先日、4.3インチのタッチパネルが割れたということで液晶モジュール丸ごとを交換した記事を掲載した。
記事は、こちらを参照ください。
ご依頼者様のたっての希望ということで、部品代が高額になりましたが、液晶モジュールを丸ごと交換をし無事修理ができた。
その後、今後同様な事態に備え、もっと安価に対応できないかと、いろいろ思案していました。
今回は、その策の1案とご紹介します。 4.3インチのタッチパネル付きの液晶が搭載された玩具のほとんどがパッド機能と称し発売されています。
- バンダイ アンパンマン すくすく知育パッド・・・修理実績あり
- バンダイ ドラえもん カメラでひらめきパッド・・・今回のスタッフブログ記事に含む
- アガツマ すみっコぐらし すみっコパッド・・・修理実績あり
- セガトイズ ディズニー マジカルスマートノート・・・修理実績あり
- タカラトミー ディズニー ワンダートイパッド2・・・修理実績あり
最新機種では、既に5インチのマイナーチェンジされていたりしますが、まぁ基本ハードは共通にして遊べるアプリをキャラクターにより差し替えて開発されているように感じます。
開発費を抑えるため、ハードの開発は別途下請けの業者にお願いし各社OEMを受け基本構成は同じにするでしょうから、自ずと使用されている液晶やタッチパネルも同じにならざるを得なくなります。
修理依頼としては旧式がそろそろ経年での故障を起こす時期にさしかかっているのか、スピーカーの音がしないとか、電源が入らなくなったとかで、また多い依頼としては、遊んでいるうちに誤ってタッチパネルを割ってしまったという事例も多く拝見します。
さて、本記事ではタッチパネルを誤って割ってしまっても、何とかコストを最小限に抑えて修理できる策を模索します。
そこで、市販の液晶が取り付けできるかどうかという情報と他の同様のジャンク品から生きている液晶モジュールのみを流用できるかどうかを調べ情報共有をしたいと思います。
その1.新品の4.3インチのタッチ機能付きの液晶パネル
まず、新品の4.3インチのタッチ機能付きの液晶パネルは、aitendoさんのこちらで市販されております。
既に前述の記事にて交換稼働の確認までできました。
ですが、通販の送料を含めても5000円近くします。
そうすると、フリマなどで中古の可動品よりも高額なってしまうなどのジレンマが生じます。
従いまして、依頼者様の強いご希望でもないと新品への交換は難しいと思われます。
アンパンマン すくすく知育パッドでの交換事例をこちらにて掲載しております。
aliexpress経由ですと、送料をいれても2000円程度ですが、そもそも未達のリスクもあるので、お勧めはできません。
その2.新品のタッチパネルのみを交換
液晶は問題なく映るが、タッチ機能だけ故障している場合、割れたタッチパネルのみを交換するという手段があります。
自分はまだ経験はありませんが、液晶画面の周囲に両面で張り付いているタッチパネルのみを綺麗に剥がせれば交換もできると思います。
また、フラットケーブルとの接続も半田と接着剤なので、この接合部分も綺麗に換装できれば最小のコストで交換できます。
aliexpress経由ですと、送料をいれても1000円程度ですが、こちらもそもそも未達のリスクもあるので、お勧めはできません。
現在、他の入手手段がないので、aliexpress経由にて4.3インチのタッチパネルのみを発注していますので、届きしだいタッチパネルのみの換装成否の続報をスタッフブログに載せます。
2022.11.14 続報 マジカルスマートノートにてタッチパネルのみを交換した修理事例を掲載しました。
その3.液晶とタッチパネルが生きているジャンク品から移殖する
今回のメイン記事となります。
前述の通り、液晶が映りタッチパネルも割れていないジャンク品がフリマなどで販売されております。
無事に流用できるかまでは開けてみなと分からない状況でしたが、今回、『バンダイ ドラえもん カメラでひらめきパッド』の電源が入らないというジャンク品を入手できました。
送料込みで1600円です。
中古部品にはなりますが、移殖できれば新品のパネルよりも廉価に修理できます。
入手したのは、以下の2点で、流用までの流れを記載します。
バンダイ ドラえもん カメラでひらめきパッド
液晶やタッチパネルに割れなどの損傷はなく、電源が入らないというジャンク品でした。
このカメラでひらめきパッドが修理できれば、そのまま使用しようと思ったのですが、残念ながら修理不可能でした。
本体を開封するとケーブル形状の同じ液晶モジュールがあります。
ケーブルの形状も同じで40ピン、タッチパネルの端子もピン番号の37~40ピンにアサインされております。
恐らくは、このままポン付けで移殖できそうです。
さて、カメラでひらめきパッドの故障原因を調査します。
電源が入らないということでしたが、この点のパッド品は、乾電池を挿入すると、すぐ制御ICが起動しスリーブしています。
そのため、ネット上で騒がれている『乾電池が直ぐ無くなる』という事態になります。
電源ボタンを押下するとウェイクアップ(起床)して動き始めます。
乾電池からの給電は、6.0Vから3.3Vに減圧され、COBパッケージ界面の配線端まで正常に給電されております。
また、6MHzのクリスタルも正常に発振されてりました。
ウェイクアップのトリガになり電源ボタンを押下すると、COBから配線されているトリガ配線が、プルアップの3.3VからGNDに落ち込みます。
Negativeエッジもしくは0Vレベルでのトリガにてウェイクアップする仕様になっておりますが、うんともすんともな状態でした。
給電の状況と外部発振回路からの信号およびウェイクアップトリガの信号が、いづれもCOB界面の端子で正常に印加されているので、COB内部の制御ICの不良と判断しました。 ※ネットで調べてみましたら、本機の電源が入らない故障がとても多く初期不良での交換をなされた購入者も多いようですね。
ということで、タッチパネルと液晶モジュール丸ごとを移殖用に使用します。
バンダイ アンパンマン すくすく知育パッド
こちらも同じフリマからタッチパネル割れということでした。
液晶は映るがタッチパネルのタッチに反応しないそうです。
既に事前勉強は済んでいるので、サクサクとタッチパネルと液晶を外してしまいます。
ドラえもん カメラでひらめきパッドは、液晶用のクッション材はカバー側に貼られているのですが、アンパンマン すくすく知育パッドは、液晶側に貼られているので、綺麗に剥がし糊も除去します。
フラットケーブルの形状も同じなので、進捗にはめ込みコネクタに固定します。
フラットケーブルとコネクタはロック式ではありますが、テープでも抜けないように固定をしておきます。
さて、どうでしょうか? 無事、動くでしょうか?
まったく問題なく動作しました。
これで、『ドラえもん カメラでひらめきパッド』と『アンパンマン すくすく知育パッド』のタッチパネルと液晶の互換性は問題なしとなります。
近々で『ディズニー マジカルスマートノート』のタッチパネル割れの修理を行うので、その互換性も判明したら情報共有したいと思います。
2022.11.14(月)追記 ディズニーマジカルスマートノートでの4.3インチタッチパネル付き液晶交換の記事を修理実績のこちらにアップしております。
また、別途修理記事は、アップしますが、ディズニーのワンダートイパッド2でも4.3インチタッチパネル付き液晶交換ができました。
ここまでをまとめると、以下の知育パッドに使用されているタッチパネル付き液晶はサイズ規格が共通なのでジャンク品などからの移植が可能と思われます。
- アンパンマン すくすく知育パッド
- ドラえもん カメラでひらめきパッド
- ディズニー マジカルスマートノート
- ディズニー ワンダートイパッド2
タッチパネルの割れや液晶の割れ、故障などでジャンク品からの移植を検討する際の検討材料にしてください。