お孫様のためということで修理のご依頼がありました。
息子様からのプレゼントであったが、動かなくなってしまったとのことです。
この度、お孫様へということです。
どちらもとても楽しいおもちゃですので、お孫様も喜ぶと思います。
では、診断開始しましょう
ものまねフクロウ
当医院でもお馴染みのものまねシリーズです。
ワンちゃんやカラスくん、ハムスターなどいろいろなキャラクターで発売されております。
今回は、お初のフクロウのふくちゃんだそうです。
故障の症状は、電源を入れてもうんともすんともです。
ですが、原因は、すぐ分かりました。
底面にある電源スイッチの接触不良です。
この手の接触不良は、接点復活剤で一時的に復活しますが、またすぐ接触不良が再発するので、スイッチを交換します。
底面の結束バンドを外して作業をします。
よくあるサイズの3極のスライドスイッチです。
電源のON/OFF以外にも電源用の電解コンデンサーのディスチャージにもなっています。
また、モーターのピニオンギアも割れがありますので交換をしてします。
ピニオンギアを抜きグリスでベトベトになっているモーターの軸をアルコールで拭きとり交換します。
これにて、ふくちゃんの修理は完了です。
くすぐりエルモ
くすぐりエルモには、2パターンのバージョンがあります。
当医院に依頼の多い機種は、白筐体のエルモで、そのほとんどにピニオンギア割れが起き、動作の途中でハングアップしたりします。
ですが、今回は黒筐体のエルモのご依頼でした。
黒筐体のエルモでは、ピニオンギア割れが起きにくく改良がなされております。
エルモくんも電源入れてもうんともすんともです。
ピクトもしません。
これは、電源系の故障な臭いがプンプンします。
まずは、電池ボックスまわりを確認します。
電池ボックスは液漏れの形跡もありません。
初心のドクターに理由なく直ぐに背中を開いてしまう方がおられますが、そのような軽々な判断はダメです。
足裏の電池ボックスまわりを診ましょう。
電源スイッチをON側に暫定短絡すると起動しだしました。
原因は、この電源スイッチでした。
接点復活剤で位置的な回復もしますが、すぐに再発することははっきりしていますので、エルモくんの電源スイッチも交換してしまいます。
これで無事に起動はできるようになったのですが、お腹のスイッチも接触不良があります。
顎と左足のスイッチは問題ありません。
恐らく、以前の症例と同じ押しボタンの接点が基板の湾曲で接触できなくなっているようです。
今回のエルモ修理は、有料修理となっておりますので、開腹修理をするしないでは、ご負担の料金が大きく差があるので依頼者の方と現状と方針について相談しました。
エルモには、顎、お腹、足の3箇所の起動スイッチがあります。
いづれのスイッチも別々の動作をするわけではありません。
お腹の起動スイッチが使えなくとも顎と足のスイッチでも遊べますとお伝えしたところ、今回はお腹のスイッチの接触不良の修理は見送るとのことでした。
問題ありませんね。
これで、お孫様も大笑いしてもらえるでしょう。
お忙しい中、早いご対応、そして何度も写真や動作確認のメールを頂き、こちらの意向も汲んでくださったことに感謝しております。
エルモは十数年前に独身だった息子からプレゼントしてもらいました。
だいぶ前から動かなくなってしまい、飾っていたのですが、もうそろそろ処分しようかと思っていました。
そんな時におもちゃの病院があることを知り、入院させていただきました。
息子は今では5才と3才のパパですが、孫2人はエルモが動いている姿を見た事がありません。
今度遊びに来た時に見せてあげる事ができて嬉しく楽しみでもあります。
ふくちゃんの方は孫達も大好きでまた、お喋りできるようになって、大喜びすると思います。
ただ、一つ心配なのは、エルモもふくちゃんも、私と孫ときっと取り合いになってしまう事ですね。
エルモは息子に、そして孫にプレゼントしたいと考えています。
私の楽しみもまた増えました。 本当にありがとうございました。
~依頼者のご感想より~