液晶が付かなくなってしまったそうです。
ビープ音は鳴っているので、本体は動いていそうだということです。
この事実から、当初から液晶部品側の不具合かと思い込んで診断をしておりました。
後に判明しますが、液晶は”白”でした!
さて、届いて直ぐそのままの状態にて動作確認をすると、なんと!
無事に稼働します。
何の問題もなく時計の設定もできます。
???
おもちゃ病院のあるあるで、搬送途中で直ってしまったのかもと思い込んでそのまま経過を観察しております。
すると、約45分経過すると、液晶が消えてしまいました。
実は、この消えるという症状は正確ではなく、かなり薄いですが描画はされております。
一度消えると、リセットしても、電池を入れ替えても、再度液晶が描写することはありません。
なるほど、主様が観測していたのは、この時間が経過すると液晶は消えてしまう不具合のようですね。
では、本体内部を診断します。
基板上の液漏れもなく綺麗な状態です。
当初は、液晶が消えてしまっていると思いこんでしまっており、根拠なくクリスタルを交換してみましたが、変化なしです。
ではと、できることは全て試してみます。
- 電解コンデンサー交換
- 表面実装部品の半田部を溶かしなおし
- 液晶の導電ゴム端子のアルコール拭き
どれも全く効果なしでした。
もうこうなると、時間経過で液晶が消えてしまうので液晶部の故障ということになってしまいます。
たまごっちプラス用の液晶は手持ちがないので、どうするかを依頼者様に相談すると、とても大事なお品物ということで、何とか液晶も移殖修理できなかというご希望でした。
そこで、ジャンク品で液晶部品が生きているものを探します。
フリマにて、同じたまごっちプラスシリーズのジャンク品が見つかりました。
ジャンク理由は、電池ボックスの蓋が紛失しているだけでした。
このジャンク品を入手し液晶を移殖してみます。
数日後。。。
『ガッツほわいと』って、どういう趣旨のキャラクターなんでしょうかね。
早速ですが、液晶を移殖してみます。
リセット後無事液晶も描画しておりますね。
両方を起動し観察します。
やはり液晶部品の故障だったのでしょうね、、、と、、、この時は思い込んで、このままの状態で経過を観察しておりました。
が!
約45分後に、モジモジオレンジの液晶は薄く消えてしまったではないでしょうか!
あ”-!
犯人は、液晶部では無かったのです。
ガッツほわいとの液晶は無事に描画されております。
液晶部品は正常で、液晶を駆動するIC側の不具合という切り分けができたという顛末です。
悲しみに暮れておりましたが、悔やんでもしかたないので、依頼者様に顛末を報告しようとしたところで、運よく同じたまごっちプラスのモジモジオレンジが可動品として今度はヤフオクで出品されております。
実は、先のガッツほわいとを入手した際には、出品されていなかったのか、検索文字が不適切でヒットしなかったのか、探せておりませんでした。
今度こそはと、入手し今度は基板を移殖交換します。
基板のみを交換移殖し、本当に基板の問題かの裏も取りたいので、同じ時間に設定し稼働経過観察をします。
待つこと今度は50分。。。
思惑通りに移殖した基板側は無事稼働しており、移殖元のたまごっちの液晶は消えてしまいました。
原因の切り分けと裏取りもできました。
基板側のIC内で起動後の通電で不具合が出る故障モードと判明しました。
※これ以上の故障解析は、メーカー様の範疇なので、ここまでにします。
さて、依頼者様にご相談し、別途入手していた『ガッツほわいと』も欲しいとのことでしたので、移殖したモジモジオレンジの蓋をガッツほわいとに移殖しておきます。
今回の修理は、故障原因の切り分けにかなり難儀しました。
また、ご依頼者様のご希望でジャンク品を探しいろいろ試すという内容になりましたが、最終的に稼働できるようになるまで仕上げることができました。
補足です。
動作確認でいろいろお世話することになったのですが、ごはん、おやつ、おトイレなどなど、本当にたいへんでした。
以前、飼っていた猫を同じような感覚でお世話しないといけないですね。