おもちゃ修理の記事でCOBということばをよく拝見します。
ただ、COBというのは、ベアチップのパッケージ手法の一つであって、COBという電子部品があるわけではありません。
ずいぶん前ですが、外資系半導体会社のR&D部署に所属しておりましたので、この手の用語の使い方には、違和感を思えることが多いです。
マイコンもそうですが、LEDやモノシリックICなどもパッケージの手法としていろいろばパッケージ手法が用いられます。
特に玩具は、品質とコストのバランスから、このCOBでのパッケージが多く用いられております。
COBとは「Chip On Board(チップオンボード)」の略で、基板(ボード)の上に半導体(チップ)が直接のっており、基板電極端子とチップのアルミもしくかCuの電極を金もしくは銅やアルミ線でワイボンし、それらをモールド樹脂で覆う構造を意味します。
『回路は、COBやトランジスタ、抵抗などで構成されている』・・・COBの中身は何ですか?マイコンですか?オペアンプですか?
私がまだ新人の自分は、LSIもまだQFPパッケージも多く、MCMなどで多ピン狭ピッチに限界が到来しBGAでの構成に移行していきました。
ですが、BGAの場合、インターポーザの基板構成や設計も必要だったりとあります。
パッケージ技術は、奥深く、扱う信号の性質(デジアナ、電源GND、高速I/F)でクロストークやインピーダンスのマッチングを事前にシミュレーションしたりして電極の配列を基板のCAD設計側と相談しながら開発を進めるなどいろいろありました。
『制御ICが、COBパッケージなので故障解析できませんでした。』
というセリフですが、COBにする目的の一つにもある、リバースエンジニアリングし辛い目的にも合致していますね。
遊戯用の基板やマイコンの開発経験もありますが、パッケージ一つの開発にも解析対策でものすごい開発費が掛けられております。 参考法令
COBということば、安易にCOB不良などどいう言葉を使うと、その道のプロが効くと、パッケージ不良と勘違いしてしまいます。
モールド樹脂の劣化でワイヤーボンディングに不良が起きているように思ってしまうかもしれません。
ここは使い方を勉強して、基板上COB内のICが解析不可能などどするといいですね。
業界人なら、じゃあ、X線解析してボンディングワイヤーの状況確認してくださいなどどなります。