たまごっち ネジ外し メンテナンス
初代のたまごっちの裏蓋のネジは、とても弱く、きつく締めてしまうと開封時に溝をつぶしてしまいます。当医院には、お困りのご依頼者様も多く、数多く開封をしてきました。
ですが、この開封は、本体破損のリスクと開封のコツと技術を要するので、事前にご依頼者様には、その旨のお約束をして頂いております。
- 開封できるかどうかは、やってみないと分からない。
- 開封作業に際し本体や液晶を割ってしまったり動かなくなってりするリスクがある。
また、作業者も手に大けがを負う危険性も抱えての作業になります。その度ごとに掌に内出血をします。
前振りはここまでにします。
ご依頼者様は、初代のたまごっち 2台を保管していて、液漏れが心配で裏蓋を開けようとしたところ、溝をつぶしてしまったです。今回のご相談は、まず、つぶれたネジを開封し、動作も確認し問題あれば併せて修理をというご依頼でした。たまに、液晶もうつらないこともあるそうなので、液晶の導電ゴムの接触も確認します。
早速ですが、状態を確認します。
画像では、溝が辛うじて残っているように見えますが、ここで騙されてはいけません。この初代たまごっちのネジは、とてもとても脆くきつく締められているとすぐ溝が無くなってしまいます。その大きい要因は、以下の通りです。
- 締めた際に、締めすぎてしまった。この裏蓋のネジは、ボタン電池を抑えるだけの蓋なので、きつく締める必要が全くありません。ボタン電池が、内部でぐらぐら動かないようにするだけで十分です。
- 開ける際に、適切なサイズのドライバーを使っていない。ネジのサイズに合わない大きなドライバーを使うと、直ぐ溝を削ってしまいます。適切な精密ドライバーを使います。
- ネジの回し方を知らない。ネジは、ただ回すだけのものではありません。ただしい開け方で回さないと溝を削ってしまいます。
今回もかなりの難敵でした。特に緑のたまごっちは、前述の画像のとおり、溝が十分残っているように見えますが、きつく締めてあったので、びくとも動きません。
緑のたまごっちのネジは、びくとも動かないので、治具で開封に試みます。治具をもってしても、少しずつ動かします。無事やっと、ちょっとずつですが動き出しました。
格闘すること、30分。すこしずつ回し始めて頭が出てところで、ニッパーで頭を立てに摘まみ静かに回します。ここで、力を入れすぎたり、ニッパーの使い方を間違えると、ネジの頭がもげてしまい、終わりの世界になります。
ご依頼様のご心配が的中しました。どちらのボタン電池も液漏れを起こしております。
緑のたまごっちの電極は、粉が電極の裏側まで付着しておりました。
端子の腐食も軽度でプリント基板側への影響もなさそうでした。このタイミングでのご依頼は、正解でした。
さて、動作確認も行い液晶の映りの欠けもなく動作も問題なさそうですが、念のため押しボタンの接点をアルコールで洗浄しておきました。
最初のやり取りから丁寧に対応していただき、最後まで安心してお任せすることができました。
お願いしていたネジの開封だけでもとても大変なのに、その他の箇所も見ていただき、本当にこんなお値段でしていただいて良いのだろうかと心配になるほどでした。
子どもたちと懐かしく遊びたいと思います。
この度はありがとうございました。
~ご依頼様のご感想より~