京商 ジープラジコン ギア軸受け破損修理

Jeep社のラングラーラジコンの修理です。

Jeepでは、このラングラーが一番好みです。

小学生の頃、ホビーラジコンで田宮さんから1/10 ワイルドウイリーという、同じJeepベースのとても楽しいラジコンが発売されており、自分もかなり遊びこんだのを覚えています。

と、なんと今でもワイルドウイリー2なる商品も発売されているじゃないですか!

さてさて、室内で遊んでいたところ、屋内の壁などにぶつけてしまい、その衝突から前進時のみガガガとギアズレのようなノイズが出るとのことです。

ただ、ノイズは出るもののタイヤの回転はするそうです。

前進時のみノイズを発し、後退時は問題なくノイズもなく動作します。

この手のラジコンは、遊んでいる最中にアチコチぶつけてしまいますよね。

前進、後退はフルパワーで一気にタイヤが回転するので、そのままだと衝突してしまいます。

徐々にスピードを上げてや急ブレーキなどどいう操作はできません。

常にONかOFFです。

しかも、モーターはハイパワーモーターです。

簡素な仕様なので安く開発できるのであるのですが、やはり今回のような故障の原因になってしまいます。

恐らく追突の衝撃でギアボックス内のどこかが破損してギアがズレてしまったのでしょうね。

ささっと分解しギアボックスをあけて確認しましょう。

基板1枚に受信ICとモータードライバICが実装された構成です。

筐体に基板とモーターで完結します。

なぜかギアボックス端の留めネジ2本だけがゆるゆるになっています。

これも衝突の衝撃でしょうか。

なぜかこのネジ径が小さいのか2本だけ締めることができません。

手持ち、M2.3のタッピングネジを代替えで絞めておきます。

ギアボックス内では、モーターからの動力が1段のギアで変速されてタイヤ軸につながっております。

さすがでモーターも260型のモーターで磁力も強くハイパワーです。

致命的ではありませんが、外したギアの山がすり減っています。

ガガガというギアズレで摩耗したのでしょう。

このギアの軸受けが損傷していました。

矢印の箇所が斜めに破損しています。

調べてみると、前進時に相当の力がかかって軸が縁に引き寄せられ、恐らくラジコン本体の衝突などの衝撃も相まって破損してしまったようです。

正常時は、溝に軸が収まっているのですが、無理な力がかかると軸受けの支柱が横ズレもして軸がズレます。

指で押しても簡単にズレます。

軸受けが支柱のような構造なので容易にたわみ外れてしまいます。

さて、どうしますかね。。。

悩みますね。

欠けた部分を補修したところで、衝撃で再度簡単に破損します。

補修材などでの修理は強度的に不可能です。

そこで、新たに銅板で軸受けを作成しようと思います。

支柱の形で軸受けをすっぽり囲うように銅板で軸受けを作ります。

とても小さいパーツになり、しかも正常な位置にΦ=2mmの軸穴もあけないといけません。

サイズ感としてこんな感じです。

穴位置もぴったり位置にあけることができました。

銅板は、ギアの支柱の隙間から厚さ0.5mmの銅板で使っております。

とても小さい部品なので銅板の折り曲げは、かなり苦労します。

ペンチなどで支柱に付けたまま曲げると支柱が折れて終わりの世界になりますね。

追加した銅板のギア軸受けにギアの端が干渉するので銅板の板厚分を削っておきます。

また、ギアボックスの蓋側の軸受けにも銅板が干渉するので干渉部分を削っておきます。

すべて拡大鏡で覗きながらのルーター作業となります。

簡単に抜けないようにサラサラ系の瞬間接着剤で少し垂らしておいて最後にエポキシ接着剤でカシメ部を固着しておきます。

では組み付けて無事稼働するでしょうか?

動作確認

ノイズが完全に消えましたね。

まぁ、でもまたドッカンドッカンと壁にぶつけるのでしょうから、次の破損のために策を練っておきましょう。