仮面ライダーアギト GX05 ピニオンギア割れ修理

仮面ライダーアギトとというヒーロー物のアイテムの修理依頼です。

先日の仮面ライダーディケイドのディケイドライバーもそうですが、詳しくないといろいろ混同してしまうんですよね。

今回は、仮面ライダーアギトというライダーの武器アイテムでGX05という、まぁいわゆるガトリングガンですね。

依頼者様、ご自身で分解までされ修理に挑まれたのですが、故障原因が判明したところで断念され、当医院へ依頼をされたという次第でした。

届いた状態では、既に分解済みでした。

故障原因も、インターネットでの修理機でもよく見かけるピニオンギア割れということでした。

既に割れていたピニオンギアは、除去済みの状態です。

まず、電池ボックスを調べていたのですが蓋のツメの開封で早々にたいへんでした。

電池ボックスの電圧を確認するため、蓋をあけたいのですが、もう固くてかたくてあきません。画像のツメが噛みこんでおり、押し込んでも蓋がスライドしません。

シリコンスプレーを吹いたりしたのですが、まったく効果なしです。

無理に抉ると割れてしまいそうなぐらいなので、知らないとこじってツメを折りそうです。

単3の乾電池 4本が収納でき、各電極端子間は、3.0Vづつとなります。

次に、ギアボックス側を診断します。

まずは、ガトリングを回転させる130型モーターの8T 0.5mのピニオンギアです。

モーターの軸を脱脂して圧入しておきます。

また、ガトリングを回転させる軸に圧入されている四角い連結部の接続方法に少し、おや!?と思うところもありますが、注意して組み立てます。

また、260型モーター側のピニオンギアも割れていたそうです。

260型モーター側のピニオンギアも割れて除去されているので、同じく8T 0.5mのピニオンギアに交換しておきます。

ただ、この260型モーターの役割がイマイチはっきりしておらず、どのように機能していたのか、後の動作確認でもはっきりしませんでした。

さぁ、破損したピニオンギアも交換できたので、組み立て稼働テストします。

おっやー?┐( ̄へ ̄)┌

ガトリングを回転させると、最初は回りますが、2,3回転後に滑って空回りします。

ここの連結部です。モーターから動力が伝わる軸の連結部が、ガトリング砲側の連結部の凹凸に噛み込み回転させます。

連結させないと、まぁまぁ回転するのですが、連結させると最初のみ数回回転しても、すぐ空回りします。

う”-、何か既に割れていたピニオンギア以外にもなにかあるぞ!

再度、分解し原因を解析します。

因みに、この商品は電池ボックスが別モジュールで本体を組み立てないと装着できません。残念ながら、動作確認を分解したままで簡単にはできないのです。ー_-;

そこで、ちょうど2系統ある安定化電源を使って3.0V 2系統出しでクリップで電極に挟み動作確認します。

さて、他の修理記事にもあるのですが、モーター軸のピニオンギア以外にもギアボックス内のギアも割れていることが多いそうです。

記事を先に読み確認すべきでした。反省。

画像の右端黄色い矢印のギア 8T 0.5mも割れていました。

トルクがかかると滑って空転します。

合計、3か所、すべて8T 0.5mのピニオンギアを交換することになりました。

いよいよこれでもう大丈夫でしょうと再度動作確認をします。

(´・_・`)

まだ、なんか変。

電源スイッチが変。

OFFや動作モードのスイッチのスライド位置に正しく止まらずというかロックせず、あちゃこちゃになってしまいます。

そんな状態なので、動作モード2つのON位置に固定しづらいです。

これは何か変だぞということで、再度分解します。

Take2。ー_-;

なんじゃ?

なんか、出てる!

こんなはみ出し方って変です。

このバネは、スライドするスイッチのノブの貫通穴に入っていて、両側に金属球を設置しスライドスイッチの両側の穴に金属球を押し込むことでスイッチのON位置に固定させる仕組みです。

スライドスイッチのハウジングは、ツメでカシメられており導線は、ハウジング丸ごとホットボンドで固定されております。

これは初期からあった不具合そうです。製造不良でしょうね。

電源は入るにははいるのですが、ON位置に合わせづらいです。

スイッチのハウジングを開き、はみ出て曲がったバネを可能な限りで形を整えます。

ですが、本来バネの両側に設置すうはずの金属球の片方がもう既に紛失しています。

そうですよね、、、だってバネの端がもう外に出ちゃってるんだもん。

チーン

_| ̄|o

もう仕方なくので、片側の金属球のみで電源スイッチのスライドは慎重に指で調整をしてもらうようにお願いすることにします。

とまだあります。

スイッチのハウジングを分解した場合、接点位置、つまりON側とOFF側の方向は油性ペンでハウジングにメモしておくべきでした。

ON/OFF位置を逆に付けてしまい、途中再度全組み立てと全分解をする羽目になりました。

幾度なく、分解と組み立てを繰り返しましたが、4,5回の分解と組み立てで何とか完了までこぎつけました。

動作確認

今回の修理を通し分かった点です。

ガトリング形態から変形できるのですが、上部のスライド部を変形させると、元に戻らないようにスライドがロックされます。

取り扱い説明書には、引くとまたスライドするように簡単に書いてあるのですが、もうどんな引いてもびくともしません。

ふと見ると、横に非常用レバーとあります。

このレバー位置をずらすと、ロックが外れます。

もしかすると、あの260側モーターがこのロックを外すような役割だったかもと、返送後に気づきました。( ̄▽ ̄;

最後に、経年している商品なので筐体も脆くなっています。

ネジの支柱の上部が割れておりネジ締めできなくなっていましたので、同じ径の長めのネジに交換しておきます。

以上で、無事修理できました。

いろいろなトラップも多く分解と組み立てがしんどかったですが、これでまた遊べるようになりました。


初めて瀧下様の所に修理をお願いさせて頂きましたが、とても丁寧な対応で安心して預けることが出来ました!

また何か有りましたら、修理をお願いしたいです。
今回は本当にありがとうごさいました。

~依頼者のご感想より~