たまごっち 電極、液晶、基板交換修理

たまごっち

たまごっち 電極、液晶、基板交換修理

たまごっち3台の修理依頼でした。

1台目:白たまごっち

まず、裏蓋電池ボックスのネジの片方がつぶれてしまったそうで、その開封のご依頼でした。

つぶれたネジ

この手のネジの開封は、たいへん難しくご経験のない方には、ご自身での開封はおすすめしません。

本記事のご依頼の方ではありませんが、当医院にご依頼になられるたまごっちのネジの開封依頼の半分は、ご自身で開封に挑戦したが、結局失敗してご相談になられる方です。

取り外し

当医院の記事を参照した方も居られ、意図も簡単に開封しているのならば、自分でもできるのはと挑戦をされて居られるのかもしれませんが、言っておきますが、『簡単ではありません。』たいへん危険でもあり、大けがの危険性もあるので、ご自身での開封はなさらないでください。また、たまごっち本体の破損リスクもありますので、そのリスクを許容いただく前提となります。

電極折れ

さて、無事にネジの開封は済んだのですが、蓋を開けてみると、電極が折れて取れておりました。この電極は、折れてしまうと交換以外に修理の方法がないのですが、運よく当医院に『新種発見』の部品取り用たまごっちがあるので、このたまごっちから移植を考えていたのですが、最終的にご依頼の2台目の修理に部品取り用の液晶と基板を移植することになったので、ご依頼の2台目に元々ついていた電極を移植することになりました。

液晶は無事
電極移殖

つぶれたネジ開けと電極端子の移殖も無事完了し白たまごっちの修理は完了です。

さて、次に2台目の白・青たまごっちです。このたまごっちは、『新種発見』という名前らしいです。

白・青たまごっちは、まずボタン電池の液漏れによる電極端子の腐食と液晶が焼けてしまい、液晶が薄いところでした。

電極腐食
養生して研摩

電極端子の腐食は、養生を行いお手製の中和溶剤で洗浄します。その後、取り切れない腐食は、ルーターで研磨します。できれば、研摩後剥がれたニッケルメッキも再メッキしたいところですが、再メッキは少々お金がかかるので、ここは再度動作すればという点で研磨のみとします。次に液晶の焼けについてです。

液晶焼け

画像のとおり、正常な液晶と比べても薄く黒くなっているのが分かります。液晶電極側の端をみても焼け具合が分かります。この状態でも修理となると、偏光板の交換で復活するかもしれませんが、あいにく偏光板の在庫もなく偏光板の交換は今後の宿題としたいと思います。

さて、修理の方針は、液晶自体を単体で入手はできませんが、運よくちょうど当医院に部品取り用の『新種発見』の白・青たまごっちがあります。なので、液晶と基板を丸ごと移殖交換をします。基板を交換する理由は、液晶のゴム端子に基板側の金パットの電極の凹凸癖が付いているので、金パットとの接触不良を考え丸ごと交換します。COBの中身も同じですし。

ここで、白・青たまごっちは、部品取り用の液晶と基板を移植するので、前述の白たまごっちの折れた電極は、交換元の基板から移植することにしました。

これで無事に白・青たまごっちの修理も完了です。

最期は、3台目の透明たまごっちです。

3台目も2台目同様に電極の腐食と液晶の焼けがあります。ですが、部品取り在庫を白・青たまごっちに使用してしまったため、3台目の部品がありません。フリマサイトでジャンク品を見つけそこからの交換をと考えましたが、ご依頼者様とご相談の結果、1台目と2台目の修理で十分とのことで3台目の修理は行わないことになり、腐食電極端子の研磨のみとすることにしました。

今回の修理では、部品取り機の在庫がもうないので、ここまでの作業としましたが、今後のことも考え偏光板交換の準備をしておこうかと思います。


この度はたまごっちの治療をして頂き本当にありがとうございました。

私が問い合わせた時期は受付を休止なさっていたのですが、 予定の時期よりもかなり早く連絡を頂けました。

迅速に対応下さりありがとうございます。

依頼時にかなりの錆があり、治る望みが薄そうだと思っていたのですが ドクターのお陰で見事に復活し、現在手元で大切に育てております。

20年以上も前のものですので、実際に動かしたら当時の感情も蘇ってきて感動で震えました。

診察ややりとりもかなり丁寧で、迅速にご対応いただきました。

手を差し伸べてくださり本当にありがとうございました。

~ご依頼様のご感想より~