ファービー2 スイッチ破損補修
ファービー2というタカラトミー製の会話をするぬいぐるみの修理のご依頼です。分解や故障修理に関しての情報共有となります。
まず、このファービー2というぬいぐるみの修理経験がないため、事前に分解や仕組みを勉強しておきます。ユメル同様に仕草や会話旨のセンサーが体内ぬ埋め込まれており、さわったり、横にしたり、会話で話かけることで反応してくれるというものです。
さて、故障の症状は、会話の音声が出てこないということで、その他の動きについては問題なしだそうです。スピーカー故障と高を括っておりましたら、思わぬトラップが多く、とても大変でしたので、おもちゃドクターの先生様向けにも是非情報を共有させていただきます。
まず電源を入れますが、目と口が動きますが、音がやはり出ていません。早速ですが、分解をと思いますが、ぬいぐるみの皮を剥ぐ作業が必要ですが、とにかく大変でした。
以下Twitterの記事がとても参考になります。
https://twitter.com/pityfontana/status/1320332241235423233
まず、両足先を取り外しますが、最初の難関です。この足非常に脆いです。指でを強めにつまむだけで割れます。▲の特殊ネジのサイズは、2mmです。無い人は、こちらで購入ください。
ここで強く回してはいけません。そうすると、バキバキと割れます。実は、ファービー2が届いた時点で既に内部で破損しており▲ドライバーで回してもくるくる空回りしておりました。指で裏を探ると何やら回っているではないですか。。。あーあー割れているとすぐ分かります。割れるとこうなってしまいます。
瞬間接着剤で仮固定をしてエポキシでかっちかちに固めます。
注意点としては、エポキシを盛る側は、本体側に盛るしかありません。足先側は、足先がすっぽりはまるので、エポキシを盛ってしまうとその足先がハマらなくなります。
さて、次にぬぐるみの皮はぎに移ります。
縫い合わせに沿って開封しますが、構造上お尻から背中にかけての縫い合わせの糸を切って開きます。そうすると、底面に固定用アクリルの底面の枠がストッパー6箇所で止まっています。!!!このストッパー、とても厄介です。!!!
twitterの情報によると、強めに引っ張るととありますが、そのまま強く引っ張ると筐体が割れるかストッパーが破損します。自分は、ストッパーが破損してしまいました。
画像のとおりストッパーは、溝に押し込むと内部で開き用意に引き抜けないようになっています。自分の場合は、ツメの片方が避けてしまいました。
上部にストッパーを外す方法としては、硬く細長いマイナスドライバーで内部で開いているだろうツメ側に差し込み引っ張るしかありません。それでも易しくはありません。
皆さんのご成功をお祈り申し上げます。
6箇所のストッパーの内、4箇所については、この方法で抜くしかありませんが、奥の2箇所は、手前にスライドさせると、筐体のつなぎ目である割れ目でうまく外すことができます。自分はそうしました。
ストッパー6箇所が、何とか外れたところでスピーカーの位置を探ります。スピーカーの位置は、お腹の位置の奥にありますが、ここで衝撃的な光景を目にします。お腹にあったはずのスイッチがボロボロです。というか、最初は何か分かりませんでした。
さらにスピーカーと取り外すために本体も外します。
上部の目と口もアクリルの枠が取り付けてあります。目の間にネジがあり固定されています。穴の隙間からプラスドライバーを差し込んで外します。次に裏面を外す際に、次なるトラップがあります。
裏面の首回りのネジですが、非常に硬いです。そんで、力ずくで回すとここも割れます。
( ̄▽ ̄;はい、自分も割ってしまいました。というか、外すには割るしかありません。
首回りのネジ穴ですが、エポキシで盛って固着させるにはさせるんですが、ネジ穴なので、強度が必要です。あなをあけてワイヤを通して固定することも考えましたが、ネジ穴側にそのスペースがありません。さて、どうやって固定しようかと思案しましたが、ここは逆にエポキシが固化する手前でネジ止めしてしまってそのまま諸共固着することにしました。なので、最後の組み上げ時に対処します。
この時の注意点としては、耳を稼働させる糸は挟めないようにしてください。接着剤に付いてしまうと耳が動かなくなってしまいます。
無事本体が外せたところでスピーカーを調べます。
お腹のスイッチの作業に戻ります。
twitterの記事のとおり、緑のプラスチックも非常に脆いです。この破損の状況は、恐らくお腹のスイッチを押しても反応が無いか鈍いかで強めにスイッチを押してしまったのだろうと思います。そのために、スイッチの抑えであるすだれ状の棒が全て折れてしまったようです。
( ̄▽ ̄; どうしようかと悩みつつスピーカーを調べて気を紛らわします。
ファービー君は、お腹を触ってあげると、もっと触って!という、かなりのMっけたっぷりで、その時にお腹を前に膨らませます。その動きは、この土台を内部のモーターで前後させます。そのシャフトがハマるツメも折れています。おおお!
故障したスピーカーを調べましたが、ボイスコイルの断線が原因でした。指で少し押し込んであげると、一瞬ですが導通し音が出ます。が、手持ちの交換スピーカーは、右側のしかありません。スピーカーチェッカーレベルで音量を比べると、やはり音量が小さくなってしまいます。インピーダンスでは、1/4で、出力で2倍ですが、後述のお腹スイッチの補修のため、スペース的に、薄型のスピーカーしか搭載できませんので、ご了承をいただきました。理由は、後述。
ここで少し整理します。
お腹のスイッチを押すという動きを反復することでスイッチの土台が破損し、その反復の影響がスピーカーにも及びます。スピーカーのコーンを押し込むことで、ボイスコイルを金属疲労させ断線させ、裏面の抑えの折れという流れかと思われます。
さて、懸案のお腹のスイッチをどうしましょう。。。ここまでに丸一日かかりました。
お腹のスイッチを他のプッシュスイッチで代替えしてもいいのですが、そうすると押した際にカチカチと音がします。音のしない、検知スイッチなどを使うと逆にぬいぐるみの皮に触れただけでも反応してしまい、四六時中ファービー君は、もっと触ってーと笑ってしまいます。
※作業中にバキバキと筐体を割ってしまった際には、精神的にかなり心労したので、お風呂に入って策を練ります。♨
でもやはり、何とかしてスイッチを再建することにしました。できれば、元通りがいいですよね。策は、銅板で土台を作り緑の枠に接着固定します。スイッチの接触端子は、銅板の上に固定します。
何とかはまりそうです。端子のバネは、M2のネジで固定しました。そのため、ナット側がスピーカー側に出っ張ってしまいます。そうです、ここで先の交換スピーカーの厚さが影響します。厚さのあるスピーカーに交換すると、このナットにコーンが干渉し音に影響します。
スピーカーを組み付けて動作確認します。
ぬいぐるみの皮を元に戻して確認すると、スイッチの反応の良好です。スピーカーの音量も使用には影響は少なそうです。
最後に足も元に戻して最終確認し修理完了です。
今回のファービー2は、かなりの難治でありました。分解開封がたいへんでした。脆くなった筐体が次々と割れてしまいます。お腹のスイッチも再建には方策から検討する必要もありました。ですが、動作確認をすると、この愛らしいしぐさや会話が、人気の秘密なのだと分かりました。※寝ると、いびきもかきます。^^