地域のおもちゃ病院で診断した記事となります。
まぁ動かないということでした。
4人兄弟のお子様で受け継がれてきたアンパンマンとのことでした。
知育系の人形で、アンパンマンと会話をしながらゲームをしたりできます。
まず、保管時に乾電池を抜き忘れ液漏れで電池ボックスの電極の腐食が酷い状態でした。
その影響で、基板の正極、負極とも腐食でプリント基板の銅箔も剥離し断線しています。
タッチセンサーの配線上のチップ部品の半田付け部分も腐食が酷い状況でした。
まずは、電源が供給できるように電池ボックスの電極の腐食を掃除して導通するようにします。
剥離した銅箔はどうしようもないので、電池ボックスの電極と銅箔を導線で接続し、電源を供給できるようにします。
電源のスライドスイッチも全滅で導通不良が起きております。
接点復活剤で導通するように回復します。
とここで、導通確認をしている最中に電池ボックスのアキシャルのヒューズを切ってしまいました。
当日の会場では、替えのヒューズの持ちがなかったので入院としてヒューズ交換することにしました。
会場での診断では、液漏れの腐食の掃除と電源の印加改善までしかできませんでした。
この時点で、電源は入るようになり、起動音も鳴り両手のタッチ反応がするところまで確認できました。
誤ってヒューズを切ってしまったので、大方修理はできると見込んで入院預かりとしました。
が、ここで見通しを誤っておりました。
半田付けのしなおしで一時的に改善したまでで、持ち帰り診断をすると、また動作しないという状況でした。
では、持ち戻り作業を継続します。
液漏れの影響で基板上の各所の半田付け部分が脆くなっています。
スピーカーのランドも片方が剥がれてしまいました。
タッチセンサーの鼻と頭のコネクター部が断線しています。
仕方ないので、基板に直に半田付けします。
作業時は、無事動作をするのですが、何か不安定です。
タッチしていないセンサーが反応したりします。
各タッチセンサーの配線は、ダンピング抵抗などが基板上に仕込まれているのですが、これらの半田付け部の腐食に激しいので、一式半田付けしなおしておきます。
しかし、改善しません。
しかも、時間をおくと動作モードの起動すらしなくなりました。
このねぇアンパンマンの遊び方は、各動作モードは、電源スイッチの切替でコミュニケーションモードなど選択できるのですが、その動作モードの起動は、必ずお腹をタッチしてから起動させます。
電源は、無事入り、各動作モード側に電源スイッチを切り替えると、その動作モードでの発声も切り替わります。
ですが、その後、お腹のタッチセンサーの反応がしません。
ここで再度診断のため、基板上のタッチセンサーの配線部に半田コテをあてて熱を与えておきます。
すると、無事動作し出します。
ですが、しばらく時間をおくと再度動作しなくなります。
お腹のセンサーが反応しないと、もうどうしようもなくなります。
液漏れも酷かったのですが、今回はCOBモールド内のお腹のタッチセンサーのカツカツな断線が起きていそうです。
残念ですが、修理不可能として返却となりました。