新種発見!!たまごっち/モスラのたまごっち(スケルトンブルー)修理

新種発見!!たまごっちとモスラのたまごっち(スケルトンブルー)

新種発見!!たまごっち/モスラのたまごっち(スケルトンブルー)修理

たまごっちの修理ウィークの最中で、液晶が映らなくなってしまったと修理のご依頼がありました。

透明なイエロー(スケルトンイエロー)の新種発見!!たまごっちです。

新種発見シリーズのたまごっちはいろいろあって、どれがどれなのか区別が付かないのですが、今回のスケルトンイエローのたまごっちは、初代たまごっちよりも本体が若干大きめです。では、この新種発見!!たまごっちから拝見しましょう。

新種発見!!たまごっち

新種発見!!たまごっち

到着し当医院のボタン電池を入れてみると、なんと!無事に稼働します。

ん!ん!!ん!!!

まさか、また神の手が働いてしまったのか!

と冗談はさておき、原因は直ぐわかりました。

依頼主様が動作確認された際のボタン電池が同封されなかったので、しかたなく当医院のボタン電池を使用したのですが、原因は電池ボックスの腐食でした。

腐食1

たまごっちあるあるの液漏れによる腐食でしょうかね。

で、で、で、なんで当医院のボタン電池で稼働してしまったかというと、ボタン電池って、規格サイズが完全に同じではないので、依頼主様が動作確認した際の腐食部に接触しており、導通できずに動かなかった。

ですが、当医院のボタン電池では、多少外径形状が違うようで、接触部がズレたまたま導通して稼働したという具合です。

腐食2

腐食は、ルーターで研摩して綺麗にしました。

研摩1

反対側は、アルコールで拭きとるだけで綺麗にできました。

拭きとり

スケルトンイエローの修理は以上となります。

動作問題なし

液晶の描画も押しボタンの感度も問題ありません。


モスラのたまごっち

次にモスラのたまごっちを拝見します。

このモスラのたまごっちの貴重性を後で認識したのですが、60年代ではなく、90年代に製作されたモスラ映画とコラボレーションしたたまごっちらしいのです。

このスケルトンブルーのたまごっちは市販されておらず、なんと映画のチケットの半券!?が抽選の応募用紙になっており、抽選で当選しないと入手できないという、なんともマニアには、喉から手が出るのレアなたまごっちなのだろうと思われます。※すみません、その貴重度は、この程度にしか表現できません。。。

また、モスラといえば、恐らく怪獣系の映画という認識しかありません。年代的に、この時期の怪獣系の映画を見た世代ではないので、蛾の怪獣で、双子が歌を歌っているような、コントは観た覚えがあります。

脱線はこのぐらいにして早速電池を入れて動作確認をします。

あらら

あらら、何とも液晶の中央部しか描画されず、しかもめちゃめちゃですね。

依頼者様からのご説明では、当初は正常に映っていたのだが、急に画面の描画がだんだんおかしくなって再度には全く映らなくなったそうです。

うーん、今までのたまごっちでは、液晶と基板間を接続する導電ゴムの電極が歪んで接触しなくなったとか、押し圧が足りなくなって断線するとかですかね。。。

いづれにしても開封して接触の具合を確認しようとすると、疑問点が出てきました。

ネジ溝削れ

本体左下のネジの筐体側の溝が削れてネジを絞めることができなくなっています。

もうクルクル状態です。

そんで、他の3本もなにやらキツメに絞められているようです。開封する際に、”カキ”と音がなります。ネジの溝削れは、記憶にとどめておいて開封します。

開封

綺麗ですね。特に液漏れなどもありません。

ん!ん!!

何か無い。

無い!

黄色枠にあるはずの液晶が横ずれしないようにするアライメントパーツがありません。

手持ちの初代たまごっちにはあるこのパーツが付いていません。

アライメントパーツ

初代たまごっちのパーツを付けてみたのですが、ガバガバですが、このようなパーツが付いているはずです。※と、この時は付いていて正しいと思い込んでいました。

ここで現状の分かった情報から推理します。

  • 液晶の描画変で液晶と基板の接触不良のような感じだ。
  • 本体のネジがきつく締めてあって、左下のネジに至っては溝が削れる位になっていた。
  • 液晶の横ずれを防ぐパーツが付いていない。

ここである予想を立てました。

横ずれのパーツを何らかの理由で取り外したか紛失しそのままの状態で本体のネジをきつく締めてしまった。それが原因で、液晶の導電ゴムの電極が、ネジ締めの押し圧に負け横ずれを起こして液晶の描画不良を起こしていた。

依頼者様は、このモスラのたまごっち(スケルトンブルー)を中古を購入されたとのことなので、前主様が何らかの理由で手を入れたのだと。

この推測が正しければ、付いていない横ズレ防止のパーツを取り付けズレを抑止しないといけません。そんで、強くネジ締めをしていたので、ネジを緩めることで液晶の描画が改善されるかもしれません。

しかしですね、無いパーツは、作りようもないのでどうしようか悩んでいました。

うーん、ジャンクの中古品から移殖でもしようかと、フリマを漁っていたところ、あることに気づきます。

『モスラのたまごっち』で検索すると、似ても似つかないたまごっちがヒットします。

  • 白い筐体に青いデザインの、初代のモスラのたまごっち
  • 白い筐体に緑のデザインで、初代よりもやや大きめもたまごっち

この2種しかヒットしません。前述しておりますが、ここであることを知りました。

このスケルトンブルーのたまごっちは、市販品ではなかったのでした。

聞くところによると、白い筐体に緑のデザインで、初代よりもやや大きめもたまごっちと中身は同じで90年代のモスラ公開に合わせて抽選で配られたレア品だったのでした。

であれば、市販品の格安中古ジャンク品を入手して、例のパーツを移殖してみようと思います。パーツが無い件は、この線で対応します。

次に、ネジの締め過ぎであった検証をしてみます。

まず、開封の状態で安定化電源から給電してみます。

するとー!なんとー!

正常

正常に描画するじゃない。

やっぱり、ネジがきつく締めてあったんでしょ?

もう一歩踏み込んで液晶の描画オカシイ時点から徐々に三ヵ所のネジを徐々に緩めて液晶の描画がどうなるか確認します。

ほら綺麗

全くもって綺麗に描写されます。

これで液晶の描画がおかしい原因の一つが、ネジの締め過ぎによる導電ゴムの電極の接触不良と判明しました。では、横ズレ防止のパーツを付けてネジを絞めてみると、どうなるのでしょうか?

どきどきですね。

続きは、また来週!ってうそです。

フリマでご予算内の可動品を見つけたのですが、そのモスラのたまごっちを入手しパーツを移殖してみます。

待つこと数日、手元に届きました。

そっくり

筐体は異なりますが、中身を同じようですね。

早速開封します。

ない・・・

なんと、何度も見返しましたが、この市販のモスラのたまごっちにもあると思っていた横ズレ防止のパーツがありません。( ̄▽ ̄;

もっしかすると、このバージョンのたまごっちって、液晶の横ズレ防止のパーツが無くて正解だったという...

パーツが欲しくてフリマから可動品を購入しましたが、必要なくなってしまいました。なんてこったい!

_| ̄|o

号泣に塞ぎ悲しんでてもしかたないので、このモスラのたまごっちは、自分用で育てようと思います。

さて、スケルトンブルーのたまごっちの考察をやり直さないといけません。

当初は、ネジが締め過ぎで電極が歪んでいるので、それを補正する術はなく、ネジを緩めて遊んでいただく他無いように思いました。

もしネジ締め圧が正常な誤差範囲であった場合は、このスケルトンブルーのたまごっちは初期不良のような扱いになったかもしれません。

依頼者様は、本体の4箇所ネジの内、実質三ヵ所しか機能していなく、しかもその三ヵ所も緩めて遊ぶことに、かなり不安とのことでした。

不用意な振動などでリセットされると、ショックが大きいですよね。

描画不良の原因が、接触不良と予想されたので、導電ゴムの電極の基板のパッドとの接触部をアルコールで拭きとってみるようなことも考えてみましたが、以前に液晶のガラス側を剥がすといった失態の経験があったの最終案としました。

そこで、もう一つのプランとして、スケルトンブルーのたまごっちの液晶と基板間を接続している電極ゴムの歪みが原因であれば、フリマで入手したたまごっちの液晶と基板のみを移殖してみれば改善できるかもしれません。※制御ICを含む基板を移殖してしまうので、他のたまごっちといわれればそうなります。

基板の形状も同じでぴったり収まります。移殖部品は最小限にします。

すると、スケルトンブルーのたまごっちにおいてもネジを通常通りに絞めても液晶の描画が直りました。液晶の電極に歪みがないので、描画が正常にはなりますね。

で、不思議なことに、スケルトンブルーのたまごっちの中実をフリマで入手したたまごっちに移殖しても正常に描画がなされます。

スケルトンブルーのたまごっちの電極には歪みあると思っていたのですが、恐らくネジ圧が強くない場合は正常に導通しているようです。ネジ締め過ぎ=歪み発生というメカニズムで歪みが通常いつでも起きているわけではないのですね。

というもの、製品筐体設計や部品選定で相互の干渉を考慮し誤差範囲に収まるように製品設計されているはずです。

スケルトンブルーのたまごっちは、液晶と基板の厚さが誤差最大限界値に近かったとします。そこに筐体のスペース誤差が、運悪く最小誤差の限界値に近かったとすると、ネジを普通に絞めても何らかの不具合が起きそうですが、やや強めに絞めてしまったため、導通不良が発現したのだと思われます。

フリマのたまごっちは、筐体のスペース誤差が、通常誤差であったので、ネジを絞めても歪みが発生しなかったとすると辻褄があいます。

ただ、遊んでいる途中で描画がだんだんおかしくなったとすると、この歪みがネジ締めがトリガというわけでは無さそうです。歪みのトリガがなんであったかは、知る由もありません。

長かったですが、無事に二つのモスラのたまごっちが稼働できるようになりました。

依頼者様には、この二つともお返しすることになりました。

二つのモスラのたまごっち

電池の入れ替えの反復や、数時間の稼働で様子見を行い、不具合の再発もありませんので、これにて修理完了となります。

修理作業の間、依頼者様とは、いろいろヒアリングし、気にある点などできるだけ払拭できるようにしました。今度は最後までモスラを育ててもらえたらと思う次第です。


今回、当時の思い入れのある新種発見たまごっちとスケルトンブルーのモスラのたまごっちを修理していただきました。

どちらも突然動作不良になってしまい非常に落ち込んでいたのですが、こちらの宅配おもちゃ病院をネットで発見し早速お願いしてみました。

たくさん実績もありましたので安心して依頼をすることができました。

修理をしていただく過程でも、予算や状況について色々とご相談にのっていただき大変感謝しております。

この2つのたまごっちをまた育てることができ本当に嬉しいです。

自分ではどうすることもできなかったので、本当に本当にありがとうございました!

~依頼者様のご感想より~