たまごっち 8案件 いろいろ修理

いろいろ 8案件

たまごっち 8案件 いろいろ修理

潰れた電池蓋のネジ外しを含め、いろいろな不具合のたまごっちの修理依頼がございました。では、案件ごとにご紹介します。

1.デビルっちのたまごっち 黒

デビルっちのたまごっち 表
デビルっちのたまごっち 裏

電池交換がご自身でできないということでした。そのため、動作確認もできていないというlことです。

ネジの潰れ具合は、ほぼないようなので適切なサイズのドライバーでサクッと開封します。

無事電池交換できたのですが、押しボタンが効いていません。分解しボタンの接点をメンテナンスします。

開封
外部電源

外部電源でも無事起動しました。では、ボタンの接点を確認します。

接点の異物粘着

目視でも金パットのパターンに何やら黒い異物が粘着していますね。

シリコンボタン側とパット側をアルコールで拭き綺麗にします。

異物の粘着が結構酷くアルコールで拭き接点復活剤でこすり再度アルコールで拭きあげます。

すると、無事ボタンの反応感度が復活しました。

目視確認すると、どうもシリコンボタン側の導電塗料のようです。

恐らくですが、長期保管した際に押しボタンが押されたまま保管されていたようです。

導電塗料なので、夏季の高温時などで塗料が粘着してしまったのかもしれません。

無事稼働できるところまで復活できました。

デビルっちのたまごっち 黒

余談ですが、このデビルっちのたまごっちの黒は、とてもレアなたまごっちらしく、中古市場では高額で取り引きされているようです。

新品未開封ですと、数万円から数十万円らしいです、、、、。

今回もデビルっちのたまごっちの黒と白とピンクの全てがあったりします。。。

因みに、真ん中のBボタンで時計画面にスライドする場合、もっさり感があるのでは、どうも仕様のようです。クリスタルの不具合かも思い、時計を設定し、しばらく稼働させてみると、遅延することもなく無事でした。

2.ピンクのたまごっち

ピンクのたまごっち

ピンク色!?のたまごっちです。名称は不明です。

こちらも電池蓋のネジが潰れた開封できないということです。

ネジ

まぁ、やや潰れていますが、このぐらいでご依頼くださった方が、大正解です!

というのも、ネジが強固にねじ込んである場合、ネジの溝が残っていても回すことができないため、ネジの溝が直ぐ削れてしまいます。

当医院も多く経験しております。ネジが無事そうに見えても実は、本体側に強固に固着してビクともしないです。開封のコツをしらないと直ぐ潰してしまいます。

さて、このネジも無事開封できました。

開封
液漏れ

ですが、やはりというか、当たり前というか、ボタン電池から液漏れしていますね。

負極電極側にも液漏れの粉が付着しております。

液漏れ粉

幸いに酷くメッキ部を腐食することもなったので、粉を除去し表面を綺麗にするだけで無事処置できました。

その他の不具合はなく、ネジの開封と液漏れ修理で復活できました。

ピンクのたまごっち

3.デビルっちのたまごっち 白

でびるっちのたまごっち 白

来ました!

デビルっちのたまごっちの白です。

こちらも電池蓋のネジが潰れて外せないということです。

潰れたネジ

ですが、もう片方のネジは、ご自身で外したらしく、その結果が、、、。

折れたネジ頭

これは、恐らくネジを鍋ネジの頭部分がもげてしまっているようです。

これは、潰れたネジを外すよりかなり厄介が案件です。

では、潰れたネジの開封をします。

ネジ外し

潰れたネジは、サクッと外せたのですが、やはり逆側のネジは折れて残骸のみ残っています。

ご自身で開封すると、こういう事態が多く、こうなってしまった場合は、ほぼもうどうしようもなくなります。

ネジの残骸

拡大鏡なのでよく見えていますが、もうペンチでもニッパーでも摘まむことのできないです。

過去にも一度除去に挑戦したことがあるのですが、本体裏側からネジ受けをルーターで削り除去に挑戦します。

依頼者様には、失敗した場合、穴だけが開いたままになる旨と、その場合電池蓋は、逆側のネジのみで留めていただき、動作不良なども不明になる点ご了承をいただきました。

では作業開始します。

出てきた

ネジ受け部を周囲からルーターで削り埋まっているネジをむき出しにします。

除去成功

ネジの残骸をむき出しにできても、摘まめる部分が極小なので、精密作業用のニッパーで摘まみ地道にコツコツ回して外します。

この作業でネジの穴はグラグラになり、もう締め付けることはできなくなっています。

ネジ受け再建

新品のネジを蓋を付けてねじ込んでみると、先が少し出ている程度です。

もうグラグラなのですが、少しでもネジ止めできるだけの溝は再建したいので、ネジ先にシリコンスプレーを拭いて、プラリペア材で盛っておきます。

プラリペア材

不慣れの場合、リペア材が、圧電素子に付着してしまうので、慎重に作業ください。

この再建で、ネジが留まるだけの溝は再建できましたが、あくまでもネジで蓋を留めるだけとなります。強く締めてしまうと、容易にネジ受けの溝を削ってしまいます。

無事稼働

無事稼働しました。

4.てんしっちのたまごっち

てんしっちのたまごっち

こちらのたまごっちも電池蓋のネジが潰れてしまったとのことです。

潰れたネジ

おおお!潰れていますね。

もう、慣れっこなので、この位の潰れではそうそう驚きません。ですが、開封はやはりスゲー大変でした。

目視では、動いているのか!?も分からず、治具から伝わる手の感触のみでネジが動き始めているのか?動いているのか?を確認しつつ作業を進めます。

出てきた!

格闘すること、30分。

出てきました。ここまで出てくれば、もう開封できるでしょう。

ここで油断してぽきっと折ってしまうこともあるので、気を抜かずに作業します。

開封

ネジは開封できましたが、ボタン電池の液漏れで負極電極が腐食で折れてしまっていますね。

電極折れ

これは、交換が必要ですね。

電極交換

液漏れの粉を掃除し無事な電極に交換します。

交換電極

その他の電極にも液漏れによる黒色に変色して箇所があるので、研摩して綺麗にしておきます。

研摩

潰れたネジの開封と腐食電極の交換など、やや重症なてんしっちのたまごっちでしたが、稼働できるところまで復活できました。

起動画面
起動確認

このてんしっちのたまごっちですが、電池挿入後にリセットの押下が必須で、起動できてもいきなり、おばQ画面でお墓があるので、以前は、『ん?これで起動できているの?』と不思議に思っていました。以前、持ち主様にお聞きしたところ、この状態で正しいとのことでした。

起動していきなり、おばQとお墓からスタートするんですからね。

5.デビルっちのたまごっち ピンク

デビルっちのたまごっち ピンク

またまた来ました。

デビルっちのたまごっちのピンクです。

個人的には、デビルっちのたまごっちの色では、このピンクが好みです。

不具合としては、電池を交換しても作業しないということです。

裏面

あらら、、、強引にネジ開封をされたのか、ネジ穴が何やら大きく歪になっていますね。

蓋のツメ

このツメが折れていること多いです。

ネジを開封する際にネジが開かないから蓋を抉ると、このツメが折れます。この折れたツメは、もう補修できません。

ネジ穴

ネジの穴も拡張されていますね。

この点の補修は難しいため現状でお使いいただくことになります。

初代たまごっちの蓋のみを刻印含め3Dプリンターで作成し綺麗に塗装できれば交換もできるんじゃないかな?とふと思ったのですが、かなり高額になりそう。。。

さて、話しをたまごっちに戻します。

電池交換できてもボタンの反応がありません。

このたまごっちも長期間ボタンが押されたまま保管されていたらしく、金パットに導電塗料が粘着しておりました。

異物粘着

この粘着した異物は、頑固に粘着しておりアルコールで拭きとりを繰り返しました。

拭きとり拡大鏡で確認し拭きとり確認と繰り返します。

無事接触も回復しました。

幸い、その他の不具合もなく復活できました。

起動確認

6.スケルトン オレンジのたまごっち

スケルトン オレンジのたまごっち

こちらも名称不明なので、スケルトン オレンジのたまごっちと呼ぶことにします。

表面のシリコンボタンを強く押さないと反応しないという依頼でした。

動作確認をすると、強く押すどころか、自分では押しても反応すらしませんでした。

では、分解しボタンの接点を確認します。

蓋が閉まらん

とここで気付くのですが、なんと!電池蓋が閉まりません。

強引に閉めると今度は開けれません。

蓋の縁を研摩し閉まりを改善することにします。

ですが、スケルトンの筐体なので、紙やすりなどで削ると不透明になるので、削ったあとに鏡面仕上げをします。

では、ボタンの状態を確認します。

金パット

まぁ、目視上は致命的なものは無さそうです。

ボタン側

ボタン側もこれという致命的なことは無さそうです。

同じくアルコールで拭きとり改善をみます。

アルコールで拭きで反応が復活し拭きとりを繰り返すことで改善しました。

ですが、ある程度の拭きとりからは、もう感度が上がらなくなりました。

起動確認

ボタンの全くの無反応からすると、かなりの改善ではありますが、さらに反応感度を上げるべくボタンの接点を軽く研摩してもみたのですが、もうどうやっても今以上の感度を上げることはできませんでした。

残された手段は、導電部にアルミ箔などで覆うことしかないのですが、この手段は後戻りできない最終手段となりますので、今回は見送ることにしました。

さて、蓋の縁を研摩します。

研摩

鏡面仕上げをして透明感も戻しておきます。

ピタッと

ピタッと収まるようになりました。

7.デビルっちのたまごっち 白

デビルっちのたまごっち

今回2個目のデビルっちのたまごっちです。

こちらは、やや筐体の白が黄ばんでおります。

無事起動はできましたがボタンに反応しません。また、液晶のプラスチック製のレンズが何か溶けているようです。

分解し確認しよと思ったのですが、ここで作業にミスってしました。

ネジ折れ

デビルっちのたまごっちですが、過去にもネジを開封する際に、ぽきっと折れてしまうことがありました。

慎重に開封しても、鍋ネジの頭が折れてしまうことがあるのですが、これって締める際に強く締め過ぎていて、既にこの時点で金属疲労が起きて、どちらにしても折れてしまうケースのように感じます。

デビルっちのたまごっちをお持ちの皆様、固定用のネジは、どのネジも折れやすいので、重々ご注意ください。

さて、折れたネジですが、溝の残骸の除去も不可能なので、このままご使用いただきます。

幸い、折れたネジは、基板固定用のネジなのですが、筐体同士を固定するネジがその直ぐ上にあるので、固定の強度的には差ほど支障はないように思います。

さて、レンズを確認します。

レンズ溶け

周辺の隙間から何かが侵入したようです。恐らくジュースか、もしくはお掃除のためアルコールを使ったのでしょうかね。

たまごっちの液晶のレンズ部は、アルコールに溶けてしまうので、汚れを拭きとる際は、水がいいです。濁る程度であれば、研磨剤で研摩もできますが、溶けてしまった場合は、研摩というレベルでは難しいです。

そこで、交換をしてしまいます。

左:交換レンズ、右:溶けたレンズ

次にボタンの感度低下原因は確認します。

おおお!

これは、はっきりと出ていますね。

もうパターンにこびり付いていますね。

今回の修理案件で勉強になったのですが、シリコンボタンの導電塗料は、長らく基板に接触したままになると、このように塗料が溶けて粘着することが判明しました。

アルコールで拭きとり、溶けたレンズも交換して修理完了です。

起動確認

8.緑のたまごっち

緑のたまごっち

綺麗な緑色のたまごっちですね。依然、名前不明。。。

さて、電池の交換ができないとのことですが、ネジも潰れておらず、挿入されていたボタン電池の容量も十分でしたが、何故か起動しません。リセットしても動きません。

どこか電源経路のどこかで接触不良が起きているのかもしれません。

早速ですが、分解したところ、突如動き出しました。

ん!

何もしていないのですが、起動し始めました。目視確認したのですが、これといった原因も不明なので、ボタン類の接点をアルコールで拭きあげメンテナンスのみとさせていただきました。

起動確認

さて、緑のたまごっちの動画で確認すると、液晶が反転している箇所の上下で影が出ていますね。

他のたまごっちでも見たことのある現象ですが、確たる原因はまだわかっておりません。

液晶の電極の接触不良の線を疑い接点の掃除や、導電ゴム部の押し圧を上げたりもしたことがあるのですが、いづれも改善しませんでした。液晶自体の劣化による現象と思い込んでいるのですが、どうなんでしょうかね?※ご存知もしくは、修理をされたことがある方が居られれば教えて欲しいです。


8個のたまごっちの修理のご依頼でしたが、いづれも稼働できるところまで修理できました。

長期保管する場合は、必ずボタン電池を抜き、また押しボタンも押されたままにならないようにしましょう。