国鉄 SL蒸気機関車

旧国鉄のロゴ

国鉄 SL蒸気機関車

ミステリー走行をするヨネザワ製 SL蒸気機関車の修理依頼です。全く動かなくなってしまったとのことです。主因は、電池からの液漏れが本体内部に広く広がり金属類をひどく浸食してしまっておりました。動かなくなってしまった原因は、判明しましたが、その他の機能にもいろいろ問題が発見されました。

  • 金属類の腐食で導通の取れていない箇所を研磨で復活させます。
  • 車内アナウンスの音声をレコードで再生できるのですが、針のアームが経年で曲がっておりかつ弱くなっています。
  • アナウンスレコード再生終了時に開始位置まで戻る戻りバネが腐食でかなり弱っています。
  • ミステリ走行用のモーター内のグリスが固着しているので清掃除去します。

全体的にかなり重症患者でほとんどのパーツが経年で劣化しています。できる限りの処理を施し機能だけでも復活を試みますが、修理箇所以外がいつ不具合をおこすかも分からないといったところです。

電池ボックスの端子腐食蓋側
電池ボックスの端子腐食電極側

乾電池からの液漏れがかなり広がっているので、腐食箇所は、ルーターで研磨します。

電源スイッチ内の腐食

電源スイッチ内にも浸食しているので、分解清掃研磨します。

次に社内アナウンスの再生機構の復活に着手します。

社内アナウンスレコード

先の緑の新幹線も同じ再生機構が内蔵されております。

過去には、ぬいぐるみの音声の再生を同じレコードで実現している修理のご依頼がありました。こちらです。

再生機構もかなりの重症で、モーターのグリス固着に加え、レコードの再生機構の微調整が必要でした。

アームのたわみ

レコードの再生は、本体上部にあるアナウンススイッチを押下することで再生が開始されます。

メカニズムとしては、アームに付けてある金属のワッシャーとそれにつながる青のリード線で、再生時か否かを判別します。このアームには、戻りバネが取り付けたあり、アナウンススイッチを押下で再生開始位置まで戻されます。アナウンススイッチが押下される前までは、終了地点で待機しています。

レコード終了点には、このワッシャーに触れる金属部があり、再生終了前は青のリード線と開始点の金属は触れており、その導通を利用して走行用モーター回路のON/OFFに使用されます。つまり、ミステリー走行中は、走行用回路がONになっていますが、一旦再生が開始されると、ミステリー走行の回路がOFF(遮断)されミステリー走行停止しアナウンスが再生されます。レコードの再生が終了すると再び回路がONになりミステリー走行が再開されるという仕組みになります。この金属部分にも腐食が広がっておりますので、研磨して復活させます。

因みに、前述画像の戻りバネは、腐食した元の戻りバネの代わりに市販の戻りバネに試しに換してみたのですが、戻りバネの強度は、レコードの再生機構(モーターの回転と針圧)で計算された強さになっており、他のバネ(戻りが強い)を使用するとレコードが溝に沿って進行することができず再生できません。活かし方なく戻の腐食バネに戻しました。

固着グリス除去

次にミステリー走行用のギアボックス内のモーターも古いグリスの固着しておりましたので、除去洗浄し新しいモーター用のグリスを付加しておきます。

最後にミステリー走行のテストを行いますが、改善されません。デフギアがスリップしているようです。

走行ギア内

正常な状態が、どうなのかが不明なのでなんともなのですが、画像中央のカシメされた軸が滑っているようです。真鍮のカシメ部分を再度打ち込むかしないといけないのですが、手持ちの工具では不可能です。そもそもこのカシメ部が滑っていることの真偽も分からないので、安易に打ち込んで後戻りできないのもいやなので、今回は接着で行こうと思います。

エポキシで接着

どうなるか半信半疑でしたが、ご依頼者様へは、その旨の了承を得て試行してみましたが、無事ミステリー走行が復活しました。

かなりの大手術で延命をしましたが、本体含め各所の状態もかなり悪いため、以前のような遊び方はできないです。大事に保管していただくようにお伝えし修理完了です。

P.S 後にギアボックスからのノイズが発生し、現在再入院中です。


昨日、退院してきた6個のおもちゃたちと無事に再会を果たすことができました。

新幹線、蒸気機関車、飛行機は、静態保存から復活を遂げた様に見違えり、 鳥の置物は、まるで魔法がかかった様にこれまで以上に 軽やかにさえずってくれるようになりました。

黒いSLと緑の新幹線、鳥の置物は特に思い出が強く大手術だった様で、 確かな技術で治療を行ってくださった滝下名医には感謝の気持ちでいっぱいです。

入院が長期に渡ってしまい、他の患者様をお待たせする形になってしまいすみません 。

また、初診時に当方が全盲視覚障がい者である旨をお話したところ、 カルテや部品代などの詳細を、本来は紙面で提示するところ、 読みやすいようにとテキストデータとしてメールに添付してお知らせしてくださった 先生のご配慮に大変感銘を受けました。

お忙しい中、終始とても丁寧に治療経過なども共有してくださり、 本当に本当にありがとうございました。

滝下名医に再び命を吹き込んでいただいたおもちゃたちを、 これからも大切にして遊んでいこうと思います。 コロナなどで大変な時期ですが、どうかこれからもお身体をご慈愛くださり、 ご活躍されることをお祈りいたします。

~ご依頼者様のご感想より~

人感センサー 鳥の置物 修理

鳥の置物

人感センサー 鳥の置物 修理

タカラ製の鳥の置物なのですが、商品名が分からないので、鳥の置物ということにします。この商品は、人感センサーが付いており付近に近づくとさえずり音をスピーカーから流し、鳥本体も上下と首振りをします。

ご依頼者様から、電源を入れるとずーっと鳴き続ける時もあれば、鳴かない時もあって、スピーカーのボリュームをいじると鳴きだしたりと動作不安定だったそうです。

当医院に到着してから状況を確認したら、やはり電源を入れるとと鳴きっぱなしの状態でした。ボリュームをいじるも変化はありません。

次に、本体を分解しさらに解析を続けます。ですが、基板を本体から取り外した時点でなんと!人感センサーの動作が正常にになってしまいました。特段何か処置した訳でもないのですが、それ以降以前のような、鳴きっぱなしもしくは、鳴かないという症状にならなかったので、人感センサーについての不具合解析は終了することとしました。※基板間の導線の半田面が、他のリード線と接触していて、例えば人感センサーの反応側の信号が入りっぱなしになっていたのかもいうぐらいしか思いつきません。

人感センサーの不具合に区切りがついたので、次は鳥本体の方をみます。先の人感センサーの不具合があった際は、鳥の動作も一切していなかったのですが、人感センサーが復活した途端、モーターの駆動が戻りました。ですが、鳥自体の動作が以前していません。調べてみると、内蔵のピニオンギアが経年によって劣化し割れております。

ピニオンギア割れ
ピニオンギア割れ

飴色に変色し摘まむだけで粉々になってしまっています。また、このピニオンギアは、モーター側についているウォームギアから直接駆動を受ける機構になっており、溝の規格もサイズも専用でどう修理すべきか悩みます。

代替えギヤセット

そもそも使用されているモーターのシャフト径が、0.5mmと一般に入手しやすいギアが使えないという難題があります。できるかどうかわかりませんでしたが、ご依頼者様に許可を得てΦ=1.9mmの手持ちギアセットで何とか組み上げました。一番の難題は、モーターのシャフト径が、Φ=0.5mmのところ、Φ=1.9mmのウォームギアを接着剤で固定したところです。しかも、このシャフトの長さも2mm足らずで、接着できたとしても、その強度がどのくらいあるのかという点とまた、シャフト径に差があるので、ウォームギアの中心にうまく接着できるかという難題を可決する必要がありました。

恐らく、このレベルの難題は通常は、同じギアが無い限りは不可能なのでしょう。因みに、3Dプリンターでの製作は、ギアのモジュールが、小さすぎてコピーも製作も不可能ですね。外形サイズで出力して手作業で溝を切るようなことでもしないとまず無理でしょう。ということで、何とか無事人感センサーと鳥の動きまで修復できました。


昨日、退院してきた6個のおもちゃたちと無事に再会を果たすことができました。

新幹線、蒸気機関車、飛行機は、静態保存から復活を遂げた様に見違えり、 鳥の置物は、まるで魔法がかかった様にこれまで以上に 軽やかにさえずってくれるようになりました。

黒いSLと緑の新幹線、鳥の置物は特に思い出が強く大手術だった様で、 確かな技術で治療を行ってくださった滝下名医には感謝の気持ちでいっぱいです。 入院が長期に渡ってしまい、他の患者様をお待たせする形になってしまいすみません 。

また、初診時に当方が全盲視覚障がい者である旨をお話したところ、 カルテや部品代などの詳細を、本来は紙面で提示するところ、 読みやすいようにとテキストデータとしてメールに添付してお知らせしてくださった 先生のご配慮に大変感銘を受けました。

お忙しい中、終始とても丁寧に治療経過なども共有してくださり、 本当に本当にありがとうございました。

滝下名医に再び命を吹き込んでいただいたおもちゃたちを、 これからも大切にして遊んでいこうと思います。

コロナなどで大変な時期ですが、どうかこれからもお身体をご慈愛くださり、 ご活躍されることをお祈りいたします。

~ご依頼者様のご感想より~

新幹線 200系 修理

200系

新幹線 200系 修理

アルプス商事 新幹線の修理依頼です。当初は、右側の200系の修理依頼を受けました。

状況

お子様が修理にチャレンジされたらしく分解後修理も修復もできなくなったとのことで修理をお受けしました。

配線の断線、電池ボックスの液漏れ腐食研磨、分解された本体の組み立て等を行います。また、この新幹線には、社内アナウンスを再生するレコード機構が内蔵されておりましたので、メンテナンスも行いました。

いろいろ断線
アナウンスレコード
モータのメンテナンス
電池ボックスの腐食

一応の組み立てとメンテナンスで走行までできるようにしましたが、ここで新幹線の前輪が無くなっていることが気づきました。これが原因で前進ができません。

前輪が無い

策を練ります。そもそもないタイヤなので作るか流用できる部品を探すしかありません。当初ネットにあったラジコン用の見た目大丈夫そうだった、スポンジタイヤを調達したのですが、やはりスポンジタイヤはサイズ的にも素材的にも不適合でした。ホームセンターを物色したところ、ちょうどよい部品を発見しました。

キャスター用のタイヤ

キャスターは、金具にリベットで固定されているので、グラインダーで片側を削り取りタイヤ部分のみを外します。

プラ棒でスペーサ

新幹線のシャフト径は、2mmでキャスター用タイヤの軸は、4mmです。サイズが異なるので、プラ棒でスペースを作りはめ込みます。

ぴったり

ぴったりです。まったくの違和感なく修理できました。v^^

ここで200系の新幹線の修理完了となりますが、実はこの前輪の部品探しの際にご依頼者様から是非部品取りとして200系 H編成を使用してくださいと、左側のH編成の車両を送っていただきました。ですが、流用部品が見つかり部品取りとしても役目は不要になったので、折角なので部品取りの車両も修理をしてしまいます。

H編成

フォルムもスマートになった200系 H編成ですね。こちらの故障は、前進をしなくなったとのことで、状態も程度やよく車両本体自体には、ぱっと見不具合は見当たりませんでした。

電極断線

原因は、モーターの電極が折れてしまっておりました。130型のモーターですので、ブラシを交換します。モーター自体の交換は、走行速度が変化してしまう恐れがあるので、他のモーターへの交換は行わず、新品のモーターから折れたブラシのみ部品を取り交換をします。


昨日、退院してきた6個のおもちゃたちと無事に再会を果たすことができました。

新幹線、蒸気機関車、飛行機は、静態保存から復活を遂げた様に見違えり、 鳥の置物は、まるで魔法がかかった様にこれまで以上に 軽やかにさえずってくれるようになりました。 黒いSLと緑の新幹線、鳥の置物は特に思い出が強く大手術だった様で、 確かな技術で治療を行ってくださった滝下名医には感謝の気持ちでいっぱいです。

入院が長期に渡ってしまい、他の患者様をお待たせする形になってしまいすみません 。

また、初診時に当方が全盲視覚障がい者である旨をお話したところ、 カルテや部品代などの詳細を、本来は紙面で提示するところ、 読みやすいようにとテキストデータとしてメールに添付してお知らせしてくださった 先生のご配慮に大変感銘を受けました。 お忙しい中、終始とても丁寧に治療経過なども共有してくださり、 本当に本当にありがとうございました。

滝下名医に再び命を吹き込んでいただいたおもちゃたちを、 これからも大切にして遊んでいこうと思います。

コロナなどで大変な時期ですが、どうかこれからもお身体をご慈愛くださり、 ご活躍されることをお祈りいたします。

~ご依頼者様のご感想より~

電動 くるっぴー ジャンボ JAL モーター修理

くるっぴー

電動 くるっぴー ジャンボ JALモーター修理

久しぶりの投稿となります。といってもサボっていたといわけではなく、大口の修理依頼を約ひと月に渡り集中作業をしておりました。全6件の修理依頼をひとつづつご紹介していきます。まずは、丸彰製 くるっぴージャンボ JALの飛行機からです。

このおもちゃは、前進と垂直方向にタイヤが底に一つ付いていています。常時横方向に回転しており前進方向に向かって右の方向に回転しています。そのタイヤが若干底面から浮いており、通常の走行では空回りをしています。テーブルなどで走行して遊ぶ際、テーブルの角まできて落下しそうになると前輪がテーブル角からはみ出ると同時に先の浮いていた横方向のタイヤが接地して右にくるっと回るってすんぽうです。

久しぶりに遊ぼうということで動かしてみたら動かないというのことです。

液漏れのよる電池ボックスの接触不良か、モーター内のグリスの固着によってブラシとコミテータ間に導通が取れなくなる事象が多いです。

※以前、他のドクターさんと会話した際、規定以上の高い電圧を一時的に掛けると復活するということおっしゃっておられました。リード線も外さずかけるには、回路故障の原因にもなり兼ねないので、当医院では分解し調査します。

内部
ピニオンギアの割れ

早速ですが、ピニオンギアの割れを発見!ですが、主因ではありません。モーターが回っている場合は、スリップをしますが、今回は、そのモーターすら回っていないです。

内部

目視では、うんともすんともな原因は分かりません。次に肝心のモーターを確認します。

グリス

グリスの固化でブラシへの導通が取れていないためでした。綺麗に除去お掃除をして、コミテーターの黒ずんだ溝もきれいに表面研磨しておきます。最後にモーター用のグリスを付加し復活しました。

モリブデングリス

昨日、退院してきた6個のおもちゃたちと無事に再会を果たすことができました。 新幹線、蒸気機関車、飛行機は、静態保存から復活を遂げた様に見違えり、 鳥の置物は、まるで魔法がかかった様にこれまで以上に 軽やかにさえずってくれるようになりました。 黒いSLと緑の新幹線、鳥の置物は特に思い出が強く大手術だった様で、 確かな技術で治療を行ってくださった滝下名医には感謝の気持ちでいっぱいです。 入院が長期に渡ってしまい、他の患者様をお待たせする形になってしまいすみません 。 また、初診時に当方が全盲視覚障がい者である旨をお話したところ、 カルテや部品代などの詳細を、本来は紙面で提示するところ、 読みやすいようにとテキストデータとしてメールに添付してお知らせしてくださった 先生のご配慮に大変感銘を受けました。 お忙しい中、終始とても丁寧に治療経過なども共有してくださり、 本当に本当にありがとうございました。 滝下名医に再び命を吹き込んでいただいたおもちゃたちを、 これからも大切にして遊んでいこうと思います。 コロナなどで大変な時期ですが、どうかこれからもお身体をご慈愛くださり、 ご活躍されることをお祈りいたします。

~ご依頼者様のご感想より~

MASUDAYA PISTON GREEN MOUNTAIN EXPRESS 電極腐食修理

MASUDAYA PISTON GREEN MOUNTAIN EXPRESS 電極腐食修理

次は、激レア感満載の緑のブリキの機関車です。ネットで検索すると、『マスダヤ ブリキ PISTON GREEN MOUNTAIN EXPRESS』とあります。日本製です。おもちゃドクターしてますが、メーカーの増田屋さんを存じ上げていませんでした。

増田屋コーポレーションのホームページは、こちら。https://www.masudaya.com/

なんか、後ろのピストンがかっちょいい。

本おもちゃを修理するまで、ミステリー走行なる動作を正直しりませんでした。調べてみると、何かに衝突すると方向を変えてまた前進を繰り返すそうな。。。

また、前置きが長くなってしまいましたが、故障の症状は、動かなくなってしまったとのことです。では、診察開始しますが、直ぐに現認は判明しました。

腐食

主因は、電池ボックス内の電極の腐食により導通が取れなくなっていました。ルータにて研磨をしましたところ、一つの端子が、腐食で弱くなっておりぽっきり折れてしまいました。

腐食折れ

半田づけで折れた箇所を補強しました。

配線

内部配線におきましても腐食の影響で弱くなっている箇所を修理しておきました。

車掌さん

最後に、機関車には車掌が乗っているのですが、走行中左右に揺れながら稼働するようでしたが、内部のフックが外れており揺れずにいたので戻しておきました。これで無事修理完了です。

昨日、退院してきた6個のおもちゃたちと無事に再会を果たすことができました。

新幹線、蒸気機関車、飛行機は、静態保存から復活を遂げた様に見違えり、 鳥の置物は、まるで魔法がかかった様にこれまで以上に 軽やかにさえずってくれるようになりました。

黒いSLと緑の新幹線、鳥の置物は特に思い出が強く大手術だった様で、 確かな技術で治療を行ってくださった滝下名医には感謝の気持ちでいっぱいです。

入院が長期に渡ってしまい、他の患者様をお待たせする形になってしまいすみません 。 また、初診時に当方が全盲視覚障がい者である旨をお話したところ、 カルテや部品代などの詳細を、本来は紙面で提示するところ、 読みやすいようにとテキストデータとしてメールに添付してお知らせしてくださった 先生のご配慮に大変感銘を受けました。

お忙しい中、終始とても丁寧に治療経過なども共有してくださり、 本当に本当にありがとうございました。

滝下名医に再び命を吹き込んでいただいたおもちゃたちを、 これからも大切にして遊んでいこうと思います。

コロナなどで大変な時期ですが、どうかこれからもお身体をご慈愛くださり、 ご活躍されることをお祈りいたします。

~ご依頼者様のご感想より~