プラレールなんかで多用されている、130型のモーターについてです。
そう、こういったやつです。
いろんなおもちゃの各所で使われており、稼働不良の原因も様々ですね。
そのような故障の中にグリス劣化や焼損や焦げの導通不良も多いかと思います。
ドクターの皆さまにおかれましては、いろいろが修理の方策を模索されておられるかと思いますが、そのような中の手段の一つに破損したブラシを修理するという方針について当医院での経験をご紹介します。
インターネットでブラシ修理を検索とすると以下のような記事があろうかと思います。
- 接点復活剤を吹いてコキコキして復活するか診る。
- 規定よりも高い電圧をかけてみる。
- モーターを市販の同型モーターに交換する。
- 破損したブラシのみを手持ちのブラシと交換する。
- 破損したブラシをリン青銅板で自作し交換する。
などなどあります。
当医院もいろいろ修理を実施した経験で、基本はモーター自体を交換した方が予後がいいという結論に至りました。
もちろんですが、予算優先の制約もあろうかと思いますが、品質と信頼性を第一優先とした意見です。
というのも、まずは完全に焼損しブラシの先がなくなっていたり、摩耗が進みコミュテータとの接点部に穴が空いていたり、その影響でコミュテータにも削れ筋が2本できていたります。
この溝がとても厄介です。
細かいサンドペーパーで磨き筋をきれいに消せればなおよしですが、程度が酷い場合は、研磨で接点が剥がれてしまいます。
1.接点復活剤などを吹き付けてコキコキを繰り返してみる方法
その場しのぎですね。一時的には回復しますが、すぐ再発はするでしょう。
時間制約や緊急的な場合のみの手段となり、品質や信頼性を優先する場合は、選択肢にはなりません。
2.高い電圧をかけてみる
これは、恐らくですが故障の原因が、ブラシとコミュテータに塗布されたグリスが劣化し高抵抗な状態になっているか酸化膜が付いているところへ高電圧つまり高電流を流し一機に焦がし除去しようというものだろうと思います。
また、異物や劣化グリスの固着で回転抵抗があれば、そこに高い電圧でトルクを一気に上げて突入電流で初動させようというものかと思います。
初動さえできれば、回転で電極の接触も改善されるのだろうと思います。
ですが、例えば高抵抗の場合は、突入電流でブラシが焼損するリスクもあるので状況次第でしょうかね。
いづれにしても一時的処置で恒久対策ではありません。
3.同型の新品モーターに交換
元々付いていたモーターの仕様が不明のため、形がそっくりなモーターに交換せざるをえないかもしれません。
ただ、規定電圧や電流をオーバーした場合は、ブラシの焼損や異常加熱を招きます。
おもちゃの仕様を解析し交換しても大丈夫なモーターに交換しますが、次の問題にトルクが足りなかったります。
ラジコンやプラレールなどガシガシ動く動力部の場合は、だいたいトルク不足や速度不足がでます。
まぁ、目視でコイルの形状や導線の径、巻き数で一目瞭然で違いがあればそっくり交換は難しいでしょう。
4.破損したブラシのみを手持ちのブラシと交換する
コミュテータの溝の程度が軽度であれば、無事なブラシに交換できると思います。
ただ、交換用のブラシを別途用意できません。
ミニ四駆用などのカーボンブラシは、単体でマブチ製のモーターが買えてしまいます。
5.破損したブラシをリン青銅板で自作し交換する
インターネットで紹介されていたりしますね。0.1mmや0.2mmのリン青銅版で代替えのブラシを作成してもいいかもしれませんが、予後悪いことが多いです。
だいたい、コミュテータの深く削られた溝を残したまま、ブラシを作成してもこの溝が悪さします。回転中に段差に接触しモーターの回転が安定しません。
特に速度が不安定で振動で変化します。
固定部がグラグラだとこでも接触が不安定になるので、端子部は元々付いていた端子部を残し破損した先をカットして先だけ交換という手もあるかもしれません。
また、リン青銅版をV字で折りバネ性を上げておられるかと思いますが、流せる電流が制限されるため、前述の不安定な挙動の原因になっているようです。
もし、リン青銅版でブラシを作成し交換する場合は、かならず2本のブラシとも交換します。
というのも、片方のみ交換すると左右でコミュテータとの接触の差異が生じます。
自作ブラシで交換する場合は、2本とも交換です。また、コミュテータとの接点も突入電流を考慮しコミュテータとの接触部を大きく取れるようにする。
V字ですと、突入電流の1Aが一時的に流れたとしても接点面積が小さいため、焦げる可能性が出てきます。できるだけ、コミュテータに溝があれば研磨でフラット化しておくです。
U字に曲げて作成したブラシです。