黄色い三つの初代たまごっち修理

新品未開封ということで同じ三つの黄色いたまごっちの修理の依頼がありました。

新品未開封の場合、ボタン電池が挿入されたまま数十年経過しています。

液漏れももちろんですが、電極の曲がり癖の接触不良など故障が多いです。

さて、今回のご依頼は3つの内2つのたまごっちで動作不安定が出ているそうです。

電池を入れて起動しても消えたり突然消えたりということです。

もうこの時点で液漏れ粉による導通不良か電極の接触不良でしょうね。

最後の三つ目はネジが潰れてしまっているそうです。では、ナンバリングして診断開始しましょう。


その1

やはりなにやら腐食が広がっていますね。

拡大鏡で調べてみると原因は長期間、恐らくボタン電池を挿入したままでの保管が原因でした。

正極を接する電極が広がりすぎて電池の端子にしっかり接触できていません。

このカツカツな接触で突然付いたり突然消えたりしていたようです。

でも、このような電極を強引に曲げると大体電極折れます。

過去にも折れましたし、過去の依頼者様の中にもご自身で曲げて折ってしまったので修理しyて欲しいという案件もありました。

特にL字部分がおれますので、そこに力がかからないように慎重に徐々に曲げ癖を矯正します。

拡大鏡でボタン電池を挿入し接触の具合を見ながら作業します。

無事安定して起動できるようになりました。

動作確認

今回のご依頼様もワッシャー付きネジをお付けしました。

これにてその1修理完了です。


その2

こちらも腐食痕がありますね。サクッと研摩して綺麗にします。

ここで起動確認しますが、まだうんともすんともです。

おおお、何か他にありそうですね。

クリスタルが発振していません。

クリスタルを交換する前に半田クラックを疑って再半田すると、無事起動するようになりました。

このまま再度起動確認をしましたが、今度は表面のシリコンボタンの感度がありません。まったく反応しません。

調べてみると酷い錆があがっています。

これは酷いです。配線パターンに錆があがりまくっています。

ですが、この錆は押しボタンの配線パターンで、安易に研摩すると配線パターンが切れたり剥がれたりします。

研摩ようの細かいペーパーで磨きます。

慎重に徐々に磨きあげます。強引に研摩するとここまで劣化したパターンなので剥がれます。

ボタン側のシリコンに塗布された導電塗料の表面も少し研摩し表面の酸化膜を除去します。

ここで気付いたのですが、液晶も劣化が進んでいますね。端が反転し始めていますね。

まぁレンズの端のケースの裏に隠れてしまうのですが、恐らくこの反転は進行すると思われます。

動作確認

ボタンの感度が著しく悪いです。

強く押し込まないと反応しません。

前述の研摩したパターン部の接触が原因と思われますが、もうこれ以上は研摩できませんので、依頼者様には現状にてご使用いただくことになりました。


その3

まず潰れたネジ外しします。

おおお、かなり陥没していますね。

かなりこじったのでしょう。

もうドライバー如きでは歯が立ちません。※溝がないだけに。

今回はまぁまぁ容易に開封できました。

がっつり液漏れしていますね。

次に電極の状態も確認します。

液漏れ痕がありますね。

ただ腐食までには至っておらず洗浄のみで綺麗になりました。

次にボタン電池との接触も確認します。

その3も長期間保管時の曲がり癖が付いて接触に不安定が出ております。

これもその1同様に慎重に電極が折れないように矯正します。

無事起動するようになりました。

動作確認

このたびは、終始ご丁寧に対応していただきまして、大切なたまごっちを直していただきまして、誠にありがとうございました。

~依頼者様のご感想より~