海外向け初代たまごっち液晶修理とたまごっち4u ボタンと音量修理

海外向けの初代たまごっちとたまごっち4uの修理依頼がありました。

海外向け初代たまごっち

海外向けのたまごっちって卵が縞々模様なんですよね。

液晶の映りが薄いということです。

よくありそうな偏光フィルター焼けのようです。

ちょっとテストしてみましょう。

手持ちの偏光フィルターで覗き込んでみると濃くなります。

偏光フィルター

ほら!

濃くなるでしょう。

筐体に日光による色あせがないので、フィルターの経年劣化でしょうかね。

ちょうど当医院に部品取り用の液晶があるので、丸ごと移植してみます。

分解し液晶の導電ゴムを剥がします。

念のため、基板の電極をアルコールで拭き取っておきます。

部品取り機から外した液晶です。

壁紙も同じ模様で、スポンジもまるっと交換してしまいます。

組み込んで描画確認をします。

念のため、シリコンボタンの接点も塗料側は、表面を研磨し基板側の電極はアルコール拭き取りしておきます。

どれどれ(._.)

きれいにクッキリはっきりしましたね。

ネジは、当医院オリジナルのワッシャー付きネジをご希望でしたので締めておきます。

動作確認

動作も問題ありませんね。

黄色がなんかビビットであった海外向けの初代たまごっちの液晶修理でした。

ではでは次行きましょう。


次は、たまごっち4uです。

4uは、ふぉーゆーと呼ぶのでしょうね。

for you !?

to youは、24とでもなるのでしょうか…

thank youは、39。。。

打線しましたが、たまごっち4uです。

実は、実修理としては、初の診断になります。

前面の押しボタンの接触が悪く強く押さないと反応しないそうです。

実際、到着直後の動作確認では、まったくの無反応でした。

また、音量も小さいということで丸っと診断します・。

ただ、このたまごっち4uは、近接で他のたまごっち4u同士で通信ができるため、筐体内部に巻かれたアンテナを外し必要があります。

この近接の通信というのは、単純な電磁誘導的な通信アンテナらしく、詳しい通信形態が不明です。

分解に際し通信不良のリスクをお伝えしたところ、動作確認用の正常なたまごっち4u(水色)もお預かりすることになりました。

では、行ってみよう!

アンテナというのは、この筐体にグルグル巻きになっている導線です。

この半田部分と外します。

こんな感じで外せました。

外す際、少し曲げることにはなりますが、無事外せました。

電極側は、それほどでもなさそうですね。

シリコンボタン側の導電塗料が少し粘着しているかというレベルです。

アルコールでの拭き取りでは取り切れなかったので、少しこすって物理的に剥離します。

導通不良は、恐らくシリコンボタン側の接点不良が原因ですね。

表面を軽く研磨しておきます。

これで無事ボタンの反応が復活しました。

次に音量についてです。

実は、到着した当初の動作確認では、音量の低下を明確に確認できませんでした。

正常なたまごっち4uもお預かりしていたので、並べて音量の比較をしたのですが、有意差は感じられませんでした。

因みに、年齢的に私の耳が遠くなっていることは考えられないので、この有意差は感じないは確かと思います。

圧電素子を確認します。

この右側の電池ボックス裏側に付いている圧電素子です。

目視上も問題なさそうです。

この状態で耳をそばだてて聞いてみても問題なさそうです。

COB内のICから直に配線が出ており、ダンピング抵抗100Ωを介して圧電素子につながっています。

ダンピング抵抗も100Ωで問題ありませんでした。

現状を報告したところ、圧電素子を交換して返却し音量を聞いてみるということになりました。

使われている圧電素子は、Φ=20mmです。

上が外した圧電素子で、下が新品の圧電素子です。

因みに、圧電素子の導線の半田付けを溶かして導線を外すと圧電素子の抑えの部品が熱でぐにゃっとしてしてしまいますので注意です。

また、セラミック端子の銀メッキは、銀食いが発生するので、必ず銀入り半田を使用しないと終わりの世界になります。

この圧電素子は、筐体にはツメで溶着されているのですが、少しガバガバ状態でした。

( ,,`・ω・´)ンンン?

もしかしたら、音が小さい原因って、このガバガバだったんじゃね?

溶かし抑えていたツメがガバガバになって圧電素子が浮き上がっていたのかもしれません。

輸送中に位置がズレてカチッとハマり音量が復活しただけという次第かもです。

ですが、今となってはもうどうしょうもないので圧電素子を交換します。

抑えの部品を筐体のツメ部分にエポキシ接着剤で固定しますが、浮き上がらないように接着剤が固まるまで抑えておきます。

この矢印のツメ部が浮き上がらないように慎重に固定します。

間違っても圧電素子自体を接着固定していけません。

では、サクサクっとアンテナも元に戻し動作確認します。

通信動作

たまごっち4u同士の通信も問題ありませんでした。

圧電素子を交換しましたが、これといった音量の差も変化なしではあったのですが、現状のまま返却することになりました。


音の大きさが段違いに大きくなっており、送り出した頃とは別物のようです。

今回も分かりやすく詳細なご連絡を下さり安心しておまかせすることが出来ました。

本当にありがとうございました。またぜひよろしくお願い申し上げます(o^^o)

~依頼者のご確認より~

⸜(´・∀・)_∠※

なるほど、やはり圧電素子が筐体の抑えからズレて浮き上がり音圧が低下していたんですね。

圧電素子を交換することにはなりましたが、別物というレベルまで改善してよかったです。