たまごっち 潰れたネジ外しと基板腐食

たまごっち 3個の修理依頼がありました。

数字柄の初代たまごっちとてんしっちのたまごっちおよび新種発見!!たまごっちの青文字絵柄の3個です。

96年、97年に購入されたたまごっちでお子様が遊べるようにネジを外そうと頑張られたとのことですが、やはりできないということで依頼がありました。

1.数字柄の初代たまごっち

向かって右側のネジ外しはできたようですが、左側のネジが完全に埋没し潰れ、蓋の穴周辺もこじった形跡でボロボロになってしまったようですね。

ネジの溝が潰れるくらいなので、ネジ穴の周辺を掘ってもネジを回すことはできないでしょうね。

ネジの溝底の十字の溝が微かに残っていますね。

ほぼ絶望的な状態ですが、当医院では外せます。

ほら!

出てきました。

この調子で外してしまいます。

しかし、毎回よく自分でも思うですが、このような状態のネジをよく外せますよね。

我ながらよくできました。

さて、やはりですが、ボタン電池から液漏れしてしまっています。

軽傷が液漏れは、接点復活剤で拭き上げておきますが、電解液が固着して固まった箇所は固まりを物理的に削り取り、腐食の進行した箇所は研磨します。

こう、カチコチです。

分解し電極を露出させ作業します。

各所のボタンの接点もメンテナンスしておきます。

幸いに電池ボックスの電極以外には、液漏れの影響はなかったので、電極のみの作業で修理できそうです。

腐食部を研磨すると、メッキも剥がれてしまい母材が露出するので、半田をうっすら盛っておきます。

盛りすぎるとボタン電池が入らなくなるので、うっすらです。

実は、最近メッキ処理ができる治具を設備投資できたので、次回からは研磨して露出した母材にはニッケルメッキで防食処理をしたいと思います。

動作確認

問題ありませんね。

ボタンの感度も良好です。

当医院のオリジナルワッシャー付きネジをご希望でしたので装着しておきます。

では、次行きましょう!

2.てんしっちのたまごっち

状態もきれいですね。

こちらもネジを潰してしまったそうです。

向かって左側は、ネジは無事外せたようでしが、右側が潰れています。

こちらもネジの溝がなくなってしますね。

では、こちらもがんばって外します。

おおお!

出てきました。

無事外せそうです。

やはり、てんしっちのたまごっちもボタン電池からの液漏れがありました。

軽微な箇所は、接点復活剤で拭き上げておきます。

負極側の突起に液漏れも粉が固着しています。

物理的に削り取ります。

まずは、起動できるできる程度まで研磨しましたが、起動できませんでした。

何か、本体内部で起きていそうです。

分解し確認します。

研磨した電極のすぐ下の基板に腐食が広がっています。

ちょうど、電池ボックスの保護シールの界面に粉が広がっています。

液漏れした電解液が垂れて基板の配線を腐食したようです。

粉を除去すると、電源配線と液晶の信号配線が断線してしまっています。

数本レベルなら、手配線でなんとかできたかるかもしれませんが、多数の断線となるともうお手上げ状態です。

因みに、電源配線のみ迂回配線を一時的させても起動時のビープ音はしなかったので、恐らくはまだ何か潜在的に断線がありそうです。

残念ですが、てんしっちのたまごっちは修理不可能となります。

3.新種発見!!青絵柄初代たまごっち

こちらは、潰れたネジ外しではなく起動しないということでの依頼でした。

まず電池ボックスの状態を確認します。

これでは、導通できませんね。

というか、液漏れがかなりあったようなので、本体内部も気になります。

どちらにしても電極の研磨が必要なので分解します。

電極もそうですが、配線の腐食もあります。

基板の配線腐食はあちこちにありました。

リセットボタンのパターンが全滅です。

ボタンのパターンも全滅でした。

チーン

_| ̄|o

これは、もうどうしようもできない状態ですね。

残念ですが、新種発見!!たまごっちも修理不可能となります。


3個中、1個のみの修理をなってしまいましたが、かろうじてお子様が遊べるたまごっちは用意できました。


たまごっちを受け取り動作確認もさせて頂きました。

きれいに直して下さり、子どもも喜んでいます!

この度は本当にありがとうございました。

また機会がありましたらよろしくお願いいたします。

~依頼者のご感想より~