地域の外来で勤務しているおもちゃ病院での診察記事になります。
どうも、『BellaBot』という商品を模した赤外線ラジコンのようです。
前進時などでゆっくりかとても遅いか全く前進しないなどの不具合があります。
依頼者は、動作中に本体を掴んで止めてしまったのが、原因かもということでした。
当日の開場で動作確認をしてみると、片方の車輪がぴくぴくするか、ウィーンとギアボックス内から音がしています。
ははぁーん、ギアボックス内ピニオンが滑っているか割れて滑っているようだなぁとうことで入院で預かることにしました。

分解しギアボックスを調べてみると問題ありません。
先のピクピクしていたり回転していない原因は、そもそもモーターの給電の電位が低いためでした。
もちろんですが、乾電池の容量は確認済みです。

給電されているモーターの電位が変ですね。
特に前進時の電位が低く、これが原因で前進できていないようです。
完全に片方というわけではありません。
早速基板を調べてみると、すぐ原因が判明しました。

片chのモータードライバがチンチンになっています。
もう指でも触れないくらい熱くなっています。
この故障は、恐らくPch Nchに貫通レベルの電流が流れていそうです。
先の電位が落ち込んでいるのでは、この片chのモータードライバの故障で全体的な電位が落ち込んでしまったようです。
ICは、TXM LC118ですが、同じ型番のICは入手できませんので、ピン互換のTC118Sに交換してしまいます。

すると、全動作時の給電の電位がピタリと一致しました。
モータードライバの劣化故障の線もありますが、動いている最中に掴んで止めてしまったという場合は、片方のモーターがロックされ過電流によるIC故障を誘発したのかもしれませんね。
たぶんですが、この荷台にビールなんか載せて配膳するのでしょう。