

では、2番機の作業にかかります。


2番機

2番機は、液晶は消えたままなので、電池切れで液漏れの可能性もありますね。

左側のネジは、完全に溝がなくなっておりますね。

火口状態です。

左側のネジは、依頼者様で少し外していたようですが、恐らく右側のネジが手に負えないと判断しそのままだったのかもしれません。

このような状態で早速ですが、ネジ外しに挑戦したのですが、とても固いです。

固着がひどく無理に回すとネジの溝がつるつるになるかネジが折れるかしてしまいます。

時間をかけてゆっくり注意しながら作業します。

もう、かなりたいへんでした。

最近では経験しなかったぐらいたいへんな開封でした。

無事、少しづつですが出てきました。

ここまで出せればもう大丈夫です。

毎回自分でも思うのですが、このような火山の火口のようななったネジをよくも外せますよね。

専用の治具もそうですが、スキルと経験があるといえばあるのですがね。

さて、無事ネジは外せましたが、こちらもボタン電池からの液漏れがひどいですね。

幸い電極が折れるような事態にはなりませんでした。

除去し綺麗にします。

動作確認

動作確認も問題ありませんね。

長期間保管する場合は、ボタン電池を抜くようにしてください。

以上で修理完了です。


無事べびっちに変身しました!

2台のうち1台は想像していたよりも遥かに状態が悪く、瀕死の状態だったにもかかわらず遅くまで対応してくださり、ベストを尽くしてくださったおかけで、なんとかたまごっちの一命を取り留めることができました。

また色々とご配慮くださり感謝しかないです。

また何かありましたらお願いしたいと思います。

この度は本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~

緑のたまごっちのネジ外しとLOVE BANK修理

初代たまごっちのつぶれたネジ外しとLOVE BANKというモーターで動く貯金箱の依頼がありました。

たまごっちについては、以前オスっちやメスっちのネジ外しの依頼を受けたことのある、ご依頼者で今回もネジ外しの依頼です。

以前、お持ちだったたまごっちで壊れて捨ててしまい、最近もう一度入手できたがネジが外せなかったということです。

緑のたまごっち

きれいな緑に黄色のボタンがいいですね!

では、ネジの状態を確認します。

どちらも完全に陥没した状態ではなく、ネジの溝はつぶれたがある程度は残っているという状態です。

強固に固着でもしていなければ、テクニックと工具で開封できそうですが、デビルっちのたまごっちのように、カチコチにネジが固着している場合は、ネジが折れてしまします。

では、ネジ外しに挑戦しましょう。

どちらのネジもとても堅かったです。

筐体の溝とネジの溝ががっちり噛み合っておりました。

向かって右のネジは、たいへんでしたが無事外せました。

ですが、左のネジは、強固に噛み合っておりネジの頭を半周まわしたところでぽきっと折れてしまいました。

ボタン電池も液漏れしており、接触していた電極の突起部も腐食が出ております。

筐体と面一の海面でネジが折れていますね。

強固にがっちり食い込んでいるので、もうどうしようもない状態で、折れるべくして折れたようです。

ここで、依頼者に以後どうするか相談をしました。

デビルっちのたまごっちのように、黄色丸枠の折れたネジの残骸と裏から掘り起こして穴を再建し新しいネジをねじ込めるようにするかどうかです。

ですが、そのためには青丸枠のネジを外さないといけません。

過去にデビルっちのたまごっちで、本体ネジも外せなくネジを折ってしまった悲しい経験があります。本体固定のネジを折ってしまうと最悪本体を固定できなくなるので、大きなリスクがあります。

現状は、電極の腐食部分を接点復活剤で拭きあげるだけで起動もしました。

ついでに押しボタンの感度も問題ありません。

依頼者に前述のリスクを冒してまでもネジの残骸除去と穴再建をするかどうかをお聞きしたところ、現状のままでということになりました。

電池ボックスの蓋を片側ネジだけで抑えるのは、少々心配です。

たまごっちの蓋はボタン電池の電極を接触するように電池の本体を抑え込んでいます。

まぁ、カパカパしなければいいんでしょうけど、依頼者を相談をしたとこと、たまごっち用のケースに入れて遊ぶそうなので、大きなリスクを冒してまでも以後の作業はしないということで合意しました。

動作確認

片側のみのネジでもここまでは動作はしますので、遊ぶ際はケースに入れていただくとしてたまごっちの修理は完了です。


LOVE BANK

たぶん、昭和世代の方々はどこかで見かけたことがあるのではないでしょうかね?

コインを入れると男の子と女の子がキスとするという貯金箱です。

コインを入れてもうんともすんともです。

電池ボックスの正極に錆があがっておりますが致命的ではありません。

サンドペーパーで錆をおとしておきます。

女の子の首が取れていますね。

接着しておきます。ただ、首振りの機構部が軸のすぐ下にあるので、接着剤が付着しないように気を付けて接着します。

首振り機構に誤って接着剤が付着して固着すると、首振りできず届かなくなります。

まず、人形の台座を外します。軸にはEリングでとめてあるので、ぴょんとはねて紛失しないように慎重に外します。

この上部の回転機構を外せると、底面のネジ止めをはずすと分解できるようになります。

分解すると、すぐ何やら取れている導線と破損した支柱が転がってします。

電池ボックスの負極が、コインスイッチとつながっていて、かつ回転機構の電極にも繋がっていうたようです。

回転機構の半田付けが取れているので、恐らく、うんともすんともな原因はこの半田付けが取れてしまったのが原因でしょうね。

このブリキのギアボックスは、遅延スイッチの役目を担っておりました。

コインを挿入口に入れると、いったんコインを検知する電極にコインが触れて導通しモーターが回転しだします。回転しだすと、前述のギアボックス内の遅延スイッチの電極がギアボックスのGNDに触れて以後は回転を続けます。

少し時間を置きコインは、スライド機構で貯金箱の中に落下しますが、遅延スイッチがONの状態なので、回転は継続します。

1回転すると、再度遅延スイッチがOFFになるので、そこで止まります。

再度稼働させるには、コインスイッチをONにしないといけません。

マイコンなども使われていない、うまく考えられた機構です。

内部で転がっていた、破損した支柱はギアボックスを固定していた支柱でした。

経年であちこちのプラスチック筐体がボロボロになっています。

この破損してバラバラになった支柱は、エポキシ接着剤で破片ごとギアボックスと筐体と固定してしまいます。

さて、半田が取れた遅延スイッチに導線を接続してもモーターが回転しません。

分解しモーターに直に1.5Vを給電してもうんともすんともです。

モーターのグリス固着もありますね。

接点復活剤を少し吹き込むと回転しだしましたので分解しメンテナンスします。

コミテータは、黒変した筋を磨いてきれいにします。

ブラシは、摩耗もなくほぼ新品です。

劣化したグリスをパーツクリーナーで除去洗浄しモーター用の接点グリスを塗布しておきます。

これで、消費電流も低くなり静穏化もしました。

破損した支柱の固着を待ち修理完了です。

動作確認

問題ありませんね。

ちなみに、唇の裏に磁石が仕込んであり、唇同士が近づくとキスをするという仕組みです。

なので、鉄もくっつきます。アハハ^^;


たまごっちと貯金箱を修理していただきありがとうございました。

たまごっちは本当に懐かしくて昔遊んでいた時のことを思い出しました。

貯金箱は数年前にオークションで購入した時から動かなくて半ば諦めかけていました。

瀧下さんがこころよく修理をしていただきかわいい動きが見れて嬉しいです。

本当にありがとうございました。

~依頼者のご感想より~