たまごっちプラスカラーの修理依頼がありました。
設定した時計が進まないので、たまごも孵らないとのこと。そこで、主様自身で本体もあけたところ導線が取れてしまい、もうどうしようもなくなったところで依頼となりました。
この種のたまごっちですが、経年で導線の被覆が固くなり開封すると応力で半田付け部分で取れてしまいます。
まぁ開封すると導線は取れると思っていいでしょう。
また、乾電池の液漏れで導線が取れてしまうことも多いです。
では、まず導線が取れたところを再半田して、例の時計の件を調査します。
電池ボックス負極の導線と圧電素子負極の黒の導線2本が取れていますね。
懸念された乾電池の液漏れが原因ではなかったので、このまま導線を剥き再半田します。
太めの電池ボックス負極の導線は腐食もなく導線も綺麗です。
※液漏れで断線するとこの導線の芯線が真っ黒に錆びるんですよね。で、半田も全くのりません。。。
こちらも綺麗ですね。サクッと再半田します。
もちろんですが、圧電素子の銀メッキには専用の銀入り半田を使います。
ここでやっと時計が進まない原因を解析します。
おや!?
かぼちゃのジャック・オー・ランタンの明かりが点滅したまごも揺れていますね。
で、時計の描画すすみません。
時間の設定はできますが、時計が進みません。
ん?ん?ん?
基板の中央の上に円筒のクリスタルがありますね。
いつもの32.768kHzで時計のタイミングを生成していることは容易に想像できます。
システム仕様が不明なのでアレなのですが恐らく起動時は低速のCR発振で起動していそうです。なので、液晶に写っていたかぼちゃと卵が動いていたと思われます。
ですが、発振周波数が極低速なので、時計が進むっちゃ進むんですが低速過ぎて1秒すらも進まないのでしょう。※もしかすると、かなり放置すると進んでいたかもしれないですね。
で、原因を突き止めます。
クリスタルが発振していません。貼り付いていますね。
時計が進まない原因はこれですね。
外して部品に刻印がないのですが、時計系は32.768kHzです。
小っちゃい部品なので、最近半田付けに苦労するようになりました。
まだ拡大鏡なしの裸眼でOK牧場なのですが、その内老眼で半田付けできなくなるかもしれません。※老眼が進み近眼が解消され、今年の検診で視力が改善していましたが、、、。
問題なさそうですね。
カメラの感度で液晶も明るく写っていますが実際は暗い目になっています。
他の依頼でもよくあるのですが、この種のカラー液晶の経年劣化で暗めになり進行すると部分的に点滅しだすそうです。
恐らく液晶の劣化なのでどうしようもないので現状でお使いいただくことになります。
動作等全く問題なく使えており、時間が進み、卵が孵った瞬間とても嬉しかったです。
本当にありがとうございました。
裏面の青マジックも綺麗にして頂き、丁寧な作業感謝いたします。
おもちゃ病院にご依頼して本当に良かったです。
~依頼者様のご感想より~