ベネッセ ステッピーペン 修理不可

地域のおもちゃ病院で外来診察した案件となります。

ベネッセのステッピーペンという、アンパンマンタッチペンでお馴染みのグリッドOn Putの製品です。

英語の教材となります。

うんともすんともということで、外来診療日に会場にお持ちいただいたのですが、なんと!当日、フツーに動いてしまいました。

まぁ、おもちゃ病院あるあるなので、驚きはしませんが、1,2分程、その場で遊んでもらったのですが、問題なかったのでそのまま返却することになりました。

実は、他のおもちゃ修理もあったので、その待ち時間の間、お子様がタッチペンで遊んでおられました。

そこで、ガシャーンとタッチペンを落下させてしまい、そのはずみでまったく絵柄に反応しなくなってしまいました。

起動時の動作はします。

持ち帰り診断することになりました。※いやな予感はしていましたが、、、。

アンパンマンタッチペンとそっくりですね。

Sonix製のICですね。

イメージセンサーと画像認識のチップセットが、恐らく共通で基板の推奨パターンも提供されているだろうから、自ずと似た基板になってしまうんでしょうね。

まず、16MHzのクリスタルが逝っていました。

これは、恐らく落下の衝撃で破損したのでしょう。

サクッと交換し発振を確認したのですが、依然絵柄の認識をしません。

結論からいうと、SonixのICチップが動作していません。

COB側のICは、起動時の動作はしているので、ある程度は稼働しているとしました。

赤外線LEDの制御信号も出ておらず、COB内の制御IC側との通信もしていません。

基板のシルクになるSCKとSDIOが起動時も起動後もLowのままです。

メインICとSonixは、起動時にハンドシェイクをして通信を確立させると思いますが、それがうんともすんともです。

実は、起動時の違和感もあったのですが、電源をONにしてから、起動時のメロディーが鳴りはじめるまで、しばらく沈黙があります。

たぶんですが、ハンドシェイクが成功すると、即メロディーを鳴らすシーケンスに移行するが、ハンドシェイクに失敗すると、規定時間の待ちがあるように感じました。

そのため、この違和感のある待ち時間はある意味、システムの起動に失敗したというサインなのかもしれません。

どちらのICが先に通信を開始するかが不明なのですが、これらSonix側が動作しておらず絵柄の認識ができないという症状です。

診療日、当日は無事稼働していたが、落下の衝撃でクリスタルが故障し、その遠因か落下の衝撃でSonixのICが故障したのかもしれません。

落下の衝撃による半田クラックなども懸念し部品の半田を一式溶かしなおしをしてみたのですが、変化なしでした。


ベネッセ Talking Q-rios 検知スイッチ修理

地域のおもちゃ病院の外来で担当したベネッセのトーキング キュリオスという教材の修理依頼がありました。

付属のカードを機材に挿入すると、それぞれのカードに対応したレッスンが受けられるという代物です。

不具合は、それぞれの対応したカードが正常に認識されないため、正常に遊べないということです。

付属のカードは、7枚でした。

この手の修理経験があれば、すぐピンとくると思いますが、カードに入っている切り込みが、本体のスリットにある検知スイッチをON/OFFします。

そのパターンで、挿入されたカードを認識しレッスンのプログラムを選択し実行するという商品です。

隙間から除くと、検知スイッチが4つあるのが分かります。

4つですので、2の4乗で16パターンを表現できます。

0000と1111を除いた14パターンとなり、付属の7枚のカードの裏表で 7枚 * 2 = 14 パターンとう設計思想ですね。

前置きは、この位にして、この手の検知スイッチは接触不良はすぐ起きます。

過去にも妖怪ウォッチのメダル検知スイッチで同様の事態に遭遇しています。

妖怪ウォッチの検知スイッチは、接点復活剤で劇的に復活しましたが、今回はどうでしょうか?

では、まず分解をします。

参りました。

基板が、筐体の軸を溶かし溶着されています。

軸を削り基板を抜くしかありません。

とここで基板のICに目が行きます。

おおお!

ノヴォトン製のマルチメディアICですね。

アンパンマン ことばずかんスーパーDXでも使用されているICです。

検知スイッチはこの4つです。

まずは小手先で接点復活剤を吹き込んでみますが、残念ながら復活しません。

何度コキコキしても改善しません。

では仕方ないので、他の方法を考えます。

一番良いのは、検知スイッチを新品に交換することですが、そんな運よく手持ちに同じ検知スイッチがあるわけありません。

また、インターネットで入手できるかも探しましたが、見つかりません。

ではではとスイッチを分解して接点を清掃しましょう。

スイッチ4つを取り外し抵抗値を確認しましたが、うち2つがまったくの不導通です。

かなりの腐食か何か起きています。

分解し接点を確認すると、ものすごい劣化グリスと黒変した酸化膜はありました。

4つのスイッチのうち、2つで完全に不導通だったので14パターンのうち、半分の7パターンが認識できなかったはずです。

まずは、内部の劣化しこびり付いたグリスをこそぎ落とし接点の酸化膜を研磨します。

さらにですが、恐らく材質はリン青銅で、バネ性も落ちており接点同士の押し込み量も低下しています。恐らくこれが主因かと推測されます。

若干バネ圧があがるようにまげまげしておきます。

検知スイッチ動作

無事改善しましたね。

これで全カードでまたレッスンを受けることができるようになりました。

ペンでタッチ ドリームおとずかん 電源タクトスイッチ交換

外来で勤務をしております、地域のおもちゃ病院で転院にて診断をしました。

アンパンマンのことばすかんのタッチペンであれば、スリープ解除ボタンの場所に電源ON/OFFのタクトスイッチが付いています。

このタクトスイッチが破損してしまいボタンが可動できず、電源のON/OFFもできなくなったということです。

ですが、一般的に入手できるタクトスイッチよりも一回り小さいサイズのタクトスイッチなのです。

画像、右上が基板に実装されていたタクトスイッチです。

表面実装のタクトスイッチで、入手性の良い、6mmサイズのタクトスイッチでは、基板のランド位置も合いませんが、それよりも筐体のボタンの高さも高く筐体内に収まりません。

手持ちの部品を物色していると、表面実装のタクトスイッチでノブを加工すると収まりそうなタクトスイッチがありました。

端子は、半田付けを工夫すれば問題ありません。

タクトスイッチの高さは低くなっておりシリコン製のノブの上を少しカットしてあげるだけで収まりました。

これでバッチリ筐体に収まり 無事スイッチのON/OFFの可動もできるようになりました。