tama town TAMA-GO(海外版たまごっち)圧電スピーカー交換
海外より購入されたたまごっちということで、圧電スピーカーの音割れが起きて居られるとのことで修理のご依頼がありました。
画像からも単四の乾電池と大きさを比較してみると分かりますが、とても大きいです。がちょうのたまごサイズです。
横からの厚みも十分あり、なんかウルトラマンエッグのように変形でもしそうです。
到着して直ぐに音割れの具合を確認したのですが、これといった音割れ的な要素は無さそうでした。※自分は、まだ耳が遠くなるような、お年頃ではないと信じているので、聞き間違いではないと信じています。
次に物理的な不具合も出ていないかを確認するため分解し本体内部を確認します。
たまごっちでは共通しますが、ビープ音は圧電素子を使用した圧電スピーカーで音が鳴らされております。Φ=20mmの圧電素子です。
半田部をゴム系の接着剤で固定はしておりますが、ペラペラ剥がれたり割れていたりはしておりませんでした。この状態で再生音を確認もしましたが、これといった不具合は無さそうでした。そこで、同じ口径サイズの圧電素子に交換を行い音の違いを確認します。
圧電素子を交換し、外部電源に繋ぎ起動音を確認しましたが、やはりこれといった違いは分かりませんでした。在庫の圧電素子は、反響用のアルミカバーが付いているので、幾分大きめの音に聞こえますが、有意差と言えるほどの差ではありませんでした。
ならばと、電子音のメロディで同じ再生条件で差があるかを確認します。
メロディICのカッコーを再生してみます。
まずは、たまごっちに付いていた圧電素子でカッコー再生です。
次に新品の圧電素子でカッコーを再生します。
バルクの圧電素子を固定せずにそのままで鳴らしておりますので、ビビりのよう音割れが出ているのは気にしないでください。
ここまでやってしても差らしい差はなさそうです。
そこで、依頼者様に状況を報告したところ、実は当初は音割れ的な症状が出ていたのだが、待機期間中保管したままにして、当医院へ発送する直前に動作をみたところ、症状が改善していたが、折角なので音の状況を確認したく依頼をされたそうでした。
スピーカーの穴に異物でも入って音割れのような音がしていたのかもしれませんので、ではでは、折角往復の送料もご負担をいただいておりますので、新品の圧電素子に交換してしまいます。一緒のボタン類の接点もアルコールで拭き上げておきましょう。
圧電素子を本体に固定しているツメを削り外します。
当医院在庫の圧電素子には、反響用のアルミカバーが付いているので、たまごっちに取り付けるためにカバーを慎重に外します。新品はピカピカしてますね。
裏面もピカピカ。
このΦ=20mmの圧電素子は、ユメルのセンサーにも使われているので、ドクター諸氏の皆さんは在庫を用意しておいて良いと思います。
削ったツメの箇所にエポキシ接着剤を盛って固定します。粘性の低い瞬間接着剤の使用は厳禁です。接着剤が素子側に流れ込んでしまいます。
ケーブル類を半田づけして組み立てます。半田箇所は、ゴム系の接着剤で固定してあったので、元に戻す時も最後に接着ボンドG17を盛っておきます。
今回は、圧電素子のセラミック部の銀メッキへの半田付けは行っておりませんが、導線が剥離したなどがあった場合は、銀食いを防ぐために銀入りの半田をご使用ください。
オーディオ機器用のスピーカーケーブル向けに銀線の接合などでも使用したりできます。
組み立て後に最終動作を確認し修理完了です。
国内用とは違いやはり海外版は手のサイズからも大きいですね。
この度は修理依頼をお受けして頂きありがとうございました。
初めて購入した海外版のたまごっちで音割れがあったのですが 瀧下様のところに到着する頃にはなくなっていました。
到着後は元々割れていた音が治っていた事についての原因究明や 色々な検証をして下さり、こちらも安心して納得する事が出来ました。
分解してのメンテナンスや音が出る圧電素子の部分を新品に交換して下さったので安心して遊ぶことができます。
今回同時にご依頼すればよかったのですが、まだ見て頂きたいたまごっちもあるのでまた次の受付が始まった際にお願いしたいと思います。
とても丁寧で連絡も動画や画像付きで明確に教えて頂けるので とても良い先生です。
またお願いする時があるかと思いますが、よろしくお願い致します。
~依頼者様のご感想より~